広島市中区いのうえ内科脳神経クリニックにおける頭痛患者さんの統計
めまいは
脳梗塞、脳出血などの脳血管障害に代表される症状としてのめまい。
から
内耳の三半規管に問題があり起こるめまい。
と、めまいの原因は多岐にわたります。
多くのめまいは命に別状のないストレス性のめまいだったり、内耳に関連するめまいです。
そのめまいに頭痛をともったとき、以下の疾患が主に考えられます。
脳血管障害とめまい
危ない頭痛とめまいです!
・小脳という体のバランスをつかさどるとことに脳梗塞をおこすとめまいが出現します。
急に起こるめまいと頭痛です。
脳梗塞の原因が椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)であることは比較的多いです。
椎骨動脈の壁は内膜・中膜・外膜の三層に分かれてます。
その壁が避けて血腫が壁のなかに入ります。
血管腔が閉塞をしたり、血栓(けっせん)が小脳に飛んでいったりして脳梗塞を起こします。
血管壁が切れますので痛みを感じます。
後頭部の痛みとして感じることが多く、感覚が過敏になっておこる後頭神経痛との鑑別は困難です。
・小脳は後頭蓋窩という頭蓋骨と天幕に囲まれている密閉空間にあります。
そこに脳梗塞や脳出血が生じるとめまいに加え頭痛が起こります。
脳梗塞部分は脳浮腫(のうふしゅ)といって水が脳の組織に引き込まれ、脳出血は血液がひきこまれるから密閉空間が圧迫されて痛みが生じます。
脳血管障害によ頭痛とめまいはくも膜下出血である場合を含め、緊急性がある場合も多く、救急車コール、まようならば、脳神経内科・外科などに相談してください。
緊張型頭痛とめまい安全な頭痛とめまいです
疲れたときや、体調不良時にくらくらするめまいを感じたことがあるかたは多いのではないでしょうか?
「あーしんどい!めまいがする!」のめまい感です。
これは緊張型頭痛によくあるめまい感です。
めまいにより日常生活の妨げにはなりませんし、以前からなんども軽い頭痛時にめまい感をともなっている場合です。
この頭痛とめまいは安全です。肩や首をマッサージしたり、お風呂にはいってリラックスしましょう。
この症状は、とくに何科がよいかはケースバイケースです。
ストレスが原因であれば、精神科や漢方内科であったり、頚椎症などが原因だったら整形外科や脳神経内科であったり、更年期障害だったら婦人科だったりと、いろいろあります。
通常、緊張型頭痛のかたの頭痛とめまいは生活に支障はなく、それに随伴する症状(しびれ感、筋力低下、こわばり、パーキンソン症状、抑うつ症状)で困られて医療機関に受診されます。
緊張型頭痛のみの診断のときは要注意です。隠されているものがきっとあります。
片頭痛によるめまい しんどい頭痛とめまいです。
このめまいと頭痛は命には別状なく安全です。頭痛がおきる一時間から五分前にめまい感が起こる片頭痛の前兆症状としてのめまいです。
人によっては頭痛が起きてもめまいがしばらく続いたり、頭痛の時にめまいが起こることもあります。
過去に二度以上の発作で他の疾患を除外できた場合は前兆のある片頭痛と診断されます。
前兆のあるかたの頭痛は比較的短い(数時間や半日)ことが多いのですが、前兆のない片頭痛に比べて頭痛の程度が酷い印象があります。前兆時からあるいは、予兆時(頭痛の前の二日から30分前におこる、あくび、倦怠感、過食、筋肉の凝り、神経過敏、抑うつ感など)から対応できると理想的です。
ふだん、めまいを感じてない片頭痛のかたが前兆を感じるようになったときは、脳腫瘍などの病気の鑑別のために頭部MRIやCTによる画像診断は必須になります。
片頭痛によるめまいは頭痛専門医に是非相談されるべき頭痛とめまいです。
そのほかに、貧血や甲状腺機能低下症(場合により亢進症でも)などもあります。
これらは徐々に症状が出現してきて、治療しなければひどくなるというのが特徴です。内科系に相談する頭痛とめまいです。