令和7年3月11日、カスハラの義務化閣議決定!そして就活セクハラの防止も | アックスラーニング
近年、ビジネス環境の変化とともに、企業や自治体、各種団体・協会において「カスタマーハラスメント」が深刻な問題となっています。カスタマーハラスメントとは、顧客からの不当な要求や言動により、従業員や組織に精神的・物理的な負担を与える行為を指します。カスタマーハラスメントは従業員の士気低下や離職率の増加、さらには企業イメージの損傷につながる可能性があり、迅速かつ効果的な対策が求められており、2025年4月からは企業や自治体で義務化となりました。
本記事では、企業内や自治体の社員や職員向け、各種団体・協会の会員企業に対して、カスタマーハラスメント対策を推進するための講演の必要性やカスタマーハラスメントセミナー開催のための効果的な推進方法、そしてお勧めセミナーについて詳しく解説します。
1.カスタマーハラスメント対策セミナー・講演会開催のメリット
カスタマーハラスメント対策の第一歩として、多くの企業や自治体、団体が取り組み始めているのが「社員や会員に向けた講演会やセミナー」の開催です。以下に、その主な利点を挙げます。
カスタマーハラスメント対応方針やその方向性を共有できる
カスタマーハラスメント対策講演会を会社や自治体そして協会等ですることは、組織内でカスタマーハラスメント対策を進める意思表示や統一方針を共有することができ、また共通理解や正しいカスタマーハラスメント対応の知識を持てることで、組織内で足並みを揃えることにつながります。また、専門家の講演を聞くことは、具体的な事例や最新の情報を得ることができ、日常業務においてどのように対応すべきかの知見を得ることができます。
カスタマーハラスメントの問題意識が共有できる
カスタマーハラスメント対策セミナーを開催することで、経営層から現場スタッフまで、組織全体で問題の認識を共有することができます。特に管理職が参加することは必須で、現場の声を理解し、適切な対応策を講じるきっかけとなります。そもそも、カスタマーハラスメントが発生してきた原因は、筆者は二つあると思っています。一つは、利用者やお客様の過剰な要求が増えたことですが、もう一方はこうしたお客様や利用者から従業員を守り、不当な要求や過剰な申し出、嫌がらせに対して然るべき対応を率先して取ってこなかった企業や管理者の問題があります。ゆえに、経営陣、経営幹部や役職者には、カスタマーハラスメントが経営問題、労務問題であると認識してもらいつつ従業員をカスハラから守る先を真剣に講じる機会とし、お客様対応をする従業員たちにはカスハラ対応が起きても冷静に対応し従業員の負荷にならないような組織が定めた対応ルールに従って行動できるような教育訓練の場とするために受講は必須と言えます。
カスタマーハラスメント対策のネットワーキングの構築と情報交換
対面またはオンラインによるカスタマーハラスメントセミナー開催は、参加者同士で経験を共有したり、他社の取り組み事例を知ることで、新たな発見や実践的なアプローチを学ぶことができます。そしてカスタマーハラスメント対応の講演会やセミナーでは、カスタマーハラスメントへの具体的な対応方法や予防策、カスタマーハラスメントに関連する法律や判例、行政の動向を学ぶことができます。セミナー時間は通常、60分から90分程度であることが多いため、研修のようにより実践的な具体的な対策を学ぶ時間は無いかもしれませんが、効果的な研修内容の紹介や実践的なワークショップの一部紹介を通じて、実際のカスハラ場面での対処法を体得できることも大きなメリットです。
企業イメージと従業員満足度の向上
カスタマーハラスメント対策に積極的に取り組む姿勢は、従業員の安心感と信頼につながります。また、「従業員を守る企業」という評判は、採用活動をしている人にも魅力的だと映り、新卒採用や中途採用の母集団形成においても良い影響を与えることでしょう。
2.効果的なカスタマーハラスメント対策セミナー・講演会の企画
カスハラ対策セミナー実施の目的と対象者の明確化
カスタマーハラスメントセミナーを開催する際には、まず目的と対象者を明確にすることが重要です。
例えば、
経営層向け:カスタマーハラスメント対策の経営的意義や組織体制の構築方法
管理職向け:カスタマーハラスメントの未然防止法の検討、システムやAIツールを用いたカスハラの抑止、部下からのカスハラ相談への対応方法の習得
現場スタッフ向け:具体的なカスタマーハラスメント対応スキルや心のケア方法の習得
会社全体でカスハラ対応の共通認識を持つ機会も必要ですが、上記のように対象者に合わせた学習内容にすることで、より効果的な学びが可能になります。
適切な講師の選定
