PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

処方箋対応に加え、日常の体調相談や受診案内にも応じる薬局へ

薬剤師の知見で受診前の不調相談に応じ利用者の判断を支えるプロ

堀崇嗣

堀崇嗣 ほりたかつぐ

#chapter1

医療用医薬品の提供と受診先案内を行う相談対応体制

 「調剤薬局は、処方箋に基づいて薬を受け取る場所として利用されることが多いと思います。そうした役割に加えて、気軽に相談できる場所としてもご活用いただけたらと考えています。薬局を始めるにあたっては、地域の中で身近に感じていただける存在として、必要なときに選んで足を運んでいただけるような環境づくりを目指しました」

 こう話すのは、「やくらぼ」代表取締役であり薬剤師の堀崇嗣さん。札幌市と恵庭市で「きりはな薬局」を3店舗展開しています。同薬局では通話アプリLINEで処方箋を事前に送信できる仕組みを整え、来店時の待ち時間の軽減につなげています。
 また、医師の処方箋が必要な薬とは別に、薬剤師の判断のもとで提供可能な医療用医薬品も取り扱っています。市販薬とは異なる選択肢として、症状や状況に応じた提案を行っています。

 「定期的に受診しているものの予定が合わないときや、手元の薬がなくなった場合なども、まずは状況をお聞きしたうえで、どのような対応が可能かを一緒に考えていきます」
 さらに、適切な医療機関の案内にも対応しています。
 「例えば、首の後ろに痛みを感じたとき、脳神経外科と整形外科のどちらを受診すべきか迷うこともあるのではないでしょうか。予定を調整して受診したものの、別の診療科を案内されるケースもあるようです」

 堀さんは症状をヒアリングし、地域の医療機関の中から選択肢を提示。「医療の知識を持つ身近な人に相談するような感覚で、気軽に頼っていただける存在でありたい」と話します。

#chapter2

対話を通じて体質や症状に応じた漢方相談に取り組む

 堀さんは1998年、札幌市に本社を置く調剤薬局会社へ就職。現場での薬剤師業務を経て人事部長、常務取締役へと役職を重ね、その後は大手医薬品企業の薬剤師部門長に。行政関係者と会う機会も多く、医薬品行政の仕組みや背景への理解を深めてきたといいます。さらに佐賀県の調剤薬局事業会社では、30〜40代の女性をターゲットとした漢方薬局の新規事業に携わり、漢方の知識を体系的に学習しました。

 地元札幌で事業譲渡の話があり、2020年に起業。その背景には、20年以上にわたり様々な現場を見てきて、気軽に相談できる身近な薬局が限られているという課題意識がありました。

 「有資格者という立場にとらわれすぎることなく、かといって過度にへりくだることもなく、身近な家族や友人と接するような距離感を大切にしています」

 相談を受けた際には、複数の選択肢をメリット・デメリットとともに提示し、最終的には利用者自身に判断していただくことを大切にしています。漢方薬の取り扱いも、こうした姿勢と深く結び付いています。

 漢方は、体質や症状に応じた見立てが重視される分野です。市販の漢方薬が「合わない」と感じられる背景には、成分量や処方との適合性が影響している場合もあると指摘します。堀さんは一人一人の体質や症状を丁寧に確認したうえで、状況に応じた種類や分量を提案。冷えやしびれ、疲れやすさなど、医療機関を受診するほどではないものの、気になる不調についても対応しています。

#chapter3

スタッフが主体的に楽しく働き、地域に根ざした薬局運営を目指す

 店舗数が増えた現在、力を注いでいるのが社内の人材育成です。利用者に寄り添う対応ができる人材を育てることが、薬局全体の質につながると考えているためです。採用の段階から、人と関わることに前向きな姿勢を持つ人材を重視し、入社後もその気持ちを大切にしながら成長を支えることを意識しています。

 「今はスタッフから様々な提案があり、少しずつ取り組みの幅が広がっています」と堀さん。旅先で体調不良時に服用できる薬を詰め合わせた「旅行安心セット」の販売や、カフェのような雰囲気を演出した店内装飾など、現場発のアイデアが次々と形になっています。かつては堀さんがスタッフに指示を出していましたが、今ではスタッフからの提案も増え、チームとしての主体性が育ってきています。

 薬局を始めるにあたり、堀さんには二つの思いがありました。地域の中で役割を果たせる存在でありたいということ、そして働く人が前向きに働ける環境を整えたいということです。その両面について、少しずつ形になりつつあるといいます。

 「来店された方が私の顔を見て、笑顔になってくださるのです。顔を合わせて言葉を交わす中で、自然と関係が築かれていくことにやりがいを感じています」
 処方箋を受け取るためだけでなく、「家族の薬も任せたい」「体の不調をちょっと相談したい」と思ったときに足を運んでもらえる存在でありたいといいます。

 「他の地域でも、『きりはな薬局があったらいいな』と思っていただけるような存在を目指し、日々の取り組みを積み重ねていきたいと思います」

(取材年月:2026年4月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

堀崇嗣

薬剤師の知見で受診前の不調相談に応じ利用者の判断を支えるプロ

堀崇嗣プロ

薬剤師

株式会社やくらぼ

事前相談により待ち時間を軽減し、受診すべきかを迷う不調や、薬が手元にない時にも迅速に対応。体質や症状を踏まえて状況を整理し、選択肢を提示。必要に応じて薬の提案や受診先の案内まで行い、判断を支えます。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ北海道に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または北海道テレビ放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO