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嶋﨑剛志プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

出生率低下は、経済問題ではない/文明・構造(思想)編(1-16:最大の問題)

嶋﨑剛志

嶋﨑剛志

テーマ:文明・構造(思想)

生活短観


昨日は年末の週末の晴れ!
やっと、大根が動いた。1200本売れた。
やっとだ。
これで安心はできないが、漸く動き出した感じ。良かった。

時澤大根も動きがあった。
友人の紹介で、上毛新聞の幹部と若手二人に会えた。
上毛新聞としても前向きに検討してくれるとのこと。
来年が楽しみだ。

出生率低下は、経済問題ではない


出生率の低下は、
ずっと「お金の問題」として語られてきた。

・給料が低い
・将来が不安
・子育てに金がかかる

しかし、それだけでは説明がつかない。

なぜなら、
もっと貧しい時代のほうが、子どもは多かった からだ。

子どもを持つという行為の正体


子どもを持つことは、
人間の営みの中でも、極端なものだ。

・今すぐ報われない
・結果は十数年後
・失敗のやり直しがきかない
・時間と労力を先に差し出す

これは本質的に、
最大級の遅延報酬(遅延快) である。

時間を信じられない社会で、子どもは選べない


ここまで書いてきたように、
現代人は時間を失った。

・努力が積み上がらない感覚
・未来が線として見えない
・待つことに意味を感じられない

この状態で、

「将来のために、今を差し出す」

という判断が、
身体感覚として成立しない。

出生率低下は、価値観の変化ではない


よく言われる。

・若者が結婚を嫌がっている
・子どもを欲しがらない
・自由を優先している

しかし、これは表現が逆だ。

未来を引き受ける感覚が壊れた結果、
そう見える行動を取っているだけ だ。

即時報酬文明と、子育ては構造的に噛み合わない


即時報酬文明は、こう設計されている。

・すぐ結果が出る
・すぐ安心できる
・すぐ満たされる

一方、子育ては真逆だ。

・すぐには何も返ってこない
・不安は増える
・手応えは遅れてくる

この二つは、
構造的に相容れない。

「責任が重い」と感じる理由


子どもを持つことが、
以前より「重く」感じられる理由がある。

それは、

・未来が不確実になったから
ではない。

未来を信じる感覚そのものが弱くなった からだ。

昔は、なぜ貧しくても子どもを持てたのか


かつては、
物質的には今よりはるかに貧しかった。

しかし、

・時間は信じられていた
・努力は遅れて返ってくると分かっていた
・明日は今日の延長だった

だから、
未来に賭けることができた。

出生率低下は、文明病である


糖尿病や鬱と同じだ。

・個人の問題ではない
・意識の問題でもない
・道徳の問題でもない

即時報酬文明が生んだ、時間の疾患。

出生率は、
その結果が最もはっきり数値に出た指標にすぎない。

対策がズレ続ける理由


・補助金
・支援制度
・意識改革

どれも無意味とは言わない。

しかし、
核心には触れていない。

問題は、

人が「未来を引き受けられる時間感覚」を失っていること

ここを直さない限り、
数字は戻らない。

時間を失った文明の、必然的帰結


時間が信じられなくなれば、
未来を選べなくなる。

未来を選べなければ、
子どもは持てない。

出生率低下は、
時間の喪失が社会に現れた最終形 だ。

そう、もう気づいたはずだ、
時間の喪失は終わりの始まり
に他ならない。

次で、この章を閉じる


糖尿病。
鬱。
不安と焦燥。
承認欲求の暴走。
時間の喪失。
そして、出生率低下。

すべてが、一本につながった。

次は、
この文明論の 第一到達点 を総括し、
章を閉じる。

大好きな炭水化物よ、さようなら。

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嶋﨑剛志
専門家

嶋﨑剛志(農業法人)

農業法人株式会社こうづけの里

色・形良く、艶・張りもある美しくおいしい野菜を育てるため、微生物、有機肥料、化成肥料、農薬など、あらゆる手法を適切に使用。低コストで価値ある野菜を顧客に届け、農業と地方の再生、事業継承にも取り組みます

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