支援学級から普通学級へ──“脳のスイッチ”が入ると子どもはここまで変わる
「投げる力は“生きる力”の頂点だった|非認知能力と発達支援に効く運動能力の序列
運動能力獲得重要度序列
人類が進化の過程で獲得してきた運動能力には、明確な“価値の序列”があります。
最も高度で、人間にしかできない動作――それが「投げる」力、すなわち投力です。
投げるためには、ただ筋力があればよいのではなく、前頭前野(感情制御・判断)・小脳(姿勢と調整)・視覚認知・体幹制御など、脳と身体を総動員する必要があります。
このため、投力は単なるスポーツスキルではなく、感情コントロール・集中力・非認知能力・社会性の基盤と深く関わっているのです。
現代では、子どもたちの“投げる力”が明らかに低下しています。
公園でボール遊びが制限され、自由に投げる体験を失った子どもたちは、集中できない・キレやすい・友達と距離が取れないといった行動課題を抱えるようになりました。
人類の運動能力の価値序列
1位:投げる 2位:走る 3位:捕る 4位:跳ぶ 5位:廻る 6位:蹴る 7位:泳ぐ
と続きます。投げる力は、まさに“生きる力の頂点”であり、それが最も失われている今、本質的な教育・発達支援の優先順位を見直すべき時期に来ているのです。
まずはボールを投げることから。
それは、勉強でも叱ることでも代替できない、未来を築く脳と心のスイッチです。
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【参考資料】
【1. 投げる力(投力)が人類進化と脳機能に与えた影響】
• 『Throwing in Human Evolution』
著者:Neil T. Roach, Madhusudhan Venkadesan ほか
掲載:Science, Vol. 340, Issue 6131, 2013
概要:人類が「投げる能力」を進化させた解剖学的・生体力学的証拠を提示。ヒトだけが高速投擲を可能にした。
• 『The Story of the Human Body(邦題:人体600万年史)』
著者:Daniel E. Lieberman
出版社:早川書房
概要:走る・投げるといった運動機能が、脳と身体をどのように進化させたかを解説。
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【2. 非認知能力・感情コントロール・発達との関係】
• 『脳を鍛えるには運動しかない!』
著者:ジョン・J・レイティ(John J. Ratey)
出版社:NHK出版
概要:有酸素運動(投動作を含む)が前頭前野と感情調整、学習能力を高めることを脳科学から説明。
• 『子どもの脳を伸ばす運動遊び』
著者:久保田競・久保田カヨ子
出版社:講談社
概要:ボール投げやリズム運動が前頭前野・小脳・感覚統合に与えるポジティブな影響を豊富な実例で紹介。
• 『非認知能力を育てる』
著者:ポール・タフ(Paul Tough)
出版社:英治出版
概要:成功する子どもに共通するのは学力ではなく、感情制御・粘り強さ・協調性などの非認知能力であると説く。
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【3. 感覚統合と発達支援】
• 『発達障害の子どもの感覚統合あそび』
監修:杉山登志郎
出版社:合同出版
概要:キャッチボールや投動作が感覚統合機能・社会性・自己調整に与える好影響を事例ベースで紹介。
• 『感覚統合で子どもが変わる』
著者:藤原里美
出版社:合同出版
概要:バランス運動や回転・投動作を通じた発達支援の理論と実践。
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【4. 現代の子どもたちの投力・体力低下と社会課題】
• 『体力・運動能力調査報告書(文部科学省)』
発行:スポーツ庁
概要:小中学生の体力・投力・反復横跳びなどの著しい低下を警告。
• 『教育白書』・『発達障害支援ガイドライン』
発行:文部科学省・厚生労働省
概要:発達に課題を持つ子どもの増加傾向と非認知能力育成の必要性を記述
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