温泉の見分け方。福岡の一級建築士(清武修一)のひとりごと。 

清武修一

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2025年 更新 




本物の温泉と循環式温泉の違いについて


私は福岡から日帰りで訪れることができる佐賀・熊本・大分などの穴場温泉巡りが好きで、その中で感じた疑問をもとに、多くの人に話を聞き、調べたことをまとめてみました。

本物の温泉とは?


温泉の「本物」とは、掛け流しの温泉を指します。これは浴槽の縁からお湯が溢れ、新鮮な温泉が常に注がれ、同じ量が排水されている状態の温泉です。
このような掛け流し温泉は、水量の豊富な河川沿いや湧き水の多い水源地帯に多く、数百年前から知られる有名な温泉地であることが多いです。

しかし、近年では交通の便が良く、税金で建設された公共の温泉施設に利用者を奪われ、「本物の温泉」が寂れてしまうという現状もあります。

循環式温泉とは?


一方、浴槽の中からお湯が吸い込まれる温泉は循環式温泉と呼ばれます。この方式では、一度使用したお湯を濾過・殺菌して再利用するため、毎日お湯が入れ替わるわけではありません。
通常、100人が入浴しても、週に1〜2回程度しかお湯を入れ替えないことが多く、塩素消毒によって安全性が確保されています。

しかし、高い入浴料を支払いリフレッシュするはずが、塩素漬けになってしまうことを考えると、少し残念な気持ちになります。

見分けが難しい循環式温泉の手法


中には、掛け流しの温泉のように見せかける循環式温泉もあります。例えば、浴槽の縁からお湯が溢れ、あたかも掛け流しのように見えますが、実際には浴槽外の溝に流れ込み、循環装置へ戻されているケースもあります。
これは循環式温泉の巧妙な手法の一例であり、「上手い方法だな」と感心したこともあります。

なぜ循環式が主流になったのか?


湧き水が豊富でない地域では、井戸を掘削しても、大規模な温泉施設を維持するための水量を確保することが難しいため、循環式にせざるを得ません。
私の会社でも、水道が整備されていない地域で住宅用に井戸を掘ることがありますが、必要な水量が確保できず、再掘削した経験があります。このように、水量確保は非常に難しいのです。

塩素の必要性とその影響


循環式温泉では、レジオネラ菌などのリスクを避けるため、保健所の指導のもとで塩素が使用されています。
ただし、塩素には以下のような健康への影響が指摘されています。

発がんリスク
血管障害・心臓病・脳卒中
アレルギー疾患・乾燥肌

塩素を除去する


皮膚から吸収される塩素の量は、水道水を飲む場合の6〜100倍にもなるとされており、長期間の入浴による影響が懸念されます。
弊社では、塩素を除去する装置の販売・取り付けも行っていますので、ご関心のある方はぜひHPをご覧ください。

温泉好きとしての願い


私は温泉巡りを趣味としているため、歴史ある水量豊富な温泉が、掛け流しの状態で守られることを願っています。
保健所の指導がない、塩素注入が不要な源泉掛け流し温泉を、訪れたいものです。

温泉選びの参考になれば幸いです。 

事務所案内(写真)
http://mbp-japan.com/fukuoka/kiyotake/column/1801/

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