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雇用関係助成金とは
新型コロナウイルス感染拡大で有名になった「雇用調整助成金」をはじめとして
厚生労働省が展開する雇用に関する助成金には多くの種類が存在します。
この雇用関係助成金は、会社として法令順守はもちろんのこと
従業員の雇用に関して様々な取り組みを行った企業に対して支給されるものです。
今回はその一部をご紹介したいと思います。
その前に、助成金申請ができる企業の条件
通常、雇用関係助成金は、会社・労働者双方から徴収している
雇用保険料を財源に支給されています。
雇用に関する助成金ですから、
どんな会社でも申請できるというものではありませんね。
助成金の種類によりそれぞれ要件は異なりますが、
大前提として下記に該当しなければ、そもそも助成金申請はできないのです。
・雇用保険の適用事業所として従業員を雇用している
・対象者は雇用保険の被保険者として資格取得している従業員
・就業規則の定めがあり各助成金の該当要件が規定されている
・労働保険料を滞納していない
・法令違反をしていない
・過去に雇用関係助成金の不正受給をしていない
・法定帳簿(労働者名簿・出勤簿・賃金台帳)その他必要書類が整っている
他にも細かい要件はありますが、大きくはこのような項目で
どの助成金にも当てはまります。
その上で各助成金の要件を満たし、
それぞれ申請に必要な書類を準備しなければならないのです。
新型コロナウイルス対応の「雇用調整助成金」は、緊急事態ということで
通常の雇用調整助成金とは比べものにならないくらい
手続きがかなり簡素化されていました。
しかし、そもそも雇用に関する助成金は
そんなに簡単な書類だけで申請できるものではないのです。
ただ、これらの必要書類は特に難しいというものでもなく、
通常通り会社で勤怠管理や給与計算を行っていれば
申請準備が出来るものになります。
それではここで比較的ポピュラーな助成金を紹介したいと思います。
■キャリアアップ助成金(正社員化コース)
採用している契約社員を正社員へ登用した場合に受給できる助成金です。
比較的申請しやすい助成金ですが
令和4年の改正により、就業規則の定め等新たな要件が盛り込まれました。
細かい要件は省略しますが、
6カ月以上契約社員として雇用した後、正社員登用を行い
正社員登用後6ヵ月以上雇用した場合に申請が可能となります。
■人材開発支援助成金
従業員のスキル向上を目指して研修を行った場合に対象となる助成金です。
研修内容に定めがありますが、
新入社員に対して入社後行われる研修等も対象となる可能性があります。
あらかじめ人材開発のための研修計画を立て、研修を行うことで
研修中の従業員の賃金や研修にかかる経費が助成されます。
■両立支援等助成金
育児・介護・不妊治療といった、家庭と仕事の両立を支援するための助成金です。
従業員が家庭生活と仕事を両立しやすくなるような取り組みを行うことで
助成金が支給されるのです。
特に今年の10月から改正育児・介護休業法が施行されたことにより
男性育休の取得促進とその対応は、企業にとっても急務となっています。
きちんと取り組みを行うことで助成金申請も可能となりますので
社内体制の見直しをするよい機会かもしれませんね。
この他にも、10月からの最低賃金改定に伴い
従業員の賃金改定を行った場合に対象となる「業務改善助成金」など
雇用関係助成金にはまだまだたくさんの種類があります。
まずは自社での取り組みに対して申請可能になりそうな助成金はないか
厚生労働省のホームページなどから検索してみて下さい。
ここに挙げたそれぞれの助成金についても、
申請を検討する際には支給要件を確認してくださいね。
☆最後に注意点
雇用関係助成金の申請代行を行えるのは社会保険労務士だけです。
社労士以外の会社などから助成金申請に関する案内があった場合には
要注意と思ってくださいませ。
社会保険労務士
キャリアコンサルタント
西田 圭子