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2型糖尿病の血糖値を下げるのに役立つ食品には、食物繊維が豊富な食品(玄米、雑穀米、麦飯、野菜、海藻、きのこ類など)、低GI食品(全粒粉のパンやパスタ、オートミール、ナッツ類など)、青魚(サバ、イワシ、アジなどのEPAやDHA)、発酵食品(納豆、ヨーグルト、味噌など)が挙げられます。
そして、食事の際に野菜を先に食べる「ベジファースト」によっても、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
一方、スペインのサラゴサ大学ではスパイスやハーブで血糖プロファイルを改善するものにはどんなものがあるかをシステマティックレビュー&メタ分析(Nutrients, 2024, 16(6), 44pages)のランダム効果モデルを用いて調べています。
調査対象としたスパイスまたはハーブは、ブラッククミンシード(ニゲラ・サティバの黒い種)、クローブ、パセリ、サフラン、タイム、生姜、黒コショウ、ローズマリー、ターメリック(秋ウコン)、バジル、オレガノ、シナモンなどでした。
これまでに発表された臨床比較試験の関連論文77編の分析で、2型糖尿病患者の空腹時血糖値[mg/dL]を有意に改善するものとして、①ブラッククミンシード-26.33、②シナモン-18.67、③生姜-17.12、④ターメリック-12.52、⑤サフラン-7.06の五つが選ばれました。
また、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値を表すHbA1c値[%]を有意に改善するものとして、①生姜-0.56と②ブラッククミンシード-0.41の二つが選ばれました。
さらに、インスリン抵抗性(高インスリン血症)状態の血中インスリン値[μU/dL]を有意に減少させるものとして、①生姜-1.69のみが選ばれました。
以上から、生姜は空腹時血糖値、HbA1c値、血中インスリン値のすべてを改善し、ブラッククミンシードは空腹時血糖値、HbA1c値を改善することが分かりました。
イランのマシュハド医科大学の生姜によるメタボリックシンドローム予防に関する総説(Iran J Basic Med Sci, 2022, 25(6), 664-674)で、生姜の高血糖や糖尿病の予防効果について解説しています。
食事からのブドウ糖(グルコース)が血中に入ると血糖値が上がり、膵臓のβ細胞からインスリンが分泌され、骨格筋や脂肪の細胞表面のインスリン受容体を介して血中にブドウ糖(グルコース)があることを伝えます。
すると、骨格筋内や脂肪細胞内に潜んでいるグルコース輸送体4(GLUT4)というバケツのようなものがインスリンの伝達情報に応えて細胞膜に付着して血中のブドウ糖(グルコース)を細胞内部に取り込む作業を行い、骨格筋細胞内ではグリコーゲンとして、脂肪細胞内では中性脂肪として蓄積されます。
なお、有酸素運動や筋トレなどの運動を行うと、インスリンの刺激を受けなくても活性化されるGLUT4の数が増え、細胞膜に出てきて、血中のブドウ糖がどんどん細胞内に取り込まれ、消費されていきます。
一方、生姜を摂取すると、ジンゲロールやショウガオールがグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を介して、運動時と同様に、血中のブドウ糖をどんどん細胞内に取り込んで消費してくれます。
結局、空腹時高血糖や2型糖尿病の疑いのある人は、血糖値を下げるのに役立つ上記の食品をよく食べることや食べ方としての「ベジファースト」を心がけ、これに生姜とブラッククミンシード(ニゲラ・サティバの黒い種)といったスパイスサプリを追加し、できれば有酸素運動や筋トレを少し行うことをおすすめします。
なお、生姜やブラッククミンシード(ニゲラ・サティバの黒い種)のスパイスサプリは食品医学研究所のエビデンスショップでも販売しています。



