コラム
加速度的に増える石積みの崩壊について
2017年9月16日 公開 / 2022年1月31日更新
「今まで崩れなかったから大丈夫」と言う言葉をよく耳にします。それは私が見てきた石積みの相談現場で他の方が言っていたと言う言葉です。
確かにまだ崩壊に至るまでには時間を要するものは沢山あります。しかし、その時期をいかに見極めるかが大切であると思います。
形あるものはすべて壊れることは誰でも知っていることだと思いますが、石積みや擁壁は半永久的に大丈夫と思っている方が凄く多いことに不安を感じます。
この石積みの写真を見ると、せり出しや大きな亀裂が見受けられないことから危険ではないと考えがちです。
しかしよく見てみると目地部に塗られたモルタルは劣化して剥離していることが分かります。たとえばこの石積みが練積みであるならば、内部のコンクリートは劣化して強度が無い状態になっていると考えるべきなのです。
この現場のように下部が大きく膨らんだ石積みは非常に危険な状態だと思ってください。通常このような場合は、石積みの背面に有るべき重要な役目を果たすグリ石等が抜け落ちた状態であり、表面の積石が積木のように不安定な状態で重なっているだけなのです。
ここまで大きく膨れると石積みの上部は大きく下がってしまいます。
そのまま放置した場合、雨や地震等による外的要因が加わることによって石積みが自重に耐えられなり崩壊することとなるのです。
雑石による石積みは噛み合わせが悪いため崩壊する確率も高いと言えるでしょう。
また、近年の大雨により背面の土砂が滑った場合は簡単に崩壊してしまいます。
考えておきたいのは、石積みや擁壁の対応年数です。私はその対応年数を40年~100年程度ではないかと考えています。50年に一度と言われる豪雨が頻繁に発生する昨今。寿命を超えた石積みが加速度的に崩壊していくのは当然なのかもしれません。
九州防災メンテナンス株式会社は石積みを内部から接着補強する特許工法を有しています。造り替えが出来ない場合でも隣地に越境することなく強固にすることが可能です。
ご自宅の石積みや擁壁が御心配な時はお気軽にご相談ください。
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