引っ越しやハウスクリーニング、細やかさに自信あり（2/3）

「こうしたらどうだろう」というアイデアが常に顧客サービスの第一歩

　仕事がうまくいかず、一時は自暴自棄になったという岡田さん。「短い間ですが、街をさまよって途方に暮れたこともありました。今は条例等が変わりましたが、当時、自動販売機の空き缶を集めて売りにいけばお金になるということを知り、地道に集めていたんです。続けていると何でも上達するもので、どこに行けばどのぐらい手に入るか、鉄やアルミの違いなどを覚えていったんです」。

　どんな仕事でもがんばる人は誰かが見ているもので、缶を集めて売りに来る岡田さんの働きぶりとセンスに目を留めた産業廃棄物処理業者の社長が「うちに来ないか」と声をかけてくれました。以降、会社の事業を広げるためにと、岡田さんは頭をひねって策を練り、一般家庭のチャイムを鳴らして不要品買取を始めることにしました。

　これが今の会社を立ち上げる原点に。「実は、今の会社の共同経営者は、この頃に仕事仲間だったベトナム人なんです。彼とともに『もっと地域の皆さんの要望に細やかに応えられる会社をつくろう』と会社を立ち上げました」。

　最初の1年は資金繰りで苦労したそうです。事務所を借りたり、トラックを買ったり、きちんとしたホームページを作ったり、給料は毎月出て行くし、資本金はあっという間になくなりました。「在庫のない仕事はリスクが少ないというのは間違いないのですが、いいサービスを整えようと思ったらその点で妥協はできませんでした」と振り返ります。

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