住宅ローン金利、どれを選ぶのがおトク!?

望月良友

望月良友

テーマ:融資 住宅ローン 金利 固定 変動

人生の最大の買い物とも言われる、大事な自分の居宅・・・
大体の人は借入、つまり住宅ローンを利用することと思います

そこで気になる、重要な商品選択のポイントの一つとなるのが

金利

ではないでしょうか?

(全期間)固定金利?
変動金利?
固定金利選択型?

もうなんだかわからない!
という方もいるかもしれませんね

いやいや
逆に
「もうそんな基本的なこと書かないでくれよ!」
という方もいるかもしれません

そこで、金融機関出身のFPとして
改めて解説したいと思いますので
住宅ローン商品選択のご参考にしてくだされば
と思います

(全期間)固定金利


まず一番わかりやすい(全期間)固定金利です
これはその名の通り
住宅ローンの借入期間に応じた金利が

最初から最後までずっと変わらない
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
長い期間の話だから固定金利なら安心!
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

と言われるものです

このタイプの代表的な商品は「フラット35」
ですね
2021年6月現在、
こちらの金利は融資率が9割以下で1.350%/年
同じく融資率が9割超の場合でも1.610%/年
となっています
※新規借入かつ団体信用生命保険付きの場合
※融資率~対象物件購入資金計画総額のうち借入額の割合

金利の変動が無い=毎月の借入返済額の変動が無い

ということですから

当然将来の資金計画設計が立てやすくなる

というメリットがあります

「あー、やっぱり固定金利が良いじゃん!」
という声が聞えてきそうですね

一回利用すればその後何にも気にしなくてよいので
この安心感は確かに大きいですね

一方で、何がデメリットなの?

ということもあるわけですが

これは全期間固定金利は
基本的に変動金利よりも設定金利が高い
ということになります

つまり、
固定金利は安心感を金利支払いで買うことになる

とも言えます

なんと言っても借入返済が終わるまで
ずっと金利が変わらないわけですから
高い金利設定のままお支払が進んでいくので

結果的に住宅ローン金利の変動が将来的にも無い場合には
固定金利の方がかなり多くの返済をすることになる
ということがあり得ます

「でも35年もの間ずっと金利が変わらないなんて
普通で考えたらそんなことないのでは?」

という見方があります

たしかにそうです

が、金利変動はその仕組みや理屈の上では
上昇ばかりではありません

当然下降することもあるわけですから
常に毎月の返済額を気にするタイプの方や
少しでも返済額を下げたいタイプの方には
必ずしも(全期間)固定金利が良いとは限りません

また一般的なファイナンシャルプランナーなどの
マネーセミナーなどでも
「ローンを利用するなら絶対固定金利ですよ!」
のような説明をされるケースもあるのですが

これは住宅ローンの金利のことを本質的にわかっていない

というケースがあるので
単純に「固定だからいいんだ!安心なんだ!」
という場合だけではないのが実態なので
セミナー等で聴いて選択をされるのは要注意です!

(※たとえば資産運用を考えるセミナーなどで
ライフプランを説明するケースがありますが
つまり将来のライフプランは逐次変わるので
全期間固定金利はその変化に対応しにくい面がある
ということは説明しているのは私は聴いたことがなく、
ということは本当にライフプランを預入運用と借入
両輪を見て立てることを想定していない違和感が
出てきます。ライフプランは数字だけで見るものでは
ありませんので。)

変動金利


次に変動金利です
これはその名の通り、適用金利(利率)が
借入期間中に変動いたします

これによって住宅ローンの返済額が
金利(適用利率)が上昇すれば返済額も上昇し
金利(適用利率)が加工すれば返済額も下がる
ということになります

「これだと借り入れしている間、ずっと金利のことを
きにしていなければならないな~、面倒だな」

と思われる人、多いのではないでしょか?

