コラム
「その土地に」新築住宅を建てるのですか?
2020年7月8日 公開 / 2022年1月31日更新
よくハウスメーカーの担当者様よりご相談があるのですが、その多くは「古い石積みのある土地に住宅を建てたいが建築確認申請が通るでしょうか」という内容です。本当にびっくりするような場所に家を建てようとすることがあるのです。
福岡県では3mを超える石積みなどがある場合、がけ条例に当たるためその基準をクリアしなければなりません。そのハードルは年々高くなっているため苦慮されているようなのです。
私の所属する会社では石積みを内部から補強する石積接着補強工法を使って工事を行っています。
この工法は、立地条件や予算などの問題で、造り替えが出来ない危険性の高い石積みを補強することで崩壊を防止する「減災工事」に値する工法となります。
どうしてもという場合では施主様のご意向に従って新築工事の石積みを補強することはありましたが、一生に一度買うかどうかの家なので基本は「造り替えてください」とお断りしています。
ハウスメーカーの担当様の売りたい気持ちは分かりますが、本当にお客様のためになるのでしょうか。古い石積みで困っているひとは数えきれない程いらっしゃいます。もし、傾斜地に新築住宅を建てるのならば石積みは構造計算のできる安全な構造物に造り替えてください。高さのある石積みがある土地は避けた方が無難ですよと言ってほしいと思います。
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