発達障害 対処法 に迷ったら④~視覚優位の子は目立つモノを見つけやすい~

矢田美麗

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テーマ:レッスンについて

千葉県、市川市、船橋市の【My Piano room】ピアノ・音楽教室、矢田美麗です(^^)
今日は以下に沿って投稿してみたいと思います♪


行って欲しくない部屋や触って欲しくない物がある!どうすれば!?


これまでの記事
突然!違う話をし出す
何かに夢中になって話を聞いていない?
冗談が通じない!?

上記3つのシチュエーションでは、【思考や視野が1つに絞られやすい特性】や、
ハイコントラスト知覚特性などが原因である可能性が高いことを書かせていただきました。

今日は、ピアノの先生向けに、行って欲しくない部屋や触って欲しくない物がある!どうすれば!?について、書いてみたいと思います。

発達特性があるお子さんは、

  • 「目に見えたモノをすぐに触ろうとする」
  • 「目に見えた場所に向かって突然走り出す」

といった行動を取ることがあります。

これは、上記に示した【視野が1つに絞られやすい特性】から来ていることもそうなのですが、それだけではない可能性があります。
まずは「目に見えたモノをすぐに触ろうとする」から書いていきます。

視覚優位の子は目立つモノを見つけやすい


前回の記事 で、発達障害の子は「視野が1つに絞られやすい」というお話をしました。
例えば、働く車が好きの子がいたとしましょう。その子が外を歩いていて、働く車を見つけたら、「あ!働くくるまだ!」と、そこへ向かって手をのばそうとします。
その時の、その子の【視野】は、もう「はたらくくるま」しか見えていません。
つまり、そのまわりに何があろうとも(道路だろうが他の車がいようが)とっさに手が出てしまうのです。

ここで「手がつい出てしまう」ことにも理由があるのだという事も、ご説明しておきたいと思います。
これは、神経伝達物質が関係しています。そこで、「目に見えた場所に向かって突然走り出す」に話が繋がっていきます。

自分を止める力「抑制コントロール」が弱い


神経伝達物質が不足しているために起こる「抑制コントロール」の弱さ。これが、発達特性の子にはあります。ですので、「飛び出してしまう」のではなく、むしろ「飛び出してしまう自分を止めることが出来ない」と理解してあげる必要があります。
飛び出したくて、飛び出している訳ではない、ということなのですね。

また、この抑制コントロールは、自分自身のコントロールでもありますので、「今行っていいのか悪いのか」「今言っていいのか悪いのか」といった判断能力も弱い可能性があります。

環境を整えること


このように、発達特性がある子は、自分自身を上手く自分でコントロールが出来ないために、様々ないろいろな「出来ない」が増えてしまいます。
これは、「出来ない」というよりも、「どうすれば出来るのか分からない」から起こるということを、まわりの大人が理解してあげるべきだと思います。

ですので、もしレッスン室で、触って欲しくないものがあって、それを触ってしまう前に、

・その子が目につかないところに置き直す
・色のモノ、カラフルなもの(目につきやすいもの)は多く置かない
・触ってもいいものは目で見て分かるように「どこに何があるか」提示しておく


というように、環境を整えることが大切になって来ます。
多くの支援現場や療育施設では、そのお部屋にはシンプルな色のものしか使っていないことが多いです。
また、もしレッスン室までの廊下や、レッスン室以外のお部屋に入って欲しくない時も、そこに入ってしまう前に、

・違う部屋には入れないようにする(カギをかけるなど)
・パーテーションやカーテンなどでドアやドアノブが見えないようにしておく
・入って欲しくない部屋のドア付近は暗くしておく(照明を消す)


などの対応も効果的です。

もしも触って欲しくないものに触ってしまったら?


上記は、触る「前に」入る「前に」行っておくべき事ですが、レッスンをしていると「まさかこれに触るなんて」とか、「この部屋に入ろうとするなんて」と、驚くことも多々あります。
もしも、一度でも触れてしまったり、あるいは一度でも別の部屋に入ってしまうと、その子は当然、学習してしまい、次に来た時にも触りますし開けてしまいます。

一番は学習させないことが良いのですが、気付いたら!あっという間に!なんていう事もあると思います。
その時には、きちんと「いけない、ダメ」な理由まで伝えたうえで、やめてもらいましょう。ゆっくりと丁寧に、分かりやすく説明することが大切です。

ダメならダメな理由もきちんと説明します


ただ「これはダメだよ」と言ったって「なぜダメなのか」子どもには分からないですね。
きちんと理由を持ってしてダメであることを伝えます。
その時に、避けた方が良い言い方があります。

・抽象的な言い方 ×
→「これは、ダメで、これは、良いよ」と分かりやすく伝える○

・大人にしか分からないような単語 ×
→子どもに分かりやすい言い方に変える ○

・一度にあれもこれも畳みかけるように言う ×
→簡潔に、丁寧に説明する ○



1人1人にあった「伝え方」もあります。例えば、絵やイラストを一緒に提示し、ダメなことを伝えるという方法もあります。

その子に合わせた対応が出来るようにしていきたいですね。



発達特性のある子もピアノが≪弾けた!≫

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矢田美麗
専門家

矢田美麗(ピアノ講師)

【MIREI PIANO ROOM】

神経発達症(発達障害)の基礎理解や支援者に求められる知識を学び、発達特性のある子も通えるピアノ教室を運営。独自の指導案を伝える講師養成講座の主宰、音楽療法、演奏家など、音楽を舞台に幅広く活動中

矢田美麗プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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