「お庭のベンチも再生できますか・・・?」
「大変美しい仕上がりに見とれています。」
愛媛県新居浜市・I様から、たいへん励みになるお言葉とともに写真をいただきました。
愛媛県新居浜市・I様からは・・・
「お母さんが使っていた鏡台を見てほしいです。」「アンティークの雰囲気が好きで、他のものは考えられないんです!」
と、お問い合わせをいただきました。
修理作業前/I様から鏡台をお預かりしました。
ローズ材突板を主材とし、ネコ脚や特徴的な家具金物が、アンティークの雰囲気を際立たせています。
I様の鏡台の修理作業は・・・
◆フレーム全体のウレタン塗装修理
◆家具金物の再メッキ修理・丁番交換
◆フレーム本体の基本調整作業・などなど
この丁番は「への字丁番」といいまして、近年の家具ではほとんど見られなくなったもので、取り付けや調整がむつかしい丁番の一つです。
修理作業中①/本体の分解・養生作業(ウレタン塗装の事前準備)
扉や引き出しを取り外し、ウレタン塗料がかかってはいけない本体収納部分などを養生しました。
鏡フレームは、鏡と額縁フレームを分解しウレタン塗装をしやすい状態にしました。
修理作業中②/木ネジの折れ込み部分の抜き取り作業
扉を取り外しする時に困ったことが、「への字丁番」を取り付けてあった木ネジの折れ込みです。
【木ネジの頭が折れてしまい、ネジが抜けてない状態】
木ネジ周辺を彫刻刀で削り込み、ラジオペンチで少しずつ抜いていきました。
折れ込んだ木ネジを抜き取った状態
新しい木ネジを効かせるため、抜き取り用の穴は埋め木処理します。
修理作業中③/ウレタン塗装作業
塗装作業で大切なことは、家具の表面に細かな凹凸をつけるため、#600程度の研磨紙で研磨しておくことです。
その後、鏡台を塗装室へ移動させました。
TOKI家具館メンテナンスで永年愛用しているウレタン塗料は、大谷塗料さんのセーフティワルツでトルエン・キシレンフリーの環境配慮型塗料です。
「ウレタン塗装で大切なことは、吹き付け直後の均一の濡れ感です!」
【吹き付け前の状態】#600の研磨紙で調整した引き出し前板です。
【吹き付け直後の状態】ウレタンサンディング2回目の吹き付けをした引き出し前板です。
クリアー塗料を吹き付ける場合、明治機械工業さんのスプレーガンを使っています。
吹き付けした引き出し前板は、均一の濡れ感がえられました。「これが大切なんです!」
家具の表面に付いた微妙な凹凸にウレタン塗料が食いつくんです。
修理作業中④/「への字丁番」の取り付け作業
新しい「への字丁番」は、同サイズのものが現在製造中止になっているため、家具金物棚の在庫分から同サイズの「への字丁番」を出しました。
新しい「への字丁番」の取り付けができあがりました。
取り付け作業は、
「取り付け」→「合わない」→「取り外す」→「微調整」→「取り付け」を繰り返しやっとのことで取り付けすることができました。
修理作業後/「鏡台がきれいに修理できました。」
塗装修理や木工修理などができあがり、弊社のリノベーション家具のステージで写真撮影しました。
近年、I様の鏡台みたいな収納家具のお問い合わせが増えています。
この鏡台は、力作の一つです。
かなり傷んでいた天板もこの通り、表面に付いた擦れや細かなキズ、塗装ボケなども無くなりきれいな仕上がりとなりました。
愛媛県新居浜市・I様、ご依頼いただきありがとうございました。土岐泰弘
「三男なおふみが愛媛経済レポート様に紹介されました。」
今年の春、北海道で4年間の家具職人修行を経て帰郷した三男なおふみが愛媛経済レポート様に紹介!
「一期一会の作業が多いTOKI家具館メンテナンスの仕事」に、修行経験や新しい技術を加えて仕事を進めている毎日!
三男なおふみにご指導いただけますようお願いします。土岐泰弘