日本酒と食をテーマにしたイベントで、地域を笑顔に（3/3）

次につながるイベントづくりで、地域の魅力を発信し続けたい

　もともとアルコールがあまり得意でなかったという藤本さん。30歳の頃、ある広島の地酒に衝撃を受けたことが、大きな転機になりました。
　「ひと口含むと、まず口の中に華やかな香りが広がり、あとから深いうまみが追いかけてくるような味わいでした。『この香りは何だろう』と気になって調べたことを手始めに、日本酒の世界にどんどん引き込まれました」

　会社員として勤めながら、日本酒について知識を深めました。「学ぶ喜びや楽しさを多くの人に届けたい」という一心で、イベントに取り組むようになったそう。
　「当初は、蔵元をお招きして酒造りについて語ってもらったり、日本酒の飲み比べをしたり、小さな会を開いていました。そのうちに地元の蔵元とのつながりを広島のために生かせればと、集大成として燗酒フェスティバルを企画。メディアなどで注目を集めたこともあり、専念することにしました」

　イベントを成功させる秘訣として藤本さんが大事にするのは、利益をきちんと出した上で、関わる全員を笑顔にし、次につなげることとか。
　「〝地域のため〟という同じ目的に向かって、さまざまな立場の方々と一緒に一つのものをつくりあげているという意識は強いですね。だからこそ、出店事業者の売り上げやマーケティングに貢献するための気配りや目配りは欠かさず、フィードバックを次に生かします。1回限りで終わるのではなく、地域に根付かせていくことが大切。『また来たい』の言葉が、私の原動力です」

（取材年月：2023年6月）

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⇒地域を盛り上げる日本酒や食のイベント運営で豊富な実績