脳腫瘍の症状─徐々に頭痛や吐き気、身体のしびれや麻痺が強くなるなど
本日は広島地方は少し雨模様。
立春になりました。
今回から、少し頭痛の基本にもどった解説をコラムにあげていこうと思います。
テーマとして頭痛の基礎知識としました。
週に一回のアップロードとしますのでフォローしていただけると幸いです。
(毎週日曜日の更新ですが、本日は月曜日一日遅れてしまいました。)
【概要】
頭痛は、筋肉の緊張が原因で起こるものから、脳出血といった深刻な病気のために起こっているものまで、その種類はさまざまです。
ここでは、頭痛を大きく2つに分け、その症状や原因、対処法などを紹介していきます。
頭痛のメカニズム
ひとが痛みを感じるメカニズムは、体のどこかで受けた刺激を、痛みを感じるセンサーが感じ取ります。
次に、センサーのそばにある末梢神経からその刺激が、脳で「痛み」と判断されています。
脳では伝わった情報をもとに、痛みの場所や、痛みの質(鈍痛・キリキリする痛みなど)とその強さを判断したあと、その場で痛みを避ける逃避行動を起こしたり、安静をとるために動かずにじっとするといった行動につなげています。
頭に痛みを感じる時、ぶつけて痛む時とそうでない場合があります。
頭を何かにぶつけたわけでもないのに頭痛がする時、最初に痛みを感じるセンサー的な役割をしているのは、頭の中にある痛覚感受部位です。
具体的には脳内の血管および脳と脊髄を覆う硬膜です。
これらの部位に炎症や圧迫などの力が加わり、これが三叉(さんさ)神経などを通じて大脳に到達し「痛み」と判断されれば「頭が痛い」と感じるのです。
頭痛は大きく分けると「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2種類
頭痛には、カゼや二日酔いで起こるものから、原因がわかりづらいもの、脳出血といった生命に危険がおよぶ病気のためにおこる頭痛など、その種類はさまざまです。
国際頭痛学会では、頭痛を、その原因となる病気がない「一次性頭痛」と脳出血・脳腫瘍などの病気が原因で起こる「二次性頭痛」の2つに大別しています。
一次性頭痛
病気でもないのに繰り返し起こる頭痛、慢性的な頭痛が該当します。
(1)緊張型頭痛
【原因】
デスクワークやスマホ操作など、同じ姿勢を長時間続けることで、こめかみの部分にあたる側頭筋(そくとうきん)、首から肩に広がる後頸筋(こうけいきん)、僧帽筋(そうぼうきん)などの筋肉が凝り、発痛物質を放出して発症すると考えられている頭痛。
【症状】
・鈍い痛みが30分程度から、1週間も続く
・頭をしめつけられたような痛み、ズーンとした痛み
・肩、首の強い凝り
・めまい、ふらつき、全身倦怠感
【対策】
・心身のリラックスが第一
・長時間の同じ姿勢を避けて、首や肩の凝りを防ぐ
・冷えからくる血流悪化を防止する
(2)片頭痛(へんずつう)
【原因】
・ストレス、気圧や気温、人混み、騒音といった急激な環境の変化、睡眠不足・過多、飲酒、月経サイクルなどの要因で、三叉神経が刺激され起こる。脳の血管の拡張をともなう。
・20~40歳代の女性に多い
【症状】
・週2回から月1回ぐらいの頻度で、数時間から数日痛みが続くことがある
・こめかみから目の周辺にかけて痛みがある
・心臓の鼓動に合わせてズキンズキン、またはガンガンとした痛みがある
・めまいや吐き気を感じる
・光や音で悪化する
・前兆としてギザギザした光が見える(閃輝暗点 せんきあんてん)、視野の一部が見えにくくなる、言葉が話しにくくなることがある
・頭痛が月に15日以上発生し、そのうち月8日以上、片頭痛の特徴を示す場合は「慢性片頭痛」と診断されることがある
【対策の例】
・血管拡張・収縮する物質を多く含む食品摂取を避ける
(オリーブオイル、チーズ、赤ワイン、ハム、サラミなどは血管拡張・収縮成分を含むポリフェノールやチラミンが多く含まれている)
・乗り物の乗る場所に注意する
(バスではエンジンが伝わる場所やタイヤの真上の座席を避ける、電車に乗るとき、窓側の席では景色が目に入りやすくストレスになりがちなので通路側の席に座るなど)
*参考ホームページとブログ
ホームページ
片頭痛の予防
ブログ
片頭痛の予防に緑を!サングラスの多目的使用!!
片頭痛の予防薬、いつまで続けるか?適応は?
片頭痛の予防薬って一生飲まないといけない?
(3)群発頭痛
【原因】
アルコールや硝酸剤などの血管拡張薬(主にニトログリセリン)で、頭部の欠陥が拡張して発症する頭痛。
発症する原因については、不明な点が多い。
【症状】
・1~2カ月の間に集中して(群発期と呼ぶ)毎日15分~数時間発症する時期がある
・片側の目の奥がえぐられるように痛く、耐えられない
・痛む目が涙目、充血する
・鼻水・鼻づまり
・額から汗
・鎮痛薬が効かないことが多い
【対策】
・群発期間中は飲酒を控える
・急性期には、トリプタン系薬剤の服用や注射(注射のみ保険適用)
・純酸素吸入法(保険適用)
二次性頭痛
頭部外傷や脳卒中、脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎といった疾患、薬物の副作用、目・耳・鼻・副鼻腔・口腔の疾患、精神疾患など、その原因となる病気の種類は多くなっています。
一次性頭痛との相違点ですが、二次性頭痛の場合は原因となる疾患のために頭痛が続くのが特徴です。
そして頭痛以外にも、その病気のためにさまざまな症状がみられることがあります。
今まで何もなかったのに、突然に頭痛や高熱、嘔吐、首が動かしづらいといった症状が出れば、すぐに病院に行くようにしてください。
二次性頭痛の診断においては、痛みや頭痛の頻度、時間など、詳しく問診を受け、頭部CTやMRI検査、脳波や血液検査などを経て、頭頚部に異常がないかどうかを確認しなければなりません。
もし異常が見つかれば、その疾患に対する治療が最優先で行われます。
その間の頭痛は、消炎鎮痛薬や抗けいれん薬が一時的に用いられることがあります。