宅地内排水の重要性
災害の多い梅雨の時期となりました。
数十年に一度と言われるような豪雨が毎年のように発生するようになり、災害は本当に身近なものとなっています。
ニュースで見るような災害はどこで発生しても不思議ではありません。
ハザードマップで見るとがけ崩れや土石流、地すべり等の危険な地域が色分けされて記されています。例えば土砂災害警戒区域の範囲をみると扇状地が大半です。扇状地は土砂が流れて堆積した地形であり、昔の災害箇所と言える場所なのです。
2014年8月に発生した広島県の土砂災害では多くの方が犠牲となりました。この災害の山は花崗岩が主となる山ですが、岩盤が摂理から風化して土砂化した部分が豪雨によって土石流となりました。風化の速度はそれぞれ山により違いますが、確実に風化は進行しているため何時かは崩壊するのです。
2018年の豪雨では北九州市内において407箇所のがけ崩れが発生しました。多くの斜面や土留め擁壁等が崩壊しています。
国土交通省の発表によると、擁壁は築造から20年経過した頃から急激に老朽化が進み、50年以上のものは約4割で補修工事が必要とされています。特に2000年以前に造られた擁壁は現在の基準に適合されたものが少ないだけでなく、非常に危険な構造のものが多く存在しているのです。
山や擁壁は何時かは必ず壊れます。「今まで壊れなかったから大丈夫」ではなく「今まで壊れなかったから壊れる可能性が高くなっている」と考えなければなりません。
自分の住んでいる地域のハザードマップを確認して災害危険区域に入っているのであれば豪雨時は非難することを前提にしなければなりません。また、自宅裏に崖や古い擁壁がある場合は反対側の部屋(2階があるならば反対側の上の部屋)で寝ることも大切です。
自宅が安全な場所なのか、是非ハザードマップでご確認いただき、命を守ることを最優先とした避難計画を検討して頂きたいと思います。