カスタマーハラスメントに関する講演の成否は、講師選びが大きく影響しますので、専門的知識と実践経験を持つ講師を選定することが重要です。労務・人事コンサルタント、心理カウンセラー、カスタマーハラスメント対策の専門家、弁護士(法的側面からのアドバイス)、カスタマーサービス研修の講師など複数の講師候補から、自組織の課題に最も適した人材を選ぶようにしましょう。優れたカスハラ対策講師を選定するポイントは、「カスタマーサービスやカスハラ対応の実務経験の有無」と「起業や自治体等へのカスハラ対策のコンサルティングの有無」でしょう。具体的に、各専門家のメリットデメリットをご紹介します。
不当要求や反社会的勢力との交渉経験がある講師は何と言っても弁護士です。タフなクレーマーやハラッサー対応は弁護士の知見が有効ですし、大変に参考になります。しかし、「弁護士」という肩書と法律の知識を武器にハラッサー等と対等以上に渡り合えているということも事実です。そのため、弁護士ではない社員や職員が弁護士の知見をそのまま伝えるには限界があったり、素人が曖昧な法律知識を口にしてしまうようになったりと、弁護士の研修を受講した後はかえってカスハラ対応が荒れるケースもあるようです。
労務や人事関係では社会保険労務士がカスタマーハラスメント対応のセミナー等に登壇することがあります。この労務的な観点は、経営陣や管理職には大変有効なお話しです。カスハラを見過ごしたり無視すれば即労務問題となりますので、社労士等の公演はこの点に学びや気づきが多く優れています。ただ、セミナーや講演の中でカスハラ対応の話をする場面もあるようで、カスハラ対応の実務経験が無い社労士がクレーム研修の本に書かれているような話しやカスハラ対策のハンドブックに書かれていることをそのまま話してしまうことであまり実りが無かったとがっかりされる受講生もいるようです。
心理カウンセラーや産業医のアドバイスは、カスハラ被害からの回復という点で重要です。カスハラとは、そもそも社員を守ることを怠ってきた企業の問題であると筆者は考えています。特にコンタクトセンター等でクレーム等が多い仕事をされている方もいますが、コンタクトセンターは電話を取ってなんぼの仕事。受電率を上げるために、つらいクレームの直後でも電話を取り続けさせ、ぼろぼろに泣いているオペレーターは沢山いました。だからこそ、離職率も非常に高い業界です。確かに、テレマーケティング会社は、オペレーターの稼働時間をクライアント企業に請求しますので、カスハラ後も受電をさせないと請求ができなくなり売上が下がってしまうため、メンタルがボロボロであっても受電をさせ続ける状況も一部ではあります。クライアント企業からすれば、カスハラ後に受電出来ない方が多いと、電話がつながらないお客様増え、エンドユーザーの不満にもなりますし、委託している企業としてはどうにか受電率を維持してほしいといった本音も見え隠れします。
このようにコンタクトセンターのようなクレームの多い業界では、このような問題を解消するためにも心理カウンセラーや産業医、メンタルヘルスの専門家も交え、クライアントとコンタクトセンター業務の現場の方が一緒により良い職場環境を作っていくためにカスハラ対策を学ぶことは大変に有意義な取り組みとなります。
カスハラ研修の講師をしている方を選定するメリットは、ずばり研修に慣れていることが挙げられます。さらに、現場経験やコンサル経験が豊富な講師に頼めば、セミナーや講演の内容が充実するばかりではなく、その後にマニュアル作成の相談も出来たりするかもしれません。ただ、クレーム対応研修やカスハラ講演をする講師の中には、講師とは名乗っていても実は経験がほとんどない方やカスハラ対応等の実務経験がまったくない無い方も結構いらっしゃいます。ですので、市販の教科書を読む程度の研修しかできない講師・コンサルタントも中にはいることを覚えておくと良いでしょう。
3.講演カリキュラム例
最後に、カスタマーハラスメント対策の講演、セミナー例として、弊社アックスラーニングが提供しているカスタマーハラスメント対応のセミナー、講演会のカリキュラムをご紹介します。講演の構成は一般的にはカスハラとは?カスハラ防止の流れとカスハラ防止法の内容、そしてカスハラ対応の実務が中心となり、後は各講師の得意分野によってプラスされます。弁護士であればカスハラの判例や脅迫罪となる可能性のあるカスハラの言動の紹介等があります。
まずはじめに、対象者が経営者や役員、カスタマーハラスメント対策推進・企画メンバー向けの場合の例です。厚生労働省が示す8つのポイントは必ず押さえておきたいテーマですね。
カスタマーハラスメント対策セミナー 『カスタマーハラスメントに関する動向と今後の対策』 ~従業員を守り、企業リスクを最小化する実践的アプローチ~
