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田中隆基プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

更生相談所が知らない「障がい者に必要な靴」

田中隆基

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テーマ:歩くための靴

主治医の処方箋による「靴型装具」が更生相談所によって不適とされ、補装具費の支給が拒否された事例です。


前足部欠損
このような前足部欠損の障害に対しては、「欠損部に義足を装着すれば一般靴も履けるはず」ということなのか、更生相談所の補装具判定では、「足根中足義足の装着」というのが一般的だそうです。

この方の場合は、下肢に血流障害がおありのため、義足の装着による擦り傷の発症リスクを避けることと、ご本人の主たる希望が土間での立ち仕事ができるように、ということから、主治医としては、前足部欠損の状態のままで、安定して歩行でき、かつ、立ち仕事によって靴擦れ等の傷ができることのない「靴型装具」の処方を出されました。

ところが、その内容での申請について、市役所から補装具判定の要請を受けた更生相談所の判定医が、ご本人と面談することもなく、「リスフラン関節切断(による前足部欠損)の場合は足根中足義足の装着が適切であり、靴型装具に関してはエビデンスがないので認められない」との「医学的判定」を出しました。

そこで、それに従わざるを得ない市役所としては、主治医の処方に基づく補装具費支給の申請を却下することになりましたが、ご本人は大変ご立腹され、不服審査請求をされました。
行政不服審査会が、2年間の審査を経て、最近になって市長に対して、「支給申請の却下は違法であり取り消せ」との答申を出し、それに従った市長が、市の処分を取り消せとの裁決を出しましたので、市役所としては、改めて更生相談所とやりとりすることになるのでしょう。

2年前に不支給になり、ご相談をお受けした私たちは、「前足部欠損の状態で、そのまま履いて歩ける靴型装具についてのエビデンスがない」という更生相談所の主張には呆れましたが、知らないのであれば事実を示して行政の無知を正すことも必要ですし、ご本人はすぐにも歩ける靴が必要でしたから、審査会の結論を待つことなく、取り急ぎ、主治医の処方に従った、「擦り傷等を発症させることなく、そのまま履いて歩ける靴」を、NPOの事業として製作・提供することにしました。

左右サイズ違い。足首をしっかり固定でき、底は安定歩行が可能な形状。

提供された靴 

特殊な素材で、足底にフィットする形状に成形された、右足用のフットベッド(中敷)

特別のフットベッド 

完成し、お渡しした折の試し履きの動画です。


その後、1年半、特別の手直しの必要もなく、毎日の立ち仕事(調理と接客)に使っていただいています。
もちろん、靴による擦り傷等のトラブルも皆無とのことです。

https://nayami.k-sk.org

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田中隆基
専門家

田中隆基(足と靴に関する相談技術者)

靴型装具の悩み相談室・福岡

ドイツの整形外科靴技術を基に研究開発された、「歩くための道具」としての靴や靴型装具を紹介。15年にわたり、足と靴に関するさまざまな悩みを抱える人に寄り添い、悩みの解決へと導けるよう尽力してきました

田中隆基プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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