医薬品並みの効果が期待できる生姜による花粉症の症状緩和
2019年の国民健康・栄養調査による推計で、20歳以上の人で糖尿病が強く疑われる人は1,196万人、可能性を否定できない人は1,055万人で、合わせて糖尿病リスク者は2,251万人(20歳以上10,501万人の21.4%)もいる計算になります。
糖尿病の初期段階ではほとんど自覚症状は現れませんが、進行してくると、口渇・多飲、急に痩せる、物が見にくい、多尿、疲れやすい、足がしびれるといった症状が出るようになります。
そして、さらに進行すると、図に示すように、三大合併症の「糖尿病性網膜症」、「糖尿病性腎症」、「糖尿病性神経障害」のほか、動脈硬化なども現れ、失明、人工透析、脚の切断など、生活の質を大きく低下させてしまうことも珍しくありません。
スペインのサラゴサ大学ではこれまでに発表された関連論文45編のシステマティックレビュー&メタ分析(Nutrients, 2024, 16(6), 44pages)を実施し、2型糖尿病の予防や改善に効果的なハーブないしスパイスを明らかにしました。
対象としたハーブやスパイスは、ブラッククミン(ニゲラサティバ)、クローブ、パセリ、サフラン、タイム、ショウガ、ブラックペッパー、ローズマリー、ターメリック(秋ウコン)、バジル、オレガノ、シナモンでした。
まず、2型糖尿病患者の空腹時血糖値を有意に下げたのは、効果が大きい順位に①ブラッククミン(加重平均差WMD※:-26.3mg/dL)、②シナモン(-18.9)、③ショウガ(-17.1)、④ターメリック(-12.6)、⑤サフラン(-7.1)でした。
インスリン濃度を有意に下げたのは、①ショウガ(-1.69UI/μL)のみでした。
そして、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を有意に下げたのは、①ショウガ(-0.56%)と②ブラッククミン(-0.41)でした。
このように、ショウガは空腹時血糖値、インスリン濃度、HbA1c値のいずれに対しても大幅な減少をもたらし、効果の順位としては空腹時血糖値が3番目、インスリン濃度とHbA1c値は1番
でした。
次に効果的なのが、空腹時血糖値が1番目、HbA1c値が2番目のブラッククミン(ニゲラサティバ)でした。
したがって、糖尿病が気になっている人は、糖尿病やその予備軍になってしまう前から、ショウガとブラッククミン(ニゲラサティバ)を摂ることをお薦めします。
なお、これらの研究で用いられたショウガの一日あたりの摂取量は1.2g~3gでしたが、常用するには粉末ショウガで1~2gが適当であると考えられます。
また、ブラッククミン(ニゲラサティバ)の一日あたりの摂取量は粉末形態で2g程度でしたので、こちらも1~2gが適当であると考えられます。
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備考※加重平均差WMDとは、信頼性の高い論文のデータに重みづけを行ったうえで計算した平均値の差で、当該食材を摂った群とプラセボ(偽薬)を摂った群との平均値の差異を表しています。たとえば、ショウガを摂った群はプラセボを摂った群に比べて、HbA1cが平均0.56%下がることを意味しています。