【講演内容】
1.2000年代からのカスタマーハラスメントに関する時代の流れ
2.カスタマーハラスメント対策がうまくいっていない企業の特徴
3.なぜ、組織はカスタマーハラスメント対策をしなくてはいけないのか
4.厚生労働省が示すカスタマーハラスメント対策8つのポイント
5.カスタマーハラスメント対策に向けて企業が実際に取り組んでいるステップ
❶社内分析(VOC、社内データ収集、自社の傾向まとめ)
❷自社に合ったカスタマーハラスメント対策の策定
❸カスハラ対策の一歩は、役員・幹部向け研修をすること
❹カスタマーハラスメント対応研修企画のポイント
詳しくは、以下のページをご覧ください
https://www.ax-learning.jp/lecture/customer-harassment
次に、従業員がカスハラ対応を前向きにとらえ、楽しく元気がでるセミナーもあります。対象者は、カスハラ対策推進メンバーや顧客対応部門の全メンバー向けです。これは講師の経験やコンサル経験の中で出くわしたカスハラ事例を紹介しながら、どのようにその危機をクリアしたかをお話しすることで、カスハラ対応を前向きに勇気をもって取り組めるようにお話しします。
【笑って学んで、明日から楽しく働ける!】 「カスハラ・クレーム奮闘記!あの時、どうやって突破したのか?」
~激レア体験談満載! 従業員が思わず前のめりになる、笑いと学びのカスハラ講演会!~
【講演内容❷】
1.イントロダクション
・ありえない事件報告をして社員に謝罪をさせることが趣味の男
・その筋の方の家へ訪問謝罪!絶体絶命の時、私は約束の時間に遅刻した!
・私の鼻とお客様の鼻が触れる距離での会話!恐怖ってなんだ?
・夕方、ファミレスでの面会には気をつけろ
・電話で暴言、対面でも暴れまくっていた人と「とあるお店」に行ったら・・・
・暴言も暴力も無い最恐のカスハラ・・・うめき声を聞かせるドクター
・執拗なメール攻撃・・・訪問謝罪へ行った社員を待ち受けていた衝撃の結末
・半年の及ぶ攻防の末、お客様が私に恋をしたことで許してもらえた珍事件
2.カスハラをする人ってどんな人?
3.カスハラは対応ルールさえ決まれば解決できる!しかし現場での実践は難しい
4.会社として考えるべきこと
【参加者の声】
本講演会は、某お客様相談室(料金相談や風評被害が多い)の依頼で一度だけ、「クレーム対応が学べるのに元気にもなるセミナーをやってほしい」といわれて実現した幻の講演会です。他所では実施する予定が無かったのですが、カスハラ対策には知恵と勇気が必要で日ごろの業務で疲弊している社員が前向きになってほしいとのことから開催を決意した現場担当者にお勧めな講演会です。
「シリアスな話しだけど何故か笑える。自分もできるかもと思えた。」
「不当要求がテーマなのにこんなに笑ったのは初めて! 明日からまた頑張れそうです!」
「具体的な事例が多くて、とても参考になりました! 他の社員にも聞かせたい!」
「普通のクレーム研修の先生では話せない裏話や実例だった。」
「不当要求には勇気と知恵だ!という言葉は腑に落ちた。平時と有事の対応は違うと気づけた。」
「カスハラはお客様に非があると思っていたが、会社側に原因があるかもという視点は大事。」
詳しくは、以下のページをご覧ください
https://www.ax-learning.jp/lecture/customer-harassment
いかがでしたか?
カスタマーハラスメント対応の講演会やセミナーの開催は、カスハラ対策の周知としても重要ですしキックオフにもなります。是非、自社、自組織にあったカスタマーハラスメント対応の講演会やセミナーを企画してみてください。
本講演会・セミナーに関する質問がある方や本講演会をご希望される企業や団体の担当者様は、メールからご相談、申し込みをお願いいたします。
●お問い合わせ・依頼 → https://www.ax-learning.jp/contact
◆参考Webサイト◆
カスハラ専門コラム: https://www.ax-learning.jp/column/customer-harassment
カスハラ講演会ラインナップ: https://www.ax-learning.jp/lecture/customer-harassment
厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/
あかるい職場応援団: https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
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