連載第10回 社外での振る舞い方

城戸景子

城戸景子

テーマ:経営者のためのビジネスマナー

10回に渡りお伝えしてきた経営者のためのビジネスマナー、今回は最終回です。

         *経営者にとって、ビジネスマナーが重要な理由はコチラからご覧いただけます。

最終回では、これまでお伝えしてきたポイントすべてを活用して、

社外での振る舞い方についてのケーススタディをお届けします。

ビジネス交流会に出席する

首都圏だけでなく、全国で活発に行われるビジネス交流会。

中小企業の経営者にとっては、異業種の方々と出会う機会、人脈を作る機会、自分に刺激を与える機会、

学びの場など、さまざまな理由から、賢く活用する方も多いのではないでしょうか。


では、ケーススタディです。

「これから交流会に出席する自分をイメージしてください」

交流会でのご自分をモデルに、経営者にとって必要なマナーを身に付けた振る舞い方を

振り返ってみます。


第1回【清潔感のある身だしなみ】より
■スーツにネクタイ、基本的な服装は整っていますか?

人から見た時に「清潔感のある人」と映るかどうか、細部にまで気を配り、身だしなみを整えて下さい。

■会場に到着したら最初にお化粧室の鏡に映る自分を簡単にチェックしましょう。
汗をかいていたり、髪が乱れたり、眼鏡が汚れていたりしていませんか?
人に不快感を与えない見た目を心がけましょう。


第2回【時間を守る】より
■交流会の始まる10分から15分前を目安に到着していますか?

交流会は業務終了後に開始されることが多いため、思いがけない仕事で遅れるケースも多々あります。

遅れる場合は、あらかじめ主催者に何分程度遅れるかを連絡しておきましょう。

もちろん急に欠席の場合も、連絡を入れるようにします。


第3回【名前を大事にする】より
■出席される方のなかに、以前名刺交換をした方はいらっしゃいませんか?

もしいらっしゃるようでしたら、その方の「名前を呼び、ご挨拶」しましょう。

「○○さん、ご無沙汰しています」と挨拶するあなたに対して相手は、1度会っただけなのに自分の名前を
覚えてくれていると感心し、そんなあなたを評価することでしょう。

■交流会なのですから、初めてお会いする方とは積極的に名刺交換しましょう。

名刺交換をしたら、その場で相手の情報と名前を素早く覚えてしまいます。

■名刺交換をお願いする際、2人だけで話している人は避けましょう。

深刻な話であれば、迷惑に思われるからです。

数人の集まりや1人の人に「今よろしいでしょうか?」と笑顔で話しかけます。

■名刺は多めに持参しましょう。
名刺を「忘れたり」「切らしたり」することは、ビジネスパーソンとして恥ずかしいことです。


第4回【指示の仕方】より
■交流会のスタッフに対しても、丁寧な物言いを心がけましょう。

「この資料をもう1部」ではなく、「この資料をもう1部頂けませんか?」という言い方をします。

その方が柔らかく聞こえ、あなたの印象が良くなります。

■懇親会で食事や飲み物をサーブしてくれるスタッフに対しても同様です。

「お飲物は何になさいますか?」と聞かれ、「ビール」と答えるよりも、

「ビールを頂けますか?」あるいは「ビールを下さい」と言う方が、周囲に良い印象を与えます。


第5回【褒め方、叱り方】より
■交流会では、多くの方々と会話をします。その際に相手に関することを、「意識して褒める」ように

しましょう。褒められると嬉しいのは人間誰にも共通しています。

相手を褒めることから会話を始めると、普通よりもスムーズに話が弾みます。

但し、見え透いたお世辞にならないよう、やり過ぎには注意してください。

例えば、
「いつもお洒落ですが、今日も決まっていますね。」
「御社のホームページ拝見しました。アピール力のあるサイトですね。」
「御社の事務所は、○○ですか、便利でいいところですよね。」など

些細なことで褒める点を探して話題にしましょう。

【第5回後半 叱り方】は、コチラからご覧いただけます。


第6回【お金の使い方】より
■受付で会費を徴収している場合、「新札」で準備できていますか?

会費はあらかじめわかっているのですから、出来ればお財布とは別にして新札を準備しておきましょう。

受付の方を待たせず、サッと会費を取り出すとスマートです。


第7回【威張らない】より
■会話の始まりに「相手を褒めること」をお勧めしましたが、同様に「威張らないこと」も大事です。

相手とコミュニケ―ションをとるための話題に、あなたの自慢話や手柄話、苦労話は不要です。

経営者の中には、そのような類の話題を好む方も見受けられますが、

相手が心から聞きたいと願っているのでなければ、うるさく感じられることがほとんどだと心得ましょう。

むしろ相手の話に興味を持って聞くことの方が、相手に好感を与える会話のマナーです。

目安としては、「相手の話7割、自分の話3割」と覚えておいてください。


第8回【任せる事、責任をとる事】より
■1人で参加するだけでなく、部下を同行させてはいかがでしょう。

社員にとって異業種の方々との接点は少ないもの。経営者が顔を出せるような場所に参加する機会は、

ほとんどありません。「社員教育の一環」と考え、時には同行させることをお勧めします。

社外のさまざまな方から得る刺激は、社員にとって良い影響を与えることでしょう。

又、「ビジネスマナーのOJT」としても非常に効果的です。


第9回【取引先を大事にする】より
■交流会で名刺交換をした方には、翌日メールでご挨拶します。

せっかく頂いたご縁です。今後どのような形でビジネスに発展するかわかりません。

お互いに、まだ記憶が新しいうちに、「名刺交換のお礼」としてメールを送ることをお勧めします。

その際、相手とお話した内容などに少しでも触れておくと、相手も思い出しやすくなり、

又、好印象を与えることができます。


ビジネスマナーは、会社の格を表すビジネスツール

ビジネスマナーは、使い方で相手の心をぐっとつかみ、より良い印象を与えることを可能にします。

社員に求める以前に、経営者自身が率先してビジネスマナーを効果的に利用すること。

これが今後のビジネス展開に大きなプラスになるのです。

経営者のイメージは会社のイメージです。

経営者の振る舞いはいつも人に見られていると意識して、ビジネスマナーを実践していくことが大切です。

10回の連載コラムはこれで終わりです。

この内容が多少なりとも、皆さまの今後にお役立ちできることを願ってやみません。

最後までお読み下さいまして、ありがとうございました。



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(社)ジャパン・パーソナル・ブランディング協会認定イメージコンサルタント、ビジネスマナー講師
ミューズ・ブランディング・アカデミー(株)千葉校 校長

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専門家

城戸景子(マナー講師)

STUDIO STELLA

ソフトウエア会社でトップ営業ウーマンとして活躍。その実績に裏打ちされた「見た目づくり」、「ビジネスマナー」は、ビジネスツールとして翌日から仕事に生かせる即効性が強み。

城戸景子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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