頭痛とストレス 小児の片頭痛は薬(西洋薬)で治さない?
広島市内で医院を開業しております井上です。
本日は小児の頭痛についての話題です。
当院には、比較的難治の頭痛のお子さんが来院されます*。
小児の頭痛にはどのようなものがあるか
本コラムでは幼児から思春期までを小児とよばせていただきます。
発達段階で見られる頭痛がかわります。
幼児から小学校低学年
片頭痛がおおいです。
その次に緊張型頭痛の軽いもの。
後者は、脳腫瘍などを心配されて来院されることがあります。
年長児より
てんかんに関連した頭痛が増え
脳波検査が必要なことがあります。
思春期にさしかかる小学校高学年から中学生・高校生
片頭痛は軽いものから重度のものまでさまざまです。
緊張型頭痛がおもな原因で来られる患者さんも、片頭痛が合併していることが多いです。
思春期では
起立性調節障害(朝がよわい、朝学校にいけない、頭痛は朝のパターンです)
心理社会的要因
が関与しております。
この心理社会的要因が難治性にしていることは多くみられます。
ある10代の男の子の場合
当院で片頭痛と緊張型頭痛と診断。
学校にいけない日がつづく。
学校でも家庭でもストレスないと本人もご両親も言われてました。
ある日、本人から実は、頭痛がなくても学校に行きたくないことのほうが多いとのこと。
ご両親にも言えない、ある悩みをかかえていたそうです。
(思春期のころは悩みがあっても誰にも相談できない。よくあることですね。)
器質的原因の頭痛
以下の頭痛も存在してますので難治性のときはあらためて問診や診察をする姿勢が大切だと思っております。
炎症性疾患(副鼻腔炎やインフルエンザ後頭痛、髄膜炎など)
高血圧をともなう疾患
耳鼻科系の疾患(副鼻腔炎や中耳炎・外耳炎など)
眼科的疾患(緑内障やぶどう膜炎など)
脳腫瘍など
小児頭痛の予防
日々成長して、発達しているお子さんの心身の健康をたもつためには
よい家庭環境が大切です。
生活の基本は、
早寝早起き
十分な睡眠時間
規則正しい食事時間とバランスのとれた食事内容
適度な運動
そのほかにも
ご家族の(もちろん本人も)喫煙は頭痛の誘因になるばかりか気管支喘息の誘因にもなります。
絶対さけるべきでしょう。
テレビ・ゲーム・パソコンなどのマスメディアを長時間続けることはだめです。
生活リズムを狂わせる大きな理由になってきております。
またお子さんの性格の特性をよくご両親は知ることも重要です。
気持ちを出せない、いわゆる「よい子」が、思春期になって、連日の慢性頭痛を訴え学校の欠席が増えることがあります。
安心してお子さんが自分の気持ちを外に出せれる環境をつくることも大切です。
*当院では15歳未満の患者さんの初診は頭痛を主訴にした場合のみ受けさせていただいております。
まとめ
小児の頭痛の種類について
器質的疾患による頭痛について
小児頭痛の予防医学について
本日は書かせていただきました。
ご参考になると助かります。