【建設業許可専門 × 行政書士 × AI・DXシリーズ】第1回目
皆さん、こんにちは。
行政書士法人QORDiA武村欽也です。
建設業許可や経審の業務は、行政書士の中で最も“AIと相性が良い領域”です。
理由は明確で、作業の多くが 「構造化された手順」 と 「ルール判断」 でできているからです。
第2回では、建設業許可が どこまでAIで自動化できるのか を具体的に解説します。
第2回 建設業許可はAIでここまで自動化できる
―OCR解析 × 要件判断 × 書類生成の“7割自動化”が現実になる
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■ 建設業許可は“AIが得意な作業”の集合体
建設業許可業務は広く見えて、
実際には 同じ作業の繰り返し が大半です。
● AIが得意な作業
・数値の読み取り
・書類のパターン認識
・形式チェック
・要件判定
・様式への転記
・計算処理
・期限管理
逆に、これらは“人間が最も時間を奪われる作業”です。
■ AIによる自動化①:OCR解析で資料読み取りが自動化
決算書、総勘定元帳、契約書、工事実績一覧…。
これらを行政書士が目で読み、手で入力するのが
建設業許可の最大の負担です。
OCR+AI解析を使うと、
・数字を正確に読み取る
・科目分類を自動で判断
・経審に必要な数値を抽出
・決算変更届に必要な項目を整理
これらが一瞬で終わります。
手入力の7割以上が消えます。
■ AIによる自動化②:要件適合性の“自動判定”
建設業許可には明確な要件があります。
・経営業務管理責任者の条件
・営業所技術者の資格・実務経験
・財産的基礎
・欠格要件
・社会保険の加入状況
・令和以降の改正点
これらは全て ルール化できる領域 です。
AIはこれを次々とチェックし、
・適合・不適合の判定
・不足資料のリスト化
・追加で必要な証明書の案内
・代替案(経管の他部署経験など)の提示
まで可能になります。
■ AIによる自動化③:様式作成の70%が自動入力される
AIは以下を短時間で自動生成します。
・許可申請書
・決算変更届
・経営業務管理責任者の証明書
・役員一覧
・事業年度決算後の変更届出書
・経審の各種様式(工事種類など含む)
これらの“たたき台”さえ自動生成できれば、
行政書士は 仕上げの判断だけに集中できる ようになります。
■ AIによる自動化④:ミス削減率は80%以上
人間のチェックは限界があります。
特に建設業許可は、
・類似名称欄の見落とし
・欠格条項の読み違い
・対象期間のズレ
・科目区分の誤り
・記載箇所の抜け漏れ
こうした ヒューマンエラーが非常に起こりやすい 業務。
AIは
・異常値検知
・形式ルールチェック
・過去データとの照合
を使い、“見落とし”をほぼゼロにします。
■ AI導入後、行政書士の役割は“高度化”する
自動化の目的は人間を減らすことではありません。
目的は、行政書士を
・許可戦略を提案する人
・公共工事に向けて経審をデザインする人
・財務の見える化で粗利改善をサポートする人
・経営者の意思決定を支える人
へと 進化させること です。
■ 次回予告
第3回は
「決算後の変更届出DXで顧客の時間を取り戻す」
建設会社が最も喜ぶDX効果を解説します。



