お菓子・炭水化物を“積み重ねない体”に変える。そのための唯一の解決策とは?代謝・生活(実践編)68日目(2025/12/7)
今日の欲と明日の欲
昨日は二日酔いだった。ひどい朝。
夕方になってやっと回復するも本調子にはならない。
早々に寝た。
今朝は、すっきり軽い。やはり飲まない朝の快さは良い。
欲とは、「快さ」、「気持ち良さ」=報酬の追求だ。
お酒を飲むのも気持ちよいが、飲まなかった翌日の朝の気持ち良さも格別だ。
ということは、「お酒を飲まないこと」は欲の我慢ではなく、
「翌日の朝の気持ち良さ」という欲を選択するということ。
要は、どっちの欲を選ぶか?ということだ。
ここで問題になるのは、「今日の欲」と「明日の欲」のどちらを選ぶか????
ほぼ100%、「今日の欲」、「今の欲」が勝つ。
これが、我々人類の「最大で未解決の難問」である。
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生存系で報酬系を黙らせる
「やめたいのに、やめられない」
——これは意志の弱さではない。
脳の中で、
報酬系(欲) > 統制系(理性) > 生存系(命)
という異常な主従関係になっているからだ。
人間の脳は本来、
生存系(命を守る最下層)
報酬系(ご褒美で動く中間層)
統制系(判断・理性の最上層)
の三階層で成り立っている。
しかし現代の生活では、この順番が逆転する。
生きるために“快”が必要だったはずが、
快のために“生存”が後回しになる。
その結果、
「酒をやめられない」「暴飲暴食が止まらない」
という構造になる。
生存系が目覚める時
私の場合、命のスイッチが入ったのは、
ケガや事故ではなかった。
糖尿病の“構造”そのものを知った瞬間だった。
血糖値スパイク。
膵臓疲労。
インスリンの暴走。
血管の破壊。
失明・透析・足切断。
そして、誰もが気づかないうちに、静かに静かに進行する病気。
これは“少し悪い”のレベルではない。
構造を知れば、これは命の問題だと理解せざるを得ない。
この「構造的恐怖」が、生存系を目覚めさせた。
いわば、
“これはマズい。生き方を変えないと死ぬ。”
という、生存側の本能的判断である。
恐怖というより、
「これは本気でやらないと終わる」という
静かな生存意識だ。
この瞬間、
報酬系(飲みたい・食べたい)が一気に静まり、
統制系の声が聞こえるようになる。
報酬リセットとは「苦行」ではなく“制御の仕組み”である
よく「断食」や「滝行」など
“死に近い苦行”をイメージしがちだが、
それは古代的な方法であって、現代には合わない。
現代の報酬リセットは、もっと構造的だ。
① 生存系が危機を認識する
(糖尿病の構造理解でスイッチが入る)
② 統制系が選択の主導権を取り戻す
(早寝、食事改善、機会飲酒の決断ができるようになる)
③ 必要なら補助装置を使う
(シアナマイドのような“報酬系の強制停止ボタン”)
この三つの組み合わせで、
報酬系は徐々に弱まり、
統制系が“快の主導権”を握り始める。
つまり、現代の報酬リセットとは、
生存系 × 統制系 × 補助装置
の三段階制御で、報酬系の暴走を止める方法である。
「命を感じるだけ」では止まらない
よく、
「生きている実感が大事だ」
「命の喜びを感じれば依存は治る」
という話を聞くが、
それは“美しい言葉”であって、構造的には正しくない。
なぜなら、報酬系は
「いま快かどうか」にしか反応しない
からだ。
“食べたら死ぬ” → 止まる
“30年後に病気になるかもしれない” → 止まらない
人間の脳はそう作られている。
だから必要なのは、
命の危機感(生存系)を“現在化する”仕組みだ。
糖尿病の構造を理解したことは、
まさにそれを可能にした。
結論:報酬系は、生存系にしか勝てない
生存系が起動した瞬間、
報酬系は黙る。
統制系(理性)はここで初めて、
“快を再設計する”権利を得る。
これが、
報酬リセット理論の核心である。
明日の予告
49日目(2025/11/18)
「統制系に“快”を覚えさせる」
──静かな快が、初めて“快”として脳に刻まれ始める日。
大好きな炭水化物よ、さようなら。



