血圧がやや高めの人は是非、にんにくなどの食材を!
花粉症はスギやヒノキなどの花粉が原因で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血などの症状が生じる季節性のアレルギー性鼻炎です。
これまで、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の予防ないし症状緩和効果のある食材として、「生姜」や「スピルリナ」を提案させていただきましたが、今回、最新研究で判明したブラッククミンシード(学名:ニゲラ・サティバ)を追加させていただきたいと思います。
中国の四川省資陽市にある延江区人民病院によるブラッククミンシードのアレルギー性鼻炎への有効性に関する7編の関連論文のメタ分析(Front Pharmacol, 2024, 20, 9pages)で、ブラッククミンシード補給群は医薬品群のロラジタン(抗ヒスタミン薬)、デキサメタゾン(ステロイド系抗炎症薬)、モンテルカスト(ロイコトリエン阻害薬)、ザイザル(抗ヒスタミン薬)などに比べて、全症状(かゆみ、くしゃみ、鼻水)に対する総有効率(オッズ比が4.24, 平均差が-2.60)が著しく高いことが分かりました。
特に、ブラッククミンシードは急性発作中の鼻のかゆみ、鼻粘膜のつまり、鼻水、くしゃみ、鼻甲介の肥大などの鼻症状を大幅に緩和しました。
また、インドのSami-Sabinsaグループ会社ではチモキノン5%含有のオイルによる季節性アレルギー症状の軽減効果を調べる臨床比較試験(Medicine [Baltimore], 2024, 103(32), 7pages)を実施しました。
花粉症の男性65人を対象に、5%のチモキノン(TQ5)を含むブラッククミンシードオイル247.5mgに生体内利用率を高めるバイオペリン(黒胡椒の生理活性成分ピペリンを95%含む粉末)を2.5mg加えた計250mgのオイルを一日2回摂取するチモキノン群と同量のプラセボ(偽薬)を摂取する対照群において、摂取から15日後の症状を比べました。
その結果、鼻症状の総合スコア(左のグラフ)は、チモキノン群では8.45→4.94へと41.5%減少したのに対し、対照群では7.69→6.66へと13.4%の減少でした。
また、眼症状の総合スコア(右のグラフ)は、チモキノン群では27.88→13.07へと53.1%減少したのに対し、対照群では32.03→23.62へと26.3%の減少でした。
チモキノン群では血清中の免疫グロブリンE(IgE)値が-100.49IU/mlも減少したのに対し、対照群ではわずか-26.56IU/mlの減少でした。
このように、ブラッククミンシード(ニゲラ・サティバ)は花粉症などの季節性アレルゲンによって引き起こされるアレルギー性の鼻症状や眼症状の緩和にかなりの効果があることが分かりました。
具体的には、5%チモキノン(TQ5%)を含むブラッククミンシードオイル247.5mgにバイオペリン5mgを加えたものを一日2回、15日間続けて食後に摂ることで、花粉症によるアレルギー性の鼻症状や眼症状をほぼ半減できます。
なお、チモキノン(Thymoquinone)はブラッククミンシード(ニゲラ・サティバ)の主な生理活性成分であり、健康効果のほとんどがこのチモキノンによるものです。
毎年、花粉症にお悩みの方は、「生姜」、「スピルリナ」、「ブラッククミンシード+バイオペリン」の組み合わせをできるだけ早くから摂ることをおすすめします。
なお、生姜、スピルリナ、ブラッククミンシード+バイオペリンは食品医学研究所の直営店『エビデンスショップ』または電話やメールで購入できます。