糖尿病の人やその予備群の人に是非摂ってもらいたいハーブまたはスパイスは?
厚労省の「国民健康・栄養調査(2016)」によると、「糖尿病が強く疑われる人」は約1,000 万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」も約1,000 万人と推計されており、「国民健康・栄養調査(2022)」では「糖尿病が強く疑われる人」だけでも男性の18.1%、女性の9.1%が該当します。
今回、世界中の論文の中から、2型糖尿病者の血糖値に関するシステマティックレビュー&メタ分析を用いて総合的に評価した空腹時血糖(FBS)値とHbA1c値において、その減少度合い(効果)が大きかった食材のベスト3を選び出しました。
なお、空腹時血糖(FBS)値とHbA1c値の基準値の範囲、要注意の範囲、異常の範囲は、表のようになっています。
もし、あなたがFBS値が100mg/dl以上でしたら、以下に示すFBSの減少に効果的な食材ベスト3を参考にしてください。
第1位:「シナモン」による平均減少値-19.26[mg/dl]
【出典:Ann Fam Med, 2013, 11(5), 452-459】
第2位:「生姜」による平均減少値-18.81[mg/dl]
【出典:Complement Ther Med, 2022, 65) 】
第3位:「スピルリナ」による平均減少値-17.88[mg/dl]
【出典:J Diabetes Metab Disord, 2021, 20(1), 883-892】
そして、第4位が「ブラッククミンシード(学名:ニゲラ・サティバ)」で-17.84[mg/ml]、第5位が「食物繊維」で-15.32[mg/dl]でした。
なお、高めの空腹時血糖を改善する機能性食品では、12週間で8~14[mg/dl]程度下げる商品が多く出回っています。
もし、あなたのHbA1c値が6.1[%]以上でしたら、以下に示すHbA1c値の減少に効果的な食材ベスト3を参考にしてください。
第1位:「生姜」による平均減少値-1.00[%]
【出典:Evid Based Complement Alternat Med, 2018, 11pages】
第2位:「ブラッククミンシード(学名:ニゲラ・サティバ)」で平均減少値による-0.71[%]
【出典:FBSと同じ】
第3位:「桑の葉」による平均減少値-0.67[%]
【出典Food Funct, 2023, 14(3), 1277-1289】
そして、第4位が「にんにく」で-0.60[%]、第5位が「キクイモ」で-0.58[%]でした。
食後血糖値の急上昇を抑える効果に関して、パン、パンと緑茶、パンと生姜、パンとシナモンおよびパンとこれら3種混合で、食後の血糖値上昇を抑制する効果がどれくらいなのかを、食後血糖上昇曲線下面積(AUC)で比較した臨床比較試験(Pakistan J Biol Sci, 2013, 16(2), 74-79)がありますのでご紹介します。
グラフに示すように、パン50gと水(200ml)に比べて、パンと緑茶(2.5%濃度200ml)、パンと生姜(2.5%濃度200ml)、パンとシナモン(2.5%濃度200ml)、パンとこれら3食材の混合2.5%濃度200ml)において、食後の血糖値を高め難い食材の順番は、緑茶<生姜<シナモン<3種混合となりました。
以上のように、食後の血糖値上昇を抑えることも大事ですが、それよりも核心的な高めのHbA1c値をしっかり低下させる生姜が最もおすすめで、高めの空腹時血糖(FBS)値をしっかり低下させるシナモンが次におすすめの食材と言えます。
ただし、シナモンを常用する場合には、長期摂取で肝障害を引き起こすおそれのある「カシア」ではなく、必ず「セイロンシナモン」を用いてください。
なお、毎日手軽に摂れるカプセル入りのセイロンシナモンや生姜は食品医学研究所の直売店でも販売しています。