「ものづくり日本」が失われる。何故建築費が高くなるの?清武建設
住宅業界を経済学で考える。
福岡市東区 (株)清武建設 一級建築士事務所
一級建築士 清武修一
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【住宅業界とポジショニング】
企業が商品ブランドを、どのような立場にあるべきか明確にすることをポジショニング(ポジショニング戦略)と言います。
①「差別化戦略」
②「コストリーダーシップ戦略」
どちらのポジショニングを重視するか、企業はメリハリを付けて考える必要があると言われます。
その考え方を住宅業界における「企業の立場」と、「消費者の立場」で考えてみました。
①「差別化戦略」 とは、
他社よりも優れた製品を販売し、価格競争に巻き込まれるのを避ける企業戦略です。
住宅業界でも差別化商品に魅力を感じられるお客様も多いですが、その場合、企業側に優位な部分が多く、住宅購入者は、むしろ不都合な部分があります。メンテナンスが発生しても必然的に差別化商品を販売した企業へ依頼する必要があり、客観的な判断が困難で、競争原理も発生しません。その点、伝統的な工法(在来工法)は、客観的な多くの判断と、競争原理が発生し、適正な価格になりますので、そのような部分では、安心だと思います。
②「コストリーダーシップ戦略」 とは、
効率化や生産性を追求することで他社より低いコストを獲得し、それを製品価格に反映させて販売数を伸ばしたり、あるいは他社と同じ価格で販売することで業界平均以上の収益を目指す戦略です。
しかし、住宅建設の場合は、若干の建築資材コストを下げる事は可能ですが、職人による現地生産の為、人件費が大半を占め、低価格で大量に売る考え方(コストリーダーシップ戦略)は、困難だと思います。人件費のコストを下げなければ、コスト削減は不可能です。(在来工法に比べ、プレファブ住宅の方が合理化され人件費の割合が低いそうですが、それでも人件費の割合は大きいと思います。)
一見、あまりにも低価格なご提案を行う建設会社があったとしても、必ず、打ち合わせ過程の中で増額する仕組みになっています。また、必要な物が費用に含まれていない場合があります。そうでなければ低価格な建築は、不可能だと考えます。(建築費を下げる為の人件費削減の場合、現場作業の効率化が必要ですが、ある程度で限界になり、一般的には、職人さんの日当(賃金)を下げる事になり、現場の意識低下につながってしまいます。)
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【家づくりの原点から考える】
昭和の時代の田舎の家づくりのお話(私事)ですが、私が子供の頃、父は日中、大工として働き、夜は、私が晩御飯を食べている横のリビングでお客様とお打ち合わせしている光景があり、お客様が、大工の父に直接依頼して、問題なく建築できておりました。昨今の家づくりは、お客様と大工さんとの間に、多くの人が関わってしまっており、その部分を減らす事で、コスト削減(コストリーダーシップ戦略)を行う方が良いと思います。
※ 大工の父のお話 http://mbp-japan.com/fukuoka/kiyotake/column/6966/
近年は、多くの建築資材、多くの水廻り設備があり、多様化している為、それぞれの特性を考えたコーディネートを行う必要があります。そのコーディネートと、設計を行う為に、「建築士」は必要かと思います。
長々と書いてきましたが、総括すると、見せかけの数字のマジック的な低価格PRでなく、本当の低価格で、かつ、自分好みの注文住宅を取得する為には、
「お客様」⇔「建築士」⇔「職人」 このような形態が最適だと思ってます。
現状、(株)清武建設は、このような組織形態で運営しております。
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(株)清武建設の家づくり
http://kiyo.jpn.com/hajimeni.html
大工の父のお話
http://mbp-japan.com/fukuoka/kiyotake/column/6966/
(株)清武建設の V R I O
http://mbp-japan.com/fukuoka/kiyotake/column/9929/
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(株)清武建設 一級建築士事務所 (上記写真が事務所です。)
福岡市東区箱崎7-2-14 kiyotakeビル2F
電話0120-01-5040(火・水定休)
会社案内 http://kiyo.jpn.com/