福島県の地価はこれからどうなる
今年も3月に地価公示が発表され、「福島の土地は今が買い時でしょうか」「相続した実家は早く売ったほうがいいですか」というご相談を続けていただくようになりました。福島県の地価動向は5年連続の上昇と報じられましたが、私は数字の中身にこそ注目していただきたいと思っています。
といいますのも、県全体の平均は上昇していても、実際には上がっている地域と下がっている地域がはっきり分かれているからです。平均だけを見て動くと、買うときも売るときも判断を誤りかねません。
今回は、今年の地価公示の結果を読み解きながら、売り時・買い時を見極める視点をお伝えしたいと思います。
5年連続上昇でも、二極化が進む福島県の地価
まず、地価公示という言葉になじみのない方のためにご説明します。地価公示とは、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の標準地の価格を調べて公表する制度のことです。土地取引の目安となる、いわば土地の定期健康診断のようなものだとお考えください。
令和8年地価公示では、福島県の全用途平均変動率はプラス0.7%となり、5年連続の上昇となりました(出典:国土交通省 令和8年地価公示・2026年1月1日時点、2026年3月発表)。用途別では住宅地がプラス0.4%、商業地がプラス1.7%です。
ただし市町村別に見ると、様子は大きく異なります。郡山市の住宅地はプラス3.1%と県内市部で最大の上昇を続け、区画整理が進む日和田町の標準地では8.8%も上昇しました。福島市の住宅地もプラス1.0%と、13年連続の上昇です。
一方で、いわき市はマイナス0.1%と2年ぶりに下落へ転じ、会津若松市もマイナス0.2%と3年ぶりの下落となりました。
県内436地点のうち、上昇は195地点、横ばいは72地点、下落は153地点。つまり3分の1を超える地点では、いまも地価が下がり続けているのです。
都市部と郡部の価格差は年々広がっており、「福島県の地価は上がっている」というひとことでは語れない状況にあります。この二極化こそ、今年の地価公示から読み取っていただきたい最大のポイントだと私は考えています。
高値づかみと早売り、よくある2つの失敗
実は、ご相談の中で特によくお聞きするのが、次の2つの失敗です。ひとつは、これから値下がりしていく地域の土地を、高値の時期に買ってしまったケース。もうひとつは、これから値上がりしていく地域の土地を、早く手放しすぎてしまったケースです。
どちらにも共通するのは、「県全体で上がっているから」「ニュースで下落と聞いたから」と、平均の数字だけで判断してしまったことだと感じています。先ほどご覧いただいたとおり、同じ福島県内でも、市町村によって動きが正反対になることは珍しくありません。
たとえば、これから土地を取得して建物を建てたい方が、上昇の勢いだけを見て慌てて購入すれば、高値づかみになるおそれがあります。逆に、相続した土地が上昇エリアにあるのに「地方の土地は下がる一方だ」と思い込み、急いで売却してあとから悔やまれる方もいらっしゃいます。また、相続した土地が下落エリアにあるのに「土地価格は上がる」と思い込み、売り惜しみしてあとから悔やまれるケースもあります。
近年は建築費の上昇によって、土地と建物を合わせた住宅総額も上がっています。土地の見極めを誤ったときの影響は、以前より確実に大きくなりました。だからこそ、売るにも買うにも、その土地がある地域の動きを個別に確かめることが欠かせないのです。
不動産の専門家の視点で考える売り時・買い時の分析
では、どのように見極めればよいのでしょうか。私がいつもお伝えしているのは、「専門家に相談しよく分析したうえで、今がその時かを早めに判断すること」です。焦って結論を出すのではなく、よく相談し判断の材料をそろえたうえでけつだんすることが大事だと考えています。
私は不動産鑑定事務所に23年間勤務し、35年以上にわたって福島県内の土地の価格と向き合ってきました。その経験から申し上げると、土地の値動きには必ず理由があります。商業施設の立地、道路の開通、人口の増減。こうした地域要因を一つずつ確かめていくのが分析の基本です。
実際、今年の地価公示で8.8%上昇した郡山市日和田町の公示地は、土地区画整理事業と大型商業施設を背景とした特殊性のある上昇事例ですが、価格に値頃感もある地域ではこのようなことも起こり得ます。上昇にも下落にも、このような背景が必ずあるものです。
「おうち不動産まるごと相談所」でも、相続した土地や空き家の売却のご相談を数多くお受けしてきました。売り急ぐ必要があるのか、それとも待つ選択肢があるのか。ご事情とデータの両方を突き合わせて、一緒に考えるようにしています。
株式会社ビーティーアールでは、不動産鑑定で培った土地評価の手法を用いた無料査定を行っています。周辺の取引事例や収益性、地価公示価格などを突き合わせて適正な価格を導き出す評価方法を用い、根拠のない高値の査定ではなく、分析に基づいた価格をお示しすることを何より大切にしています。
今日からできる、地価動向の観察方法
今すぐできる対策としておすすめしたいのは、地価の動向を注意深く観察し続けることです。特別な道具は要りません。公的なデータは、どなたでも無料で確認できます。
福島県のホームページでは、毎年の地価公示と地価調査の結果が公表されています(福島県「地価調査・地価公示の結果」 https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11015c/chika-chousa.html)。気になる地域の標準地を決めて毎年の価格を見比べるだけでも、その土地の体温の変化が感じ取れるはずです。公示地・標準地の場所とこれまでの価格の推移は、福島県不動産鑑定士協会のホームページにあるhttps://fukushimaken.sakura.ne.jp/の「福島県地価マップ」で調べられます。
地価公示は1月1日時点、地価調査は7月1日時点の価格ですから、両方を追いかければ半年ごとの定点観測ができます。数年分を並べてみると、上昇や下落の勢いが強まっているのか、それとも落ち着いてきたのかが見えてくるでしょう。
そのうえで、実際に売買を考える段階になったら、道路との関係や土地の形状といった個別の事情まで踏み込んだ分析が必要になります。ご自身での判断が難しいと感じたら、どうぞ遠慮なく私たち専門家を頼ってください。
地価が動いている今の時期は、見方を変えれば、ご自身の土地やこれから取得する土地とじっくり向き合う好機でもあります。当社では、「おうち不動産まるごと相談所」として、土地の購入や相続不動産の売却から空き家のお片付けまで、まるごとお手伝いしています。
福島県の地価動向を踏まえた売り時・買い時のご相談も承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
土地の売り買いは「早さ」も大事ですが、「分析」が成否を分けます。地価の動きには必ず理由がある。その理由を確かめてから動くことが、後悔しない不動産取引への一番の近道だと私は考えています。
- これから土地を取得して建物を建てたいとお考えの方
- 相続した土地や実家の売却時期を迷っている方
- お持ちの不動産の適正な価格を知りたい方
お問い合わせは、株式会社ビーティーアール「おうち不動産まるごと相談所」(https://marugoto-soudan.com/)まで、お気軽にどうぞ。


