必要なトレーニングを導き出す為に
よく声が小さい方や、響きが弱い方に「お腹から声を出して」と言う場面があります。
そういう場面に出会う度「人体の構造上、お腹から声は出ないでしょう・・・説明が足りない」
と思い、言われている方がどのような感情になっているのか?気になっていました。
トレーナーとなり「お腹から声を出してと言われているけど出来ない」と相談を受けるケースがあり、生徒に「言われてどう思いました?」と聞いてみました。
「のどで声が出てると言われる」
「言われてやってるつもりなのに違うと言われる」
「大きい声を出すとすぐに喉がおかしくなる」
などの現状を言った後、ほとんどの方が「悲しい気持ち」になっていると答えました。
お腹から声は出ない!
そもそも、声は喉(咽頭)を通って口から発声されます。
お腹は鳴ることはあっても、声がお腹から出ることなどありません。
では「お腹から声を出す」とはどう言うことでしょう?
おそらく横隔膜呼吸(腹式呼吸)で発声することを言っているのでしょう。
しかし、これは横隔膜呼吸(腹式呼吸)で発声する筋力がなければ出来ないことです。
言われてすぐ出来る方は「出来る筋力」を持っていて、出来ない方は「出来る筋力を持っていない」のです。
出来る筋力がないのに、やろうとしても出来ないのは当然です。
筋力がつけば出来るようになる
ボイストレーニングは、発声に必要な筋肉を鍛えてつける「筋トレ」の要素が主体となっています。
目的の発声が出来る様に「出来る筋肉」をつける作業がボイストレーニングなのです。
主に鍛える筋力は、
声の源である空気が入る肺周辺
横隔膜
横隔膜を動かす腹筋&背筋
それを支える骨盤周りの筋肉です。
次回は「お腹から声を出す」と言われた時に「おへその下・丹田」と言われて
訳がわからなくなる方も多いので、「丹田」とは?
について説明します。