難治性片頭痛
忘年会の季節ですが、本日はアルコールと頭痛ということで書いてみようと思います。
国際頭痛分類第三版β版ではアルコール誘発頭痛次のように分類されています。
1.即時型アルコール誘発頭痛 以前、カルテル頭痛(cocktail headache)と呼ばれていました。飲酒による三時間以内に出現し、飲酒をやめて3日以内に頭痛はなくなるというものです。他の頭痛でないことが診断には必要です。この頭痛の特徴は、両側性、拍動性、身体活動により悪くなるということです。これらの一つ以上がないと診断できません。
2.遅延型アルコール誘発頭痛 以前、二日酔い頭痛(hangover headahce)と呼ばれていました。飲酒後、数時間経過してからの頭痛です。この頭痛も3日以内に軽快します。そして、飲酒後5時間から12時間以内に頭痛は出現し、先ほどの両側性、拍動性、身体活動により悪化するという特徴を一つ以上ないといけません。当然これも、他の頭痛でないことが診断には必要になります。
お酒飲んで頭痛かったら、アルコール誘発頭痛じゃない?といわれると思います。そして、この診断がどのような意味を持つか疑問に持たれる方がいると思います。
この診断基準を明らかにするのって、実は非常に大切なのです。アルコール性頭痛は最も多い二次性頭痛の一つですが、診断基準に満たないものとして、一次性頭痛の片頭痛や群発頭痛も飲酒により誘発されます。診断基準どおりでないとき、われわれは他の疾患の可能性を追求します。その結果、脳腫瘍がみつかったり、くも膜下出血が診断できたりします。
飲酒で頭痛!!何時ものことなら飲み過ぎです。控えてください。でも、初めてのことなら安易にお酒のせいだと思わずに頭痛専門医を受診されてください。