大谷選手の寄贈グローブから考える4 子育て中なら一度は知っておきたい 子どもに起きている「静かな異変」の正体

山崎憲治

山崎憲治

テーマ:子育て

子育て中なら一度は知っておきたい 子どもに起きている「静かな異変」の正体




最近、お子様のこんなことで悩んでいませんか?
集中が続かない
すぐに「できない」「やりたくない」と言う
友だちとうまく遊べない
失敗を極端に怖がる

実はこれらは、今とても多くのご家庭で聞かれる悩みです。
「うちの子だけ?」
「育て方が悪かったのでは?」
そう不安になる保護者の方も少なくありません。

けれど、最初にお伝えしたいのは、
これは特別な家庭だけに起きている問題ではない
ということです。



病名の話でも、親の責任の話でもありません


近年、発達障害やグレーゾーンという言葉が広く知られるようになりました。
その一方で、
「すぐに診断やラベルの話になってしまうこと」に
戸惑いを感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。

現場で子どもたちと向き合っていると、
医療や診断の枠に入れる前に、
**もっと共通した“環境的な要因”**があることに気づきます。



多くの子どもに共通している、ある特徴

それは、
体を使った基本的な遊びの経験が、圧倒的に少ない
ということです。

特に目立つのが、
外遊びの減少
公園でのボール遊び禁止
スマホ・ゲーム中心の生活
「投げる・受ける・狙う」といった動作経験の不足

今の子どもたちは、
「投げる」というごく基本的な動作を、ほとんど経験しないまま成長しています。



なぜ、それが「心配な話」なのか

投げる・受ける・狙うといった動作は、
単なる運動ではありません。
距離や順番を考える
相手を意識する
失敗を調整する
自分の体をコントロールする

こうした力は、
学習・集中・感情コントロール・対人関係の土台になります。

これらの経験が抜け落ちたまま学齢期に入ると、
「やる気がない」「我慢できない」「友だちとうまくいかない」
といった形で表れやすくなるのです。

私はこの状態を、
**「発達の空白」**と呼んでいます。



それでも、悲観する必要はありません

ここで大切なのは、
この“空白”は、取り戻せるということです。

子どもの脳は柔軟で、
適切な経験が入ると、驚くほど早く変化します。

特別な才能も、高価な教材も必要ありません。
日常の中で、
体を使い、人と関わる経験を少しずつ取り戻すだけでいいのです。



「投げる経験」が持つ、意外な力


現場で子どもたちを見ていると、
投げる動作が入った途端に、
表情が変わる
集中ができる
失敗を受け入れられるようになる
友だちとのやり取りが増える

といった変化が起こることを、何度も目にしてきました。

「なぜ投げる経験がそこまで重要なのか」
その理由については、
別の記事で、脳科学の視点から詳しく解説しています。




『大谷〇平選手が贈ったグローブの「本当の意味」』の記事で詳しく解説しています。


『大谷〇平選手が贈ったグローブの「本当の意味」』



まとめ


子どもに起きている「静かな異変」は、
誰かのせいでも、特別な問題でもありません。

ほんの少し立ち止まり、
子どもの育ちの順番を見直すことで、
未来は十分に変えていくことができます。

「今、気づけた」
それ自体が、何よりのスタートです。



※全力投球で50本のペットボトルに運動能力開発ボールをあてて倒した数を競うゲーム ビッグボウリングを楽しむ子ども達

参考資料

子どもの発達・脳と環境の関係
成田奈緒子
『健康になる技術』(講談社)
─ 子どもの脳発達と生活環境・体験の関係
成田奈緒子
『しつけの正体』(小学館)
─ 問題行動の背景にある「育ちの順番」
澤口俊之
『幼児教育と脳』(小学館)
─ 脳発達と幼少期体験の重要性
澤口俊之
『発達障害の改善と予防』(文藝春秋)
─ 環境要因による発達の揺らぎ



運動・身体経験と認知・行動
久保田競
『子どもの脳の発達と運動』(日本評論社)
─ 身体活動が前頭前野・小脳に与える影響
山本利春
『コーディネーション運動が脳を育てる』(大修館書店)
─ 動きの経験と集中力・学習の関係
井上一雅
『ボール運動の科学』(大修館書店)
─ 投げる・受ける動作の発達的意味



社会性・感情・対人関係
ダニエル・ゴールマン
『EQ 心の知能指数』(講談社)
─ 感情調整・社会性と行動の関係
河合隼雄
『子どもの心を読み解く』(岩波書店)
─ 子どもの不安・行動の心理的背景
三宅なほみ
『学び合う脳』(中央公論新社)
─ 他者との関わりが学びを支える仕組み



現代の子どもを取り巻く社会環境(一次資料)
文部科学省
『体力・運動能力調査報告書』
─ 小学生の投力・運動能力低下の長期推移
国土交通省
『子どもの外遊び環境に関する調査』
総務省
『青少年のインターネット利用環境実態調査』
日本体育協会(現JSPO)
スポーツ医・科学委員会報告書



発達・行動に関する専門資料
NHKスペシャル取材班
『発達障害 解明される未知の世界』(NHK出版)
─ 発達の多様性と環境要因の整理

参加者体験談

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専門家

山崎憲治(教育アドバイザー)

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独自開発の運動プログラムや学習プログラムで運動能力を伸し、やる気や集中力、脳の認知機能(理解・判断・記憶・思考等)を高めて学習することで学力も向上する文武両道実現。心身共に子どもの健やかな成長を育む。

山崎憲治プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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