アトピー性皮膚炎 4
「27才男性、幼少期からアトピー性皮膚炎。しばらく症状は落ち着いていたが、数ヶ月前から仕事が忙しくなり、睡眠不足も続いたためか悪化してきた。額部や首、下肢、肘裏、手甲に多く発症し、患部淡紅色、痒み、赤み、乾燥、肥厚、落屑、血痂がみられる。普段から胃腸が弱く、下痢をしやすい。口渇有り。過労以外は、入浴後や発汗により悪化する。喘息の既往症もある。」との事でした。
気陰両虚と脾虚湿盛を兼ねていると考え、参苓白朮散と瓊玉膏を服用していただくことにしまして、スキンケアの指導もさせていただきました。服用開始から2ヶ月ほどで、ほとんど落ち着き、このまま、ほぼ順調にいけそうです。胃腸の調子も良いようで元気そうです。
漢方では、「脾は肌肉・四肢を