相続のキホン⑤遺産分割協議書のつくり方
みなさん、はじめまして!
コラムをご覧いただきありがとうございます。
この度、マイベストプロに登録させていただいた、司法書士の畑中と申します。
以後、よろしくお願いいたします!
このコラムでは、相続に関することや司法書士の仕事などを中心に、みなさんになるべくわかりやすくご案内します。
また、息抜きでちょくちょくプライベートな話題もはさむかもしれませんが、温かい目でご覧いただければ幸いです。
このコラムを通じて、みなさんが相続に関心を深め、司法書士を身近に感じていただければ良いなと思います。
相続人はだれ?
さて、前置きが長くなりましたが、シリーズ「相続のキホン①相続人はだれ?」をはじめます。
当然ですが、相続は、まずだれが相続人になるかわからなければ、話しを進められません。
お亡くなりになった方(被相続人)の相続人はだれか、みなさん親族関係からなんとなくわかっているという方がほとんどではないでしょうか?
今日は、せっかくコラムをみていただいてるので、民法に基づく知識を身につけましょう!
早速だれが相続人になるかみていきましょう。
被相続人の配偶者(夫または妻)は常に相続人となります。
なお、離婚した配偶者は相続人とはなりません。ただし、離婚した配偶者との子は相続人となります。
配偶者と共に次の人が相続人になります。先の順位の人が一人もいない場合に後の順位の人が相続人となります。
第1順位 子(養子を含む)
第2順位 直系尊属(両親、祖父母など)
第3順位 兄弟姉妹
さらに、民法の「代襲(だいしゅう)相続」という規定により相続人になる場合もあります。
これには、次の2つのパターンがあります。
①第1順位の相続の場合
被相続人の子で、相続の開始以前に(*)亡くなっている方(被代襲者)がいる場合、その方の子ども(代襲者)が相続人になります。代襲者が相続の開始以前に亡くなっている場合は、さらにその子(再代襲者)が相続人になります。
②第3順位の相続の場合
被相続人の兄弟姉妹で、相続の開始以前に(*)亡くなっている方(被代襲者)がいる場合、その方の子ども(代襲者)が相続人になります。なお、①と違い再代襲はありません。
(*)上記①②ともに、亡くなっている場合以外にも、代襲相続が発生するケースがありますが、ここでは省略します。
相続分ってなに?割合は?
また、民法の定める相続分(法定相続分)は次のとおりです。相続分とは、相続人が被相続人の権利や義務を引きつぐ割合と考えていただければ大丈夫です。
第1順位 子(1/2)、配偶者(1/2)
第2順位 直系尊属(1/3)、配偶者(2/3)
第3順位 兄弟姉妹(1/4)、配偶者(3/4)
配偶者以外の相続人が何人かいる場合は、上記の相続分を(*2)人数で割ります。たとえば、第1順位で子が3人なら、子の全体の相続分である1/2を3人で割って、子1人につき1/6づつです。
(*2)第3順位の場合、一部例外がありますが、ここでは省略します。
この法定相続分に必ず従わなければならないものではありません。むしろ、遺産分割協議や遺言でこれと異なる割合で相続する場合が多いです。
かつて、私が相続登記の依頼人の戸籍を調べてみたら、依頼人の知らない方が相続人であることが判明し、その方も自分が相続人となっていることに気づいていないケースがありました。この場合は、その方も含めて相続のお話合いをしなければなりません。遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しないからです。このようなケースでは、ひときわ相続人どうしデリケートなやり取りになります。
相続人はだれなのか、正確な知識を身につけていれば、早めに相続人どうしのコミュニケーションも取れますし、スムーズなお話し合いにつながることもあります。
今日は、ここまでにします!
次回は、「相続のキホン②遺言書のあれこれ」を予定しています。
では、また!