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2025年度新入社員、新入学生へ送る「成長マインドセット」: スタンフォード大学ドエック教授が教える成長の秘訣 | アックスラーニング

岩崎重国

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テーマ:人事;新入社員;人材育成;新卒採用

新入社員として企業の扉を開いたばかりの方、大学という新たな学びの場に足を踏み入れたばかりの方、そして人生の新たなチャレンジを始めた社会人の皆さん。おめでとうございます。そして、これからの道のりに少しの不安と大きな期待を抱いていることでしょう。「自分にはこの環境でやっていく能力があるだろうか」 「失敗したらどうしよう」 「周りの人に追いつけるだろうか」このような思いが頭をよぎることは自然なことです。しかし、あなたの将来を左右するのは、実はこれらの不安にどう向き合うかという「マインドセット」かもしれません。

スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドエック教授が提唱した「成長マインドセット」は、新たなスタートを切ったあなたにとって、これからの成功と成長の鍵となる考え方です。本コラムでは、この理論を深く理解し、実践に活かすためのガイドを提供します。

1. 成長マインドセットとは:可能性を解き放つ思考法

成長マインドセットの基本概念

キャロル・ドエック教授が数十年の研究から導き出した「成長マインドセット(Growth Mindset)」とは、「人間の能力や知性は努力や適切な方法によって成長させることができる」と考える思考様式です。この考え方によれば、才能や能力は生まれつきのものだけでなく、意識的な努力や学習によって発展させることが可能なのです。対照的に「固定マインドセット(Fixed Mindset)」は、「人間の能力や知性は生まれつき決まっていて、大きく変えることはできない」という考え方です。この思考様式では、失敗は能力不足の証拠と捉えられ、チャレンジを避ける傾向があります。

成長マインドセットと固定マインドセットの違い


特徴成長マインドセット固定マインドセット
能力に対する考え能力は努力と学習によって伸ばせる能力は生まれつきのもので変わらない
挑戦困難な課題に積極的に挑戦する失敗を恐れて挑戦を避ける
失敗失敗を成長の機会と捉える失敗を自分の能力のなさの証明と捉える
努力努力は成長のために不可欠と考える努力は能力がないことの証拠と考える
他者の成功他者の成功から学び、刺激を受ける他者の成功を妬み、脅威に感じる
フィードバックフィードバックを歓迎し、改善に役立てるフィードバックを批判と捉え、受け入れない

自分のマインドセットをチェックしてみよう

以下の質問に答えて、自分のマインドセットをチェックしてみましょう。

❶自分の能力は、努力や経験によって伸ばすことができると思いますか?
❷難しい課題に挑戦するのは好きですか?
❸失敗から学ぶことは重要だと思いますか?
❹努力することは無駄だと思いますか?
❺他人の成功を素直に喜べますか?
❻批判されると落ち込みますか?
これらの質問への答え方によって、自分のマインドセットがどちらに偏っているかを知ることができます。

2. なぜ「成長マインドセット」が重要なのか? - 新入社員・新入生・挑戦者にこそ必要な理由

変化の激しい時代を生き抜くために

現代社会は、技術革新やグローバル化など、変化が非常に速い時代です。昨日までの常識が今日には通用しなくなることも珍しくありません。このような時代を生き抜くためには、常に新しいことを学び、変化に対応できる柔軟性が必要です。成長マインドセットは、変化を恐れず、積極的に新しい知識やスキルを習得する姿勢を養う上で非常に重要です。

失敗を恐れず挑戦できるマインド

新しい環境や仕事、学びに挑戦する際には、必ず壁にぶつかることがあります。うまくいかないことや失敗を経験するのは当然のことです。成長マインドセットを持っている人は、失敗を「自分の能力がないからだ」とは考えません。「今回はうまくいかなかったけれど、次はどうすればうまくいくか」と考え、改善策を見つけ出し、再挑戦することができます。

困難を乗り越えるためのレジリエンス

レジリエンスとは、困難な状況から立ち直る力のことです。成長マインドセットを持っている人は、失敗や挫折を経験しても、そこから学び、成長することができます。困難な状況を乗り越えるたびに、レジリエンスは高まり、より困難な状況にも立ち向かえるようになります。

学習意欲を高め、成長を加速させる

成長マインドセットを持つ人は、常に「もっと学びたい」「もっと成長したい」という意欲を持っています。新しい知識やスキルを積極的に習得し、自分の能力を向上させることに喜びを感じます。このような学習意欲は、成長を加速させ、目標達成をより容易にします。

3. 「成長マインドセット」を身につけるための5つのステップ

ステップ1:自分の固定マインドセットに気づく
まず、自分がどのような時に固定マインドセットに陥りやすいかを認識することが重要です。「自分には無理だ」「才能がないから仕方ない」といった考えが浮かんだら、それは固定マインドセットの兆候かもしれません。

ステップ2:固定マインドセットの思考パターンを認識する
固定マインドセットに陥った時の思考パターンを具体的に書き出してみましょう。例えば、「失敗したら恥ずかしい」「他人から評価されたくない」といった考えがあるかもしれません。

ステップ3:成長マインドセットの思考パターンを意識的に使う
固定マインドセットの思考パターンに気づいたら、意識的に成長マインドセットの思考パターンに切り替える練習をしましょう。「これは成長のチャンスだ」「努力すれば必ずできるようになる」といった言葉を自分に言い聞かせることが有効です。

ステップ4:失敗を成長の機会と捉える
失敗を恐れるのではなく、失敗から何を学べるかを考えるようにしましょう。失敗の原因を分析し、改善策を見つけ出すことで、次回の成功に繋げることができます。

