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日本人の部位別がんの罹患率(2019年)の円グラフを見ると、男性は①前立腺がん、②大腸がん、③胃がん、④肺がんが多く、女性は①乳房がん、②大腸がん、③肺がん、④胃がんが多いことが分かります。
これまでに様々ながん治療法が提案されてきたにもかかわらず、部位別のがん死亡率の推移を見ると、男女とも胃がんや肝がんは減少傾向にありますが、肺がんや大腸がんおよび膵がんなどが大幅に増加しているため、近年、がん全体の死亡者数は増えています。
現在のがん治療が失敗する原因として最も顕著なのが「腫瘍内異質性」であり、ある特定の遺伝子やシグナル伝達経路を標的とした場合、腫瘍から特定のがん細胞群しか除去できず、遺伝的に異なったがん細胞は治療から容易に逃れて周辺領域で腫瘍を形成したり、遠隔部位に転移したりしてしまいます。
そのため、腫瘍内異質性の一つで、がん組織中に存在するがん幹細胞(CSCs)はがんの成長・再発・治療抵抗性に大きな影響を及ぼすため、これからのがん治療には異なる複数のメカニズムで作用し、しかも耐性が生じる可能性を減らす併用療法か、もしくは補助法の採用が望まれています。
近ごろ、従来のがん治療を行った患者さん自身またはご家族・ご親族の方から、「がんの治療効果を高めたり、副作用を抑えたりする食材を補助的に摂りたい、または摂らせたいので教えて欲しい」という問合せが多くなってきています。
食品医学研究所では、がん治療の補助的食材として、「チモキノン(thymoquinone)」と「クルクミン(curcumin)」を薦めており、吐き気・嘔吐がある場合には「ショウガ(ginger)」も薦めています。
今回、in vitro(試験管内)実験やin vivo(動物)実験において、ブラッククミンシード(学名:ニゲラ・サティバ)の主な生理活性成分である「チモキノン」にはどのような補助的効果があるのかをご紹介します。
バングラデシュのダッカ大学による総説(Front Pharmacol, 2017, 8, 12pages)では、チモキノンが様々な部位での発がんを予防したり、また従来のがん治療(手術・化学療法・放射線療法・免疫療法など)の際の補助的食材として治療効果を高めたり、副作用を抑えたりするのに役立つと述べています。
観覧車のような図は、たとえば乳がん(Breast cancer)に対するシクロフォスファミド(CYC)、パクリタキセル(PAC)、ドセタキセル(DTX)、カバジタキセル(CBZ)、タモキシフェン(TAM)、ドキソルビシン(DOX)、ゲムシタビン(GCB)処方時のように、様々ながんで用いられる抗がん剤や免疫抑制剤などの補助的食材としてチモキノン(TQ)が広範囲に役立つことを示しています。
チモキノンはin vitro実験やin vivo実験および前臨床研究において、がん細胞のシグナル伝達経路の活性化を阻止したり、転写因子の過剰な活性化を調節したりして、様々ながんの形成過程で下方制御を行い、様々な種類のがんの発生・増殖・血管新生・浸潤・移動を抑制する方向に働きます。
以上のように、チモキノンは日頃からのがん予防のみならず、化学療法(抗がん剤)などと併用することでその効果を高めるとともに副作用の大幅な軽減も見込めますので、がん治療に際してはチモキノンという生理活性物質の補助的摂取が有用であることを、がん患者さんや腫瘍担当の医療スタッフの方々などにも教えてあげてください。
なお、食品医学研究所では、in vitro実験やin vivo実験および前臨床研究において、特定のがんに対してチモキノンなどの食材が化学療法(抗がん剤)などのがん治療の補助として有効なのか否かを、「お問い合せ」からご質問下されば、エビデンスとなる関連論文を検索・調査して回答いたします。