このように考えられる方には当然変動金利は
オススメしません

でも単純に変動するからイヤだ、面倒だ、怖い
ということではなく
よ~くここは理解してくださいね

そもそも資産運用を変動市場でお勧めするのに
借入については変動をお勧めしない、説明が変動という
ワードだけ取り上げて(上昇変動が)怖いという
概念をお伝えする
こういうFPが多いのは
金融機関出身のFPとしてはとても矛盾、違和感を感じます

それはどういうことでしょうか?

それは
変動金利には変動金利「適用」の「仕組み」
があるからです
ただ単に変動だから借入は固定が安心ですよ
とだけ説明する人は
この仕組みを確認したことが無い、知識だけの人
の場合が結構あります

本当に注意してくださいね

ただこのようなことを知りたい場合は

‟とにかく返済額を少なくしたい“

というご希望がある人だけで結構です

もしも先ほどの固定金利のなかで示したように

‟一度利用したらもう金利とかなんとか気にせず
返済するものはそのまましていきたい“

という人は、ここから先を読み進めなくても大丈夫です

変動金利の変動のタイミングは?


変動金利といっても
じゃあ(借入した後)適用される金利は
いつどうやって変わるの?

ということを説明されないことが多いのではないでしょうか?
(※金融機関窓口ではそんなことはないでしょうけれども
FPなどからはあまり無いのではないでしょうか?)

一般的な住宅ローンの金利は
年に2回しか金利の見直しのタイミングがありません
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
(※実際にはご利用ご検討先の金融機関の仕組みを
必ず≪個別に≫確認してくださいね!)

たとえば
1月(7月)の1日現在の
その金融機関が定める住宅ローン金利(または指標となる金利)が
4月(10月)のご返済分に反映されるように
返済額を再計算
といった具合です

当然金利というのは常に動いているもの
(変わっていないのはたまたま変わっていないだけ)
ということなのですが

金融機関と借入するときに交わす契約書や金利の特約書など
にはしっかり書かれています

なので、金融機関等に住宅ローン利用相談するときに
金利の選択や説明を受けるはずですが、
最初の相談で意外にその仕組みまでしっかり説明されることが
少ない(FPとかだとなおさら説明できる人が少ない)ですし、
そこまで質問確認しようという人が、利用者側にも少ないので
ここは要注意です!

これを読まれた方は絶対にこの「変動の仕組み」の確認を
漏らさないでくださいね!

さて、話を戻しまして
まず変動金利の(借入後の)適用金利の変動は
たとえば年2回の変動タイミングでもし変わっていなければ
結果的に金利変動無く、(全期間)固定金利よりも低い利率のまま
ご返済が続いていく、ということがあり得ます

たしかに今から30年、35年というような長期の期間を見通すと
ずっと変わらない、と思う人はまずいないでしょう

おまけに今はとても低金利な時代です
これを踏まえると変動は下降することは考えにくいから
(全期間)固定金利よりも返済が少ないなんてこと
考えにくいよね

このように考えることは流れとして自然です

でも
実際には今はほぼ適用金利は変動していないうえ、
この変動金利の仕組みをしっかり理解、知っておくことで
(全期間)固定金利のメリットも活用できる
次の金利タイプ『固定金利選択型』を
しっかり理解できる、というものなんです

固定金利選択型


では最後に

固定金利選択型

です

ん?
これは固定金利なの?
いや、選択だから変動金利なの?
なんなの、これ?

よくわかりませんよね~?

