スピードのはなし~パソコンの動作編
前回のパソコンの動作編でメインメモリについてはしっかり書いたつもりだったのですが、先週から続けてメインメモリが不足したパソコンのご対応をしたので、現象面についてもう少し書いておきますね。
あ、今回はOSがWindows限定のお話です。現在どのくらいのメインメモリを使用しているのかを調べるには「タスクマネージャー」を起動します。Windows10をご利用の場合は「詳細(D)」をクリックする必要があるかもしれません。パソコンの電源を入れただけの状態でタスクマネージャーを起動するとCPUとメモリとディスクのそれぞれの使用量が表示されます。そもそものパソコンの性能や消耗度やアプリケーションのソフトのインストール具合によって変動しますが、電源を入れてから5分から10分でCPUとディスクの使用率は数%になるのが正常な状態です。
ーで、問題のメモリの使用率ですが、おおよそ40%程度からそれ以下で収まっていたら快適に動作すると思われます。数年前まではメモリが不足してしまうと使用率が100%になってしまったのですが、最近は70-80%くらいで止まるようになっています。ーなので、メモリの使用率が70-80%だから「まだもう少し余裕がある」のではなくて「もう超えてしまっているかも」とお考えになるのがよさそうですね。
どうしてメモリの使用率が70-80%程度で止まるのかというと、(CPUやディスクでも同じような機能があるのですが)100%になってしまうとパソコンが操作できなくなってしまうので、CPUやディスクは時間を延ばすことによって、メモリはスワップ(物理メモリ上のデータを仮想的にメモリとして扱われる記憶領域へ移すことで使用可能な記憶領域を物理メモリ上に確保する動作のことです)を発生させて使用率を確保します。メモリとして取り扱われる記憶領域というのはハードディスク(SSD)のことですからハードディスクの場合メモリのスワップが発生するとパソコンの動作スピードがぐっと遅くなります。ハードディスクのアクセスランプが点きっぱなしで動作が遅くなったからと言ってハードディスクが壊れたわけではない(これがまた壊れたりすることもあるのがわかりにくいのですが)ので注意が必要です。
さらに、SSDをご利用の場合はさほど遅くならずに済みますがSSDの書き込み読み取り回数を結構な勢いで消費(SSDには書き込みや読み出しの回数に事前に設定された制限がありその回数を超えると動作しなくなるとされています)してしまいますので、その状態のまま使い続けることはお勧めできません。最近の機種はハードディスク/SSDのアクセスランプが搭載されていない機種があってわかりにくいのですが、メモリはセキュリティ系のソフトをアップグレードしただけで使用量がぐっと上がったりすることがありますので、定期的にタスクマネージャーで使用量を確認されることをお勧めします。
パソコンの動作スピードはトラブルのサインとして比較的わかりやすいと思うのですが、まったく気にしない方がいらっしゃるのも事実ですね。多くの場合「気のせい」ではないので遅くなったと感じたら調べてみましょうね。結構な確率でとても快適になります。