福岡の注文住宅を設計する。 建築木材とクワガタ、カブト虫

清武修一

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木材加工の思い出


かつて、棟上げ前には、大工である父が清武建設木工所(朝倉郡筑前町)で約1ヶ月かけて柱や梁を手作業で削る工程が行われていました。まるでプラモデルの部品を作るように、寸法や接合部分をカットし、棟上げの日には現地で1日で組み立てられるように準備していたのです。

しかし、現在では木造住宅の99%がプレカット(コンピューター制御による木材加工)され、現場に納品される方式に変わりました。その理由は、大工の人件費よりも低コストで加工できるためです。

木くずと子供たち


当時、柱や梁を削る際に大量の木くず(おがくず)が発生し、それを近所の子供たちがクワガタやカブト虫の飼育用に持ち帰ることがありました。私自身も子供だったため、知らずに喜んであげていましたが、実は建築材の針葉樹(杉・ヒノキ・松)の木くずでは、幼虫が育ちにくいことを後で知りました。

針葉樹には殺菌効果があり、ダニや害虫に強い一方で、カブト虫やクワガタの幼虫にとっては適した環境ではありません。しかし、日本の山林には針葉樹と広葉樹が混在した環境もあり、その中でカブト虫は何とか育っています。

一方、クワガタの幼虫は広葉樹の中で育つため、完全に広葉樹(ケヤキ・ブナ・トチノキ・クヌギなど)のおがくずでなければ生育できません。

息子とのカブト虫飼育


時が流れ、夏になり、息子がいとこの影響を受け、我が家でもカブト虫を飼育することになりました。その時、ふと幼い頃の記憶が蘇り、かつて大工仕事の木くずを子供たちに分けていたことを思い出しました。

時代とともに建築の方法も変わりましたが、木材と向き合う仕事をしているからこそ、こうした思い出が心に残り続けています。

株式会社 清武建設 博多支店
(清武一級建築士事務所)

福岡市東区箱崎7-2-14
電話:092-201-8201(火・水・定休)
代表取締役 清武 修一

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