怖いのは大雨の後です
梅雨の中でも豪雨が発生する可能性の高い6月末から7月初旬の期間に入りました。
自然石の石積み(石垣)は老朽化しているものが多いため定期的な点検が必要であり、補修や補強工事を行わなければならないものは年々増加している状況です。
見た目では健全に思える石積みでも主となる積石そのものが風化していることや内部の裏込め材の不具合によって不安定になっているもの。また、土砂の侵入によって排水機能が低下することで内部からの圧力が高まっているものなど様々です。
擁壁が崩壊した現場を多く検証してきましたが、考えられる崩壊の原因には共通するものが多く有ります。
石垣擁壁上部の宅地に桝などの排水設備が整備されていなかったことも多く有ります。最近の住宅では少ないのですが、古い住宅では当初より全く整備されていないことは珍しくありません。
そして特に多いのは雨樋に集められた雨水が庭に放流される状態になっていたこと。また、桝の排水パイプが損傷もしくは抜けている状態で多量の水が漏れていたことなどです。
広い屋根の水を集めて多量の水を集中して放流することになるのですから崩壊しても全く不思議ではありません。
既に豪雨が降る可能性の高い時期に入ってしまったため本格的な対策の工事は間に合いません。もしご自宅の宅地に雨水を放流している状況であれば、応急的に宅地に放流しないように塩ビパイプなどにより排水の流末処置をすることを強くお勧め致します。
崩壊の原因はその他にもありますが、雨水の処理は特に重要なことなので気になる方は豪雨の降る前に点検してください。
石垣の寿命を延ばすには補強工事だけでなく発生源となる原因対策を同時に行うことが肝要です。
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