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嶋﨑剛志プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

血糖が全ての始まりだった——中性脂肪・LDL・HDL・尿酸・動脈硬化まで“一本の線”でつながる話/代謝・生活(実践編)64日目(2025/12/3)

嶋﨑剛志

嶋﨑剛志

テーマ:糖尿病対策/代謝再生プログラム


生活短観

タンパク質生活64日目。いろいろと整い、結果も出ている。
しかし、ここに来て、また、やるせない気持ちになってきた。
こんなに美味しいものが溢れているのに、こんなに楽しい酒場があるのに、
代謝のことを考えると頻繁には楽しめない。
普段の生活は質素そのもの。
昔の子供がお正月を楽しみに待つのを想像できてしまう。

でも、やはり思う。
朝の爽快感、整う身体、血液検査の良い結果は代え難い。
どちらかしか得ることができないのだ。
ビジネスも同じ。
すぐ成功するビジネスはすぐ廃れる。
長い成功を収めるためには、長い仕込みが必要だ。

人の行く裏に道あり花の山

今日のテーマ:大人の9割が誤解している「血液検査の本当の意味」


健康診断を見ると、

・血糖
・中性脂肪
・LDLコレステロール
・HDLコレステロール
・尿酸値

この5つが並んでいます。

私たちは、
「それぞれ別々の問題」
「LDLは悪玉、HDLは善玉」
「尿酸はプリン体のせい」

…こんなふうに習ってきました。

しかし。

これはすべて、不正確でした。

実はこの5つは 完全に一本の線でつながっている“連続した現象” です。

そしてその先には、
動脈硬化など命に関わるイベントが控えています。

今日は、大人でもほぼ誰も知らない
「血液検査の裏にある一本の物語」
を解説します。

血糖(=ガソリン)が“多すぎる”とすべてが始まる


血糖は体のガソリン。
しかし 多すぎると、血管を直接傷つける“毒” に変わる。

ポイントは次の2つです。

高血糖が長く続くと血管がじわじわ傷む

急上昇・急下降(血糖スパイク)は血管を一気に傷つける

血糖が乱れるほど、血管の内側(血管内皮)は薄くなり、傷だらけになります。

ここからすべての悪循環が始まる。

余った糖は「中性脂肪」という脂の在庫に変換される


血糖が高い
→ インスリンが大量に出る
→ 余った糖を脂に変える
→ 中性脂肪が増える

つまり中性脂肪とは、

“食べすぎた脂”のせいではなく、
“余った糖”が原因。

だから 血糖が乱れる人は必ず中性脂肪も高くなる。
(中性脂肪への変換が追いつかなくなった後に、いよいよ血糖値が高止まりする)

中性脂肪が増えるほど「LDL(脂の運搬トラック)」も増える


中性脂肪(脂の在庫)が増えると、
それを体の中へ運ぶ必要が出てきます。

その運搬車こそ LDL。

一般には「悪玉コレステロール」と言われますが、
本来は悪者ではありません。

LDLの仕事はシンプル:

“余った脂(コレステロールや中性脂肪)を運ぶトラック”

ところが——
このLDLが多すぎて「事故」を起こし始めると、話が変わる。

血糖の暴走で傷んだ血管に、LDLが“事故る”


血糖スパイクや高血糖が続くと、
血管の内側は小さな傷だらけになります。

道路で言えば、

・穴ぼこ
・ヒビ割れ
・傷

こんな状態。

この傷んだ血管に、
中性脂肪を積んだLDLトラックが通ると、

●LDLが荒れた血管の壁にぶつかって貼りつく
●さらに“酸化”して壊れる(酸化LDLになる)

これが LDLの“事故”の正体 です。

つまり、

LDLは血管を修復するのではなく、
血管に傷があるとそこにぶつかり壊れて貼りつく。

多くの人が逆に理解していますが、
LDLは血管を治していません。
むしろ 衝突事故を起こし、残され、壊れた車 です。

酸化LDL(事故車)が動脈硬化の“材料”になる


事故ったLDLは、事故現場で動けなくなる。
すると免疫細胞(マクロファージ)が修復、HDLが回収に来て、
何とか片付けようとします。
しかしうまく片付けることができず、残って貼りつき、
その場所に“コブ(プラーク)”ができ始める。

これが 動脈硬化のスタート。

HDLは「事故車(LDL)を回収する清掃車」


HDLは善玉と言われますが、
役割はただこれだけ:

壊れたLDL(事故車)を回収する清掃車。

HDLが低いというのは、

・事故が多すぎる(LDL過多)
・道路がボロボロ(血糖スパイク)
・掃除が追いつかない

という状態。

つまり HDLの低下も、原因は血糖。

尿酸は「血糖スパイクが多い人の疲労物質」


尿酸=プリン体のせい
というのは半分だけ正しくて、半分は誤解。
実際にはこう:

血糖が急上昇

その後、急降下

体が「エネルギー足りない!」と大慌て

内部で非常用エネルギーを引っ張り出す(本来は糖は足りているのに)

その“副産物”として尿酸が増える

つまり、

尿酸は「血糖が乱れた生活の排ガス」。

だから尿酸値が高い人は
ほぼ例外なく血糖が乱れ、LDL・中性脂肪も悪い。

全部つながっているから。

ここまでを一本の線にまとめると、こうなる


あなたの体の中では、こう起きています。

血糖が乱れる(高血糖・スパイク)→スパイクすると尿酸が増える(排ガス)
 ↓
中性脂肪が増える(余った糖の行き先)&血管が傷つく
 ↓
LDLが増える(中性脂肪の運搬車)
 ↓
傷ついた血管でLDLが事故る(酸化LDL)
 ↓
免疫細胞が事故ったLDLを除去しきれない
HDLが不足してLDLの掃除が追いつかない
 ↓
そのまま酸化LDLが血管に貼りつく
 ↓
動脈硬化が進む(コブ=プラーク)

全部、一本の線。

■大元は“血糖だ”
■他の数値はすべてその“結果”だった
■だから、まず治すのは「血糖」でOK

この事実は、一般人は99%知らない。
私もそうでした。

今日の結論:血糖が整えば、全ての異常値は勝手に整う


薬の前に、サプリの前に、
まず攻略すべきはただひとつ。

高血糖および血糖スパイクを減らすこと。

これができた瞬間、
中性脂肪、LDL、HDL、尿酸、HbA1c(2か月くらいの血糖値の平均)——
全ての数値が連鎖的に改善し始めます。

まるで一本のドミノを倒すように。
私は実際にそれを体で体験しました。

そして何度でも言いますが、
血糖は「甘いもの」だけでなく、

白米、パン、ラーメン、うどん、そば、パスタ、ピザ、お好み焼き、たこ焼き
ポテチ、お菓子、せんべい、ジュース

などなど

主食を含めた「炭水化物」そのものです!!

なので、

大好きな炭水化物よ、さようなら!

次回は、いかに炭水化物を減らすか?!
たんぱく質生活のコツをお届けします。

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嶋﨑剛志
専門家

嶋﨑剛志(農業法人)

農業法人株式会社こうづけの里

色・形良く、艶・張りもある美しくおいしい野菜を育てるため、微生物、有機肥料、化成肥料、農薬など、あらゆる手法を適切に使用。低コストで価値ある野菜を顧客に届け、農業と地方の再生、事業継承にも取り組みます

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