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本来の食糧自給率とは、“生存に必要な食糧”を100とした指標である/文明・構造(思想)編(1-6:食糧自給率2)

嶋﨑剛志

嶋﨑剛志

テーマ:文明・構造(思想)


生活短観


今は、こうしてSNSがあるので、膨大な情報を入手できる。
発信もできる。
次第にオールドメディアや政府が、
情報を隠したり、操作したりしていたことが明らかになってきた。
もう、やりたい放題と言ってよいレベルだ。
今後、いろいろな嘘や隠し事がどんどん明るみになるだろう。
ちょっと、楽しみだ。

Tiktok見ていると、フリースタイルリブレなどで、
いろんな食べ物や飲み物を摂取した後の血糖値の推移を
公開している医師、理学療法士や、
糖尿病対策の話をしている医師が数人出てくる。
とても勉強になる。

今後、スマホなどの性能が飛躍的に伸びると、
これまでは血液検査をしなければわからなかった体の数値が
「点」ではなく「推移」として分かるようになる。
これは革命的なことだ。

多くの常識が覆ることだろう!


本来の食糧自給率とは、“生存に必要な食糧”を100とした指標である


前回のブログでは、
「食糧自給率38%という数字が、そもそも前提からズレている」
という話をした。

では、本来の自給率は 何を100とすべきなのか?

結論から言えば、

“国民全員が生存するために必要な最低限の食糧”を100とすべきである。

これが日本の真の自給力、
そして国家安全保障としての基準となる。


1.現行の自給率は“豊かな食生活”を100にしている


まず押さえるべき事実。

現行の食糧自給率は、
「今の日本人の食生活(=高カロリー・高品目の贅沢食)」を基準にしている。

そして、その“贅沢な食卓”を100として、
国産が占める割合を計算しているにすぎない。

つまり、

コンビニ食
外食
加工食品
輸入肉
輸入小麦
油脂類
砂糖
嗜好品

これらを全部含めた“現代日本の胃袋”を維持する前提で作られている。

これは、
国家の生存を考える指標ではない!
といえる。


2.危機時に必要なのは「贅沢を維持する量」ではなく「生き残るための量」


食糧安全保障とは、
“好きなものを好きなだけ食べられる生活”を守ることではない。

本質はただひとつ。

「国民が死なないラインを確保すること」

だからこそ、
自給率の分母(100%)は

“生存に必要な食糧”

でなければ意味がない。

現行の自給率は
“生存ライン以上の贅沢部分” まで含んでいるため、
国家の真の食糧生産能力が見えない。


3.生存に必要なカロリーは、現行の「2260kcal」よりもっと低い


日本が自給率計算に使う数字は
国民1人あたり 2260kcal/日(推計)。

しかし、これは
高齢者を含めた平均としては明らかに過大 だ。

理由は簡単で、高齢者人口が多い日本では、

70代:1400〜1700kcal
80代:1200〜1500kcal

という「少食化」が現実だからだ。

実際、日常的に
“そんなに食べられない高齢者が大多数”
というのは、誰もが知っている事実。

つまり、

生存に必要な国民カロリーは、今の基準より明確に低い。

2260kcalは、生存基準ではなく
“豊かな食生活を維持するための数字”なのだ。


4.生存基準で計算すると、日本の潜在自給力は「今よりはるかに高い」


生存に必要なカロリーを正しく算出すると、
国民全体で必要な総カロリーは 今の分母より確実に小さくなる。

するとどうなるか?

自給率は自然に上がる。

ここが本質である。

たとえば
「高齢者比率を反映した、現実的な生存カロリー」
で計算すると、
日本はすでに 2260kcalを超える生産力を持っている。

現行基準が“贅沢側”に寄っているだけで、
実際はもっと高い自給能力がある国なのだ。


5.さらに米・いも・大豆など“生存作物”の生産力は世界トップクラス


生存基準では、
次の作物が最も重要になる。


いも類
大豆
野菜類

これらは、日本の気候・土壌に合っており、
世界でも屈指の安定生産が可能なカテゴリー。

つまり、

生存基準の自給率では、日本はむしろ“強い国”である。


6.現行の自給率が低く見える最大の理由は、「基準を間違えている」から


38%という数字が低く見えるのは、

贅沢食を基準にしている
カロリーベースという特殊な方法
高齢者の少食を無視
加工食品・輸入飼料を全量外国扱い
推計誤差(より低く見せようという悪意がこもった)が積み上がっている

という“構造上の歪み”の結果である。

国家の安全保障を議論するなら、
この歪んだ分母では意味がない。

必要なのは、

“生存基準で再定義した自給率”である。


7.本来の食糧自給率=「国民が生きていけるための食糧」を100とした指標


これが結論。

贅沢部分を全部外す
生存に必要な作物を中心に計算する
高齢化による少食を反映する
カロリーベースをやめる
金額・栄養価ベースで計算する

そのうえで初めて、

“本当の食糧自給力”が見える。

現行の38%という数字は、
議論の出発点から誤っている。

だからこそ、
基準そのものを作り直すべきだ。


■まとめ:
「生存基準の自給率」こそ、国家にとって唯一意味のある指標である


現行の自給率は贅沢食を基準にしている
生存カロリーはもっと低い
生存作物では日本は強い
基準を変えるだけで自給率は上がる

国家議論は“贅沢の維持”ではなく“生命の維持”を軸にすべき!

とはいえ、平時は、

大好きな炭水化物よ、さようなら!

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嶋﨑剛志
専門家

嶋﨑剛志(農業法人)

農業法人株式会社こうづけの里

色・形良く、艶・張りもある美しくおいしい野菜を育てるため、微生物、有機肥料、化成肥料、農薬など、あらゆる手法を適切に使用。低コストで価値ある野菜を顧客に届け、農業と地方の再生、事業継承にも取り組みます

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