ことばにできない
保育所の子どもたちの様子を観察していると、「そばに居ること」の意味を考えさせられます。
物理的に、同じ空間に身を置くというだけでなく、どのような心持ちでそこに居るのか、ということが、子どもたちに影響を与えているようです。「見守る」という言葉は、教育現場や福祉の現場、医療など、対人援助職の基本の関わりを表す常套句のひとつです。子どもたちが殴り合いの喧嘩を始めたときに、「見ている」だけでは「見守る」にはなりません。「見守る」とは、手を出した子を「叱る」ことでしょうか?喧嘩にならないように、子どもたちを「導く」ことでしょうか?考えれば考えるほど、何が正解なのかわからなくなります。
ある雪の日に、2歳児のクラスを覗いてみました。窓の雪を眺めながら、保育士の先生のにっこりした笑顔と、子どもたちの穏やかなゆっくりとした時間が流れていました。しんしんと降る雪を直に感じるひとときでした。何かを頑張っていいるわけでもなく、ただ一緒に過ごしている・・・この時間は、特別なものなのです。