遮熱のしくみ(その3)
前回の記事で熱移動の三原則の内、建物に対して「輻射」の影響が最も大きいと言った理由を説明します。
前回の記事はこちら
地球の温度に影響を与えているものは、皆さんが考えるように太陽です。
夏は容赦ない日差しで瓦屋さんを熱中症に追い込み
冬はポカポカの日差しで瓦屋さんを温めてくれるツンデレな太陽
そんな太陽からはいったい何度くらいの温度が来ていると思いますか?
答えは0度です。
0.0000001度も地球には来ていないと言われています。
では、なぜ太陽の光を浴びると暖かいと感じるのか
理由は太陽から届いているのは電磁波で、人間や空気中の物質に輻射熱を
発生させることで暖かいと感じているわけです。
前回説明した熱移動の三原則を思い出しながら下の写真を見てもらえると分かりやすいかと思います。
太陽と地球は接触していないので伝導での熱移動はありません。
太陽と地球の間の宇宙空間は真空なので対流での熱移動もありません。
そのため太陽から届くものは電磁波しかないわけです。
なので、熱が発生する原因である輻射に対する対策が最も必要になってくる訳です。
これはペンシルバニア州立大学の研究でも証明されています。
割合は下の図を見ていただければと思います。
図の割合を平均してみると
伝導5%・対流20%・輻射75%
という割合になります。
このようにして数字にしてみると輻射への対策がどれだけ大切か分かりやすいと思います。
では、今最も建物で使用されている断熱は遮熱とどんな違いがあるのか、次回の記事で紹介したいと思います。