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緊張型頭痛の症状─肩や首に強いこりに伴う、頭が締め付けられる痛み

井上健

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テーマ:頭痛の基礎知識

いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。
本日は、緊張型頭痛についてです。
頭痛の基礎知識としての五回目のコラムになります。



【概要】
脳に危険な病気がないのに頭が痛くなることはよくありますが、そのような頭痛にも色々なタイプが。
緊張型頭痛は、主に運動不足やストレスが原因で体が緊張し、肩や首付近の血流が悪くなって痛みを感じますね。
*近年、この血流が悪くなる筋緊張はジストニアという状態と考えられてます。
その症状や原因、対処法などを紹介します。
見出し:異常姿勢をなおし体を動かせば楽になる([[ウォーキングのすすめ)]]
もっとも起こりやすい「緊張型頭痛」は体を動かせば楽になる
*姿勢はみかけの姿勢ではなく、肩や首に緊張がはいらない姿勢です。
「緊張型頭痛」と呼ばれる頭痛は、頭痛の中でも頻繁に起こりやすいといわれています。
この頭痛の主な症状は、頭の痛みは軽めで、体を動かしても痛みが悪化することはなく、吐き気もさほど深刻ではありません。
そして片頭痛の特徴である、光が見えたり、音に過敏になったり、という症状もほとんどありません。

高齢者から子供まで、あらゆる年齢層の人にみられる頭痛です。
痛みの症状は、頭の周りを締め付けられるような鈍い痛み。
短いときは30分、長いと1週間ほど続き、頭痛の頻度は時々という人、毎日という人と個人差があります。

痛む場所は頭全体の時もあれば、両側、後頭部から首筋にかけてとさまざまです。

頭痛以外の症状には、肩や首の強い凝りや全身倦怠感、めまいやふらつきなど。
体の緊張が原因で起こることが多いので、頭痛を感じたときに休むのではなく、体を少し動かすと痛みが和らぐ傾向がありますね。

緊張型頭痛は動かない生活が原因になりやすい

緊張型頭痛は、運動不足の人がなりやすいと。
毎日、家と職場や学校を往復するだけで、仕事や勉強以外の時間にとくに体を動かすこともなく毎日を過ごしていると、体内の血流が滞りやすく。
とくに
長時間、デスクワークやパソコン画面とにらめっこを続けているような仕事をしていると、座りっぱなしで体が硬直しますし、長い時間画面を見ているので目が疲れますよ。

毎日、このような過ごし方をしていると、血の巡りが悪くなって首や肩の筋肉に疲れがたまり、「凝り」の症状が出始めますね。

普段から肩こりがひどい人は、肩周辺の凝りやハリが、周囲の神経を刺激して頭痛を引き起こすようになります。
ひどくなれば、筋肉に疲れがたまっていない時でも頭痛の症状が起きるようになります。

緊張型頭痛が起きたら

頭が痛くなり始めたら、仕事中ならイスから立って周辺を歩き回り、肩や首を回したり、背中や肩や腕などのストレッチ体操をして硬くなった体をほぐすようにしてみましょう。

緊張型頭痛は、時間を決めてデスクワークの合間に休憩をとることが頭痛の予防につながり、頭痛が起きてからでも、仕事の手を休めて少し歩きながらストレッチ体操をすると痛みの症状が和らぎ体が楽になることはありますので。
この他にも血流を促す入浴やマッサージなども効果が期待できます。

もし
痛みが毎日のように起こって、症状が長く続くのであれば、市販の鎮痛剤を利用すれば頭痛が早くおさまります。
悪循環をたちきるという感じ。
しかし「頭が痛くなれば薬を飲めばよい」と安易に考えるのはよいとは言えません。

市販の頭痛薬は、頭痛の症状を和らげる即効性はありますが、緊張型頭痛の根本的な原因の一つである運動不足や異常姿勢を改善しない限り、頭痛は再発を繰り返す可能性があります。

薬で治すことを繰り返すうちに、やがて薬なしではいられなくなります。鎮痛剤に頼りすぎるのではなく、医師の診察を受けて、薬に依存しすぎることなく、頭痛に対処していくことが大切です。

医師から処方される薬には、精神的ストレスの緩和を図る抗不安薬や、筋肉の凝りを和らげる筋弛緩薬などがあります。
頭痛が起きる状況や、毎日の生活の様子などを詳しく医師に伝えて、適切な薬を処方してもらうようにしてください。

ストレスコントロールを心がけて

緊張型頭痛は、仕事が忙しいなど、肉体的にも精神的にもストレスが加わって疲れがたまった時に起こりやすくなりますね。

忙しさに気を取られていると、体に疲れがたまっていることに気が付かなくなることもあります。

まじめな人ほど、多くのことに一生懸命になるあまりに、体調を崩しやすくなります。緊張型頭痛は、そのサインとも言えるでしょう。

「薬を飲めばすぐ治るから大丈夫」と思っていると、頭痛はやがて脳卒中といった命の危険を伴うような病気のサインを発信していることもあります。

たかが頭痛と思わずに、「最近ちょっと忙しくて、がんばりすぎているな」と思ったら、今日は早めに仕事を終えてマッサージを受けるとか週に1回はジムに通って筋トレするなど体を動かしながら気持ちもリフレッシュできる時間を持つようにしましょう。

家で毎日10分ストレッチをするだけでもかまいませんし、一駅手前でバスや電車を降りて歩くのもOKです。

ムリのない範囲で、ちょっとした運動を習慣づけることが、緊張型頭痛の頻度や頭が痛む時間を少しでも減らすことにつながりますよ。
運動に加えて、入浴で体を温めて血流を促す方法も効果がありますね。

緊張型頭痛予防のポイントは、心身のストレスコントロールにあるとも言えます。
ヨガ、瞑想、呼吸法、マインドフルネスなどは最適な予防法のひとつと思われます。
自分一人で悩まずに、医療機関でストレスコントロールの方法や薬の使い方など、医師からアドバイスを受けてみるのもオスメです。

当院社員旅行で座禅をしました

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井上健
専門家

井上健(内科医)

いのうえ内科脳神経クリニック

あらゆる頭痛の原因を診断するためには脳だけの専門でなく全身を診ることが必要になることもあります。

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