「ハラスメントは“他人ごと”?——自分ごとにするための第一歩」
こんにちは。
ハラスメント防止とコミュニケーションの研修・コーチングをしている鈴木結子です。
最近、立て続けに2つの研修を担当しました。どちらもハラスメント研修ではありませんでしたが、振り返ると、両方の現場でハラスメントにつながる大切なテーマが見えていました。今回はその2つをご紹介します。
1. 指導のあり方は、ハラスメントに直結する
1つ目は、中堅・ベテラン社員の方を対象にした、後輩指導の研修です。ティーチングとコーチングを使い分ける、伝わる指導を考える1日でした。
受講者の皆さんは熱心で、「ちゃんと育てたい」という思いを強く持っていらっしゃいました。一方で、話を伺うと次のような声も多く聞かれました。
「何度言っても同じミスをされると、つい語気が強くなる」
「忙しいときに質問されると、イラッとした態度が出てしまう」
ここに、指導とハラスメントの分かれ目があります。
指導の内容が正しくても、伝えるときの感情がコントロールできていないと、受け手には「威圧」や「否定」として
届きます。怒鳴る、ため息をつく、無視する、人前で強く叱る。どれも本人は「指導のつもり」。
でも、繰り返されればパワーハラスメントと受け取られかねません。
ハラスメントを防ぐ第一歩は、ルールを覚えることよりも、自分の感情に気づくことです。
「今、自分はイライラしている」と気づけるだけで、言葉の選び方や間の取り方が変わります。
指導力を高める研修は、そのままハラスメント予防の研修でもあると、改めて感じました。
2. ストレスを感じている人ほど、声をあげにくい
2つ目は、内勤の方を中心にした、部署を横断するコミュニケーション研修です。
研修では、職場でのストレスや、言いにくさを抱えたまま働くことをテーマの一つとして扱いました。
ところが、参加者の受け止め方には大きな差がありました。
実際にストレスを抱えている方にとっては切実なテーマでした。けれども、そうした状況にない方には「自分には関係のない話」「内容が合わない」と映ったようです。
私はこの差そのものに、ハラスメントが起きる職場の構造が表れていると感じました。
苦しさを感じている人は、そもそも声をあげにくい
感じていない人には、その苦しさが見えない
見えないので、問題は「ないもの」として扱われる
ハラスメントの相談の多くは、「もっと早く言えればよかった」「言っても分かってもらえないと思った」という言葉から始まります。声があがらないことは、問題がないことの証明にはなりません。
「誰も何も言わない職場」こそ、一度立ち止まって見てみる必要があります。
おわりに:防止は"日常のコミュニケーション"から
2つの研修に共通していたのは、ハラスメントは特別な人が起こす特別な出来事ではない、ということです。日常の指導や会話の延長線上で起きます。
指導する側は、自分の感情に気づき、伝え方を選ぶこと
組織としては、声をあげにくい人の存在に目を向けること
この2つが、ハラスメントのない職場づくりの土台になると考えています。
管理職向けのハラスメント防止研修や、指導力・コミュニケーション研修のご相談も承っています。
職場の状況に合わせて内容を組み立てますので、お気軽にお問い合わせください。