これは『固定金利と変動金利の良いとこどり』
です

つまり、括りとしては

変動金利がベース
^^^^^^^^^^^^^^^^^^

となります

ですが、

たとえば借入期間35年で組むとしても
まずスタートの10年間を固定金利にします

そしてその10年経過後は
特に何も手続きをしなければ
その時点の変動金利を適用します

手続きをすれば
その時点での10年固定金利を10年間適用します

というように、
借入期間全体のうち
一時期だけ固定金利あるいは変動金利
それぞれの適用を≪選択≫できる

というものです

「え?でも固定金利を選択したら金利が
変動金利の適用よりも高いのでは?」

そこにも実はからくりメリットがあります

固定金利選択型は
固定金利適用期間が一般的には3タイプあります
たとえば3年、5年、10年
といった具合です

このように固定金利適用期間が
いきなり借入全期間ではなく
固定金利適用期間を短く設定することで
(全期間)固定金利よりも低い金利が設定されています

さらに今は各金融機関で新規利用キャンペーン的に
このタイプの金利導入の場合
通常の期間対応の金利よりも引き下げて(優遇幅を設けて)
金利設定されています

さらにさらに!
その優遇幅が、当初固定金利期間終了時点以降も継続して適用
というような取り扱いをしている金融機関もあります

そうなると

最初から(全期間)固定金利を選択するよりも
低い金利適用のまま住宅ローンを終える

ということも
決して無いわけではありませんね

先ほども書きましたが

固定金利選択型というのは

あくまでも固定金利選択期間が終了すれば
その後は再度固定金利期間を選択する
または
何もしないで変動金利適用になる
そしてまた時期を見て、あるいは手が空いたときに
改めて固定金利期間設定の選択手続きも出来る

という仕組みですから
基本的な括りは〔変動金利〕に該当します

適用される固定金利は、その時現在の金利水準が
ベースとして適用されるので
必ず(全期間)固定金利タイプよりも
低い金利のままで推移できる
ということは確約して言うことはできないのですが

理屈として適用される固定金利は
その固定期間が短い方が長い期間よりも低くなる
ということがあるので
たとえば35年ローンで35年固定金利でお願いします!
というケースよりも
まずは10年固定金利でお願いします!
というケースの方が
適用される金利は低くなるというのも事実です

したがって
上手に使えばトータルで適用金利が低くなる可能性は
意外と高い
とも言えます

また固定金利選択型だから
本来は変動金利に括られると言いましたが
結果的に変動金利適用期間が一度も無く
固定期間10年✕3回+固定期間5年1回
という形で35年ローンを終えてしまう
ということもあり得ます

(全期間)固定金利は
たしかに契約利用開始後
ずっと変わらない安心はありますが

たとえば途中でお子様が誕生されたり
仕事が変わって収入環境が一時的にでも
変わってしまうなど

長いライフプランは
将来的にすべて計画通りに行くとは限りません

そのような時に
少しの間だけでも適用金利を変更選択も
商品契約上認められていることになる
固定金利選択型は

最初からずっと固定よりも柔軟に対応も可能
とも言えますね

固定金利も変動金利も
実はそれぞれ良い面もあるので

単純に借入は固定金利が安心!
という情報だけではなく

・自分の生活や仕事の環境
・ご家族のお金がかかる予定時期
・ご自身が好むお金の利用スタイル

これらのことをよく考えて
適用金利のプランを選んで
住宅ローンを考える方が良いね!

皆さまは、どうお考えになりますか?

============
まとめ
============
●住宅ローンは人生最大の買い物と言われるものです
●このため借入を利用して住宅を取得する人が多いです
●その住宅ローン商品利用選択の基準の一つとして
≪金利≫があります
●一般的なセミナー等ではただ単純に
将来のライフプラン、資金計画の立てやすさだけに
注目して「(全期間)固定金利」が良い
と説明を受けることが意外にも多いですが
●まず変動金利の変動の仕組みを
利用検討金融機関にしっかり確認して
その上で固定金利選択型の適用固定金利を確認して
きちんと金利タイプを選択する
ということが重要です!

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望月良友
専門家

望月良友(ファイナンシャルプランナー・アドバイザー)

HORIZON FP事務所

27年間の銀行員経験を基に●預貯金や資産運用●保険契約、必要性●借入・資金調達相談●相続・事業承継・MA相談など、個人法人相談に対応できる、お金の教育・総合アドバイザー(オンライン相談も可)

望月良友プロは北海道テレビ放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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