Mybestpro Members

岩崎重国プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

2025年3月11日労働施策総合推進法改正が閣議決定!カスハラ対応義務化で変わる企業責任 | アックスラーニング

岩崎重国

岩崎重国

テーマ:カスタマーハラスメント;カスハラ

2025年3月11日に閣議決定された労働施策総合推進法の改正により、カスタマーハラスメント対策が企業の義務となりましたので、その概要を解説いたします。カスタマーハラスメント対策には、カスタマーハラスメント対応方針からカスタマーハラスメント対応フローやカスタマーハラスメント対応マニュアルの策定、そしてカスタマーハラスメント対応研修、カスタマーハラスメント社内相談窓口の設置など多岐にわたりますが、従業員を守る施策として極めて重要です。

→ カスハラ対策を具体的に進める >>
→ カスハラ対策をもっと知りたい >>

1.カスタマーハラスメント(カスハラ)対策義務化のポイント

カスハラ対策はもはや企業の義務です!

これまでは努力義務でしたが、今後はパワハラ防止対策と同様に、カスハラ対策も企業の義務となります。具体的には、対応方針の明確化と周知、相談窓口の設置、カスハラ発生時の迅速な対応などが求められます。

カスハラを放置すると大きな企業の損失に繋がります!

カスハラを放置すると、従業員の離職や顧客離れに繋がりかねません。企業は、カスハラ対策を経営課題として捉え、積極的に取り組む必要があります。

顧客との適切な関係づくりの見直しが必要です!

あらゆる顧客の要求に応じる必要はありません。お客様と従業員は対等な関係で、お客様は、決して神様のような特別な存在ではありません。だからこそ、お客様からの正しい指摘に関して従業員は真摯に耳を傾け改善させていかねばなりませんし、お客様も従業員に無理難題、不当な要求や不適切な言動をしてはなりません。企業や従業員は、正当な要求とカスハラを明確に区別する能力と顧客対応力(説明力)が必要となっていきます。

2.必ず押さえておきたい改正カスハラ対策の内容

カスハラの定義は、以下の三要素すべてを満たすものとなります。
① 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者による行為 ② 社会通念上許容される範囲を超えた言動 ③ 労働者の就業環境を害する行為

3.企業に求められる具体的なカスハラ対応

・社内でカスハラの定義を定め、対応方針を制定し従業員に周知徹底し、従業員をカスハラから守ることを明確にしましょう。
・従業員が気軽に相談できる相談窓口を設置し、カスハラ発生時には迅速かつ適切に対応できる体制を整えましょう。また、従業員のメンタルをフォローしていくための施策も検討していきましょう。
・従業員向けにカスハラに関する研修を実施し、適切な対応方法を習得させましょう。
・顧客とのトラブル発生時に備え、証拠となる記録を残す体制を整えましょう。対面接客の場合は防犯カメラ、コンタクトセンターであれば通話録音などです。
・カスハラ対応は、事が起きた後にどうしたらよいかと考えるのではなく、未然に従業員を守るようにあらゆる備えを講ずることが重要なのだと考えましょう。
・なお、企業間の取引等で生じたカスハラで企業から調査協力を求められた場合、この対応について努力義務とされています。

法律の施行はこれからです。本制度への対応は、従業員の保護だけでなく企業の持続的な成長にも寄与します。早めの準備で、従業員が安心して働ける環境を作りましょう!

4.カスタマーハラスメント対応へ向けた企業の準備

ステップ1:カスタマーハラスメント対応体制の構築

準備委員会の設置→VOC、VOEによるカスハラ事例のデータ化→対応方針やルール検討
このステップでは、実効性があり自社のカスハラ事例に合った対応ではない効果が期待できません。これまで、企業のリスクマネジメント体制や苦情対応体制に携わってきた弊社アックスラーニングのような外部コンサルタントの知見を活かすと良いでしょう。また、カスハラは事後対応よりも未然防止策の検討が重要です。カスハラをさせない環境づくりも準備段階で重要な検討事項です。

ステップ2:役員・幹部研修の実施

なぜ、カスハラ対応をするために「役員向け研修」が必要なのでしょうか?じつは、カスハラの温床の一つに、「お得意様だから」「以前お世話になった方だから」等、上席の方がカスハラであっても目をつぶらせているケースがあります。筆者のコンサル経験ですと、金融機関などでこういった話をよく聞きます。ゆえに、カスハラを見逃さないためには、役員向けのガバナンス研修・コンプライアンス研修も、会社によっては必要です。

ステップ3:顧客接点部門向けの研修企画および研修

カスハラ研修はクレーム研修などと違い、必要と判断されれば警察への通報の仕方や場所を変えて話を聞く対応等、実践的な研修をおこないます。そのため、必ず「自社に合ったカスハラ対応」を策定しなくてはならないため、リスクマネジメントの理解がある実務に精通したコンサルタントと一緒に研修を企画すると良いでしょう。

クレーム研修とカスハラ対応・不当要求研修では、クレーム研修はクレームを終わらせるためのテクニックである一方、カスハラ対応研修はハラスメントが収束しない場合に警察等との連携や法的な手続き等へと発展する場合があるところに大きな違いがあります。こうした違いを認識しハラッサーと対等に企業を代表して話せるような社員を育成するためにも、単なるクレーム対応研修とならないような企画を心掛けましょう。

ステップ4:クレーム・カスハラ発生後の報告体制構築

クレーム対応は、極論を申せば、従業員にその場を任せていただけですが、カスハラ対応はカスハラの未然防止や再発防止のために、事案を会社へ報告し適切な対応を検討していくフィードバックのループが求められます。この報告制度をつうじて定期的にカスハラ事案の検討、そして未然防止策を講じていけるように取り組んでいきましょう。

◆参考Webサイト◆
カスハラ専門コラム: https://www.ax-learning.jp/column/customer-harassment
カスハラ講演会ラインナップ: https://www.ax-learning.jp/lecture/customer-harassment

#カスタマーハラスメント対応策 #カスタマーハラスメント対応方針 #カスタマーハラスメント対策企業マニュアル #カスタマーハラスメント対応研修 #カスタマーハラスメント対策 #職場環境改善 #ハラスメント相談窓口 #従業員保護 #企業リスク管理 #クレーム対応 #クレーム対応研修 #苦情対応研修 #不当要求研修 #難クレーム対応研修 #異常クレーム対応研修

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

岩崎重国
専門家

岩崎重国(CSコンサルタント)

アックスラーニング株式会社

都内および主要都市の上場企業、外資系企業等から組織開発、CS戦略コンサル、カスハラ対策、サービス調査等の依頼を長年、受けている。この業務経験・実績から、№1を目指す企業の社員研修、組織開発を支援する。

岩崎重国プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

CS戦略の立案と組織開発、サービス品質調査のプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ群馬
  3. 群馬のビジネス
  4. 群馬の組織開発・人材開発
  5. 岩崎重国
  6. コラム一覧
  7. 2025年3月11日労働施策総合推進法改正が閣議決定!カスハラ対応義務化で変わる企業責任 | アックスラーニング

岩崎重国プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