ステップ5:努力とプロセスを重視する
結果だけでなく、努力の過程やプロセスを重視しましょう。目標達成までの道のりを楽しみ、少しずつでも成長している自分を褒めてあげることが大切です。

4.成長マインドセットで壁を乗り越える思考法

1. 「失敗」を「フィードバック」と捉え直す 失敗は能力の限界を示すものではなく、アプローチの調整が必要なことを教えてくれる貴重な情報源です。「私はダメだ」ではなく「この方法は効果的ではなかった」と考えましょう。

2. 「まだ」の力を活用する 「私にはできない」ではなく「私にはまだできていない」と表現を変えるだけで、可能性への扉が開きます。この小さな言葉の違いが、継続的な努力へのモチベーションを生み出します。

3. プロセスを重視する 結果だけでなく、そこに至るプロセスに価値を見出しましょう。たとえ望む結果が得られなくても、そのプロセスで得た学びや成長は決して無駄にはなりません。

5.成長マインドセットを培うための7つの実践的アプローチ

1. 挑戦を意識的に選ぶ習慣をつける
成長マインドセットを育てるためには、意識的に自分の「快適ゾーン」から一歩踏み出す習慣が重要です。新入社員なら、自分から難しいプロジェクトに手を挙げる、大学生なら通常より高度な授業を選択するなど、あえて「少し背伸びする」機会を作りましょう。

実践のポイント:
・毎月少なくとも1つ、新しいスキルに挑戦する時間を確保する
・「これは難しいかもしれない」と感じる仕事や課題に積極的に取り組む
・失敗を恐れずに新しい方法を試してみる勇気を持つ

2. 努力のプロセスを記録し振り返る
成長の過程を可視化することは、成長マインドセットを強化する効果的な方法です。日々の努力や学びを記録し、定期的に振り返ることで、目に見えない成長を実感できるようになります。

実践のポイント:
・成長日記やラーニングログを作成し、毎日の学びや気づきを書き留める
・月に一度、その月の成長を振り返る時間を設ける
・「3ヶ月前の自分と比べて何が変わったか」を定期的に考える習慣をつける

3. フィードバックの求め方と受け取り方を学ぶ
成長マインドセットを持つ人は、フィードバックを個人攻撃ではなく、成長の機会として捉えます。積極的にフィードバックを求め、それを建設的に活用する姿勢を身につけましょう。

実践のポイント:
・上司や先輩に具体的なフィードバックを定期的に求める
・フィードバックを聞くときは防衛的にならず、メモを取りながら聞く
・「どうすれば改善できるか」という視点で質問する
・批判的なフィードバックにも「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べる習慣をつける

4. 「成長する脳」の科学を理解する
脳科学の研究によれば、私たちの脳は生涯にわたって新しい神経結合を作り続ける「可塑性」を持っています。新しいスキルを学ぶたびに、脳内に新しい神経経路が形成されるという事実を理解することで、能力の可変性への信念が強まります。

実践のポイント:
・脳の可塑性に関する書籍や記事を読み、科学的知識を深める
・新しいことを学ぶときに「今、私の脳に新しい経路ができている」とイメージする
・困難に直面したときは「これは脳を鍛えるチャンス」と捉える

5. 言語パターンを意識的に変える
私たちの思考は言葉によって形作られます。成長マインドセットを育てるには、日常的な言語パターンを意識的に変えることが効果的です。

実践のポイント:
・「できない」→「まだできていない」
・「失敗した」→「うまくいかなかった方法を発見した」
・「難しすぎる」→「時間と努力が必要な挑戦だ」
・「これは才能がないとできない」→「これは練習と適切な方法で上達できる」
このような言い換えを意識的に行うことで、思考パターンそのものが徐々に変化していきます。

6. 適切なロールモデルを見つける
成長マインドセットを体現している人を身近なロールモデルとすることで、具体的な行動パターンを学ぶことができます。彼らがどのように挑戦や失敗に向き合っているかを観察しましょう。

実践のポイント:
・職場や学校で常に学び続ける姿勢を持つ人を見つけてその行動を観察する
・成功した人の失敗ストーリーや克服体験に注目する
・ロールモデルとコーヒーチャットや面談の機会を作り、その思考プロセスを学ぶ

7. 「小さな成功体験」を積み重ねる
大きな目標は小さなステップに分解し、達成可能な小さな成功体験を積み重ねることで、成長マインドセットを強化できます。成功体験はさらなる挑戦への自信と意欲を育みます。

実践のポイント:
・大きな目標を具体的で測定可能な小さなステップに分解する
・毎日または毎週、少なくとも一つの小さな成功を意識的に作る
・各成功体験を振り返り、どのような努力がそこに繋がったかを確認する
・小さな成功も適切に自分自身を褒め、肯定的なフィードバックループを作る

まとめ:
「成長マインドセット」は、新入社員、新入生、そして新しいチャレンジを始めた全ての人が、未来を切り開くための強力な武器となります。才能や能力は生まれつきのものではなく、努力と経験によって伸ばすことができると信じ、困難に立ち向かい、失敗から学び常に成長を追求する姿勢を持つことが重要です。「成長マインドセット」を身につけ、変化の激しい時代を生き抜き、自分の可能性を最大限に引き出しましょう。

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岩崎重国
専門家

岩崎重国(CSコンサルタント)

アックスラーニング株式会社

都内および主要都市の上場企業、外資系企業等から組織開発、CS戦略コンサル、カスハラ対策、サービス調査等の依頼を長年、受けている。この業務経験・実績から、№1を目指す企業の社員研修、組織開発を支援する。

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