NHK松山放送局の「ひめポン!」で家具修理の様子が紹介されました。
「肘の取り付け部が折れた椅子も修理できますか?」
「40年近く愛用してるので、どうしても使い続けたいです・・・。」
香川県観音寺市・N様が肘付き椅子を持ってご来店!
この椅子は、私も大好きな鳥取家具さんの肘付き椅子です。
曲木が得意な家具メーカーさんでしたが、約30年くら前に惜しまれて廃業してしまいました(ほんと残念!)
肘や笠木(背もたれ横桟木)の曲木加工・背柱の成形合板技術など、現代でも通用するものづくりだと想います・・・。
鳥取家具さんのシンボルマークが残っていました。
新居浜市近郊ですと、新居浜大丸さんでしか販売されてない高級品だったように覚えています。
修理作業前/肘や本体取り付け部の折れや抜けがありました。
向かって左前脚取り付け部に無理がかかったのか、不良ヵ所が集中していました。
◆肘取り付け部のダボが折れてました。
◆本体取り付け部のほぞ組みが抜けていました。
前脚と後脚をつないでいる横桟木のほぞが抜けていました。
左右の両前脚をつないでいる横桟木のほぞも抜けていました。
修理作業中①/可能な限りの分解作業~新しいダボの差し込み作業
向かって左前脚取り付け部から前脚を取り外して、ダボの折れやダボが折れ込んだ穴の様子を確認しました。
ダボが折れ込んだ穴に新しいダボを差し込みできるように、穴を整えました。
前脚接合部のダボは、新しいダボと取り替えました。
修理作業中②/組み立て・圧着作業
4本のヤマザキ製端金(600mm、900mm)を使い、鳥取家具製 肘付き椅子の組み立て・圧着作業ができあがりました。
向かって右前脚取り付け部は、お客様自身が釘打ち作業をして補強してました。
わずかな隙間に気がつきましたので、接着剤を入れてPPテープを使い圧着を試みました。
各当て木は、脚の丸棒に合うよう専用のものを作り対応しています。
修理作業後/鳥取家具製 肘付椅子のぐらつき修理ができました。
「やっぱり美しい椅子です・・・!」
一連の作業を経て、鳥取家具製 肘付き椅子が完成しました。この椅子はほんとうに美しい椅子だとあらためて感じました。
香川県観音寺市・N様、ご依頼いただきありがとうございました。土岐泰弘