相続のキホン④遺産分割ってどうやるの?
みなさん、こんにちは!
コラムをご覧いただきありがとうございます。
シリーズ「相続のキホン⑤遺産分割協議書のつくり方」をはじめます。
今日は、遺産分割協議書を作る時のポイントや注意点を簡単にご案内します。
遺産分割協議書とは
相続人が複数いる場合に、相続人全員で、遺産の分割方法を協議して合意した内容をまとめたものです。
なお、遺産分割協議は、必ずしも相続人全員が一堂に会して行う必要はありません。相続人全員が協議内容に合意して遺産分割協議書としてまとめ、署名して実印で押印すればOKです。
遺産分割協議書の形式
<使用する紙>
特に決まりはありませんが、法務局や金融機関に提出しますし、長期の保管をするため、丈夫で良質な紙が良いです。
<作成の通数>
基本的に遺産を相続する人の分だけ作成すれば大丈夫です。もちろん、相続人の人数分作成するやり方でも良いです。
<数ページにわたる場合>
数ページにわたる場合は、次のいずれかのやり方により、一つの遺産分割協議書とすることができます。
①遺産分割協議書をホチキスなどで止めて製本テープでまとめて、遺産分割協議書と製本テープのつなぎ目に相続人全員の実印で契印を押す。
②遺産分割協議書をホチキスなどで止めて全ページに相続人全員の実印で契印を押す。
作成のポイント
<だれの相続なのかをしっかり特定する>
遺産分割協議書の冒頭において、亡くなった方(=被相続人)の氏名、死亡年月日、最後の本籍、最後の住所などを記載し、だれの相続なのか、いつ相続が開始したのかを明確に特定します。
<財産をしっかり特定する>
相続財産が不動産なら登記簿のとおりに、預貯金の場合は金融機関名・支店名・口座の種別・口座番号を明記するなど、正確に財産を特定します。
<誰が何を相続するのかを明記する>
誰が何を相続するのか、共有で相続する場合は相続人ごとの持分などを明記します。
<訂正方法>
遺産分割協議書は、誤字脱字がないように正確に作成します。
やむを得ずに誤字脱字がある用紙をそのまま使用する場合は、その部分を二重線で消してそのすぐ上に正確に訂正し、遺産分割協議書の欄外の余白に相続人全員の実印を押し、その押印の横に「~字削除、~字加入」など加除訂正した文字数を明記して、訂正したことが明確に解るようにします。
<相続人全員で協議した旨を明記する>
相続人の全員で協議して、合意した旨とその年月日を明記し、全員が署名して実印で押印します。
法務局や金融機関での手続きについて
遺産分割協議書と共に、①相続人全員の印鑑証明書②相続人全員を特定できる戸籍などの相続関係書類はセットと考えて下さい。
遺産分割協議書だけ作成しても、①や②がなければ法務局や金融機関などの相続手続きを行うことは原則としてできません。
また、金融機関によっては、預金払い戻しのために、遺産分割協議書と①②の他に、その金融機関の任意の書類の提出を求められることがあります。
司法書士に依頼するメリット
前記②は被相続人の出生~死亡までの戸籍、除籍、原戸籍、除住民票ならびに相続人の戸籍などを収集する必要があり、個人の方がやるには収集にかなりの時間と労力がかかります。
司法書士に依頼すれば、職権で全国の市区町村に請求して②をすべて収集できます。それにより、相続関係を速やかに正確に把握したうえで安心して相続手続きを行えます。
また、司法書士は、相続のケースごとに遺産分割協議書を正確に作成し、郵送や電話による意思確認を通じて全国の相続人全員から、遺産分割協議書に署名・押印をもらうサポートをすることができますので、スムーズに相続手続をすすめることができます。
司法書士による遺産(相続財産等)承継業務についてこちらをご覧ください!
相続いろいろおまかせ
さて、「シリーズ相続のキホン」は、今日が最終回とさせて頂きます。
シリーズをご覧頂きました方、ありがとうございました。
不定期ではありますが、今後もコラムは続いていきますので、引続きよろしくお願いします!
では、また!