うつ病の原因は、糖だけでは説明できない/文明・構造(思想)編(1-9:うつのもう一つの原因)
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生活短観
昨日は雨のクリスマスイブ。
妻が早く帰ってくるとのことなので、
とりあえず、チキンとワインを買って、世間の気分を味わった。
が、もう、若いころの高揚感とか、特別感は全くない。
バブルの頃は、高いプレゼントと高級レストランを予約するのが流行ったのを思い出す。
ずいぶん、違う世界に来たものだ。
とはいえ、昔が良かったとは思わない。今の方が何百倍も幸せだ。
お酒の糖分含有量は、醸造酒の中ではワインが一番低い。
日本酒もそれほどでもない。
外での宴会は、ハイボールをたくさん飲むが、
家では、日本酒やワインを楽しむ。
こういう使い分けでたんぱく質生活を続けよう。
即時報酬は、なぜ満足を奪うのか
ここまで、即時報酬(即時快)が
不安・焦燥・承認欲求の暴走を生む構造を書いてきた。
しかし、まだ核心が残っている。
なぜ、即時報酬は際限がないのか。
なぜ、満たされても満たされないのか。
答えは、
ドーパミンに限界がある からだ。
ドーパミンは「幸せの物質」ではない
誤解されやすいが、
ドーパミンは「幸せ」そのものではない。
ドーパミンの役割は、
期待・予測・次を求める衝動 だ。
手に入れる前に出る。
結果が出た瞬間に出る。
つまりドーパミンは、
幸せへ向かわせるための燃料 にすぎない。
ドーパミンは「同じ刺激」に慣れる
ドーパミンには、決定的な性質がある。
慣れる。
最初は少量で強く効く。
しかし、同じ刺激を繰り返すと、
・反応は弱くなる
・持続時間は短くなる
これは意志の問題ではない。
神経の仕様 だ。
満足が続かない理由
最初は、こうだ。
・少しの糖で満足する
・少しの反応で嬉しい
・少しの承認で安心できる
しかし次は、
前と同じでは足りなくなる。
量を増やす。
頻度を上げる。
刺激を強くする。
それでも、
満足は一瞬しか続かない。
ここから「不満」が始まる
重要なのは、ここだ。
不満は、
「足りない」から生まれるのではない。
「慣れてしまった」から生まれる。
満たしているのに、
満たされない。
これが、
現代的な不満の正体だ。
ドーパミン型の幸せには限界がある
どれだけ積み上げても、
・より強い刺激が必要になる
・より短い満足しか得られない
ドーパミン型の幸せは、
構造上、持続しない。
ここに、
はっきりした限界がある。
文明は、この限界を無視してきた
現代文明は、
・もっと早く
・もっと多く
・もっと強く
即時報酬を拡張し続けた。
糖。
情報。
承認。
すべて、
ドーパミンを刺激する方向に進化した。
その結果、何が起きたか
起きたのは、逆転だ。
・手に入れても満足しない
・楽なはずなのに幸せでない
・豊かなのに不満が増える
これは矛盾ではない。
ドーパミンの限界に到達した結果 だ。
現代の不幸は「欠乏」ではなく「飽和」から始まる
かつての不幸は、
足りないことだった。
今の不幸は、
ありすぎること だ。
満たす速度が、
神経の処理能力を超えた。
ここで、
幸福は崩れ始める。
だから、即時報酬の先に幸せはない
即時報酬を増やし続けても、
・慣れは進む
・不満は増える
・満足は短くなる
これは、
構造上、避けられない。
この文明の延長線上に、
持続する幸せはない
麻薬の快楽と驚くほど同じだ。
ここで初めて、次の問いが生まれる
では、どうすればいいのか。
答えはまだ出さない。
ただ、一つだけ言えることがある。
ドーパミンに頼った生き方には、限界がある。
大好きな炭水化物よ、さようなら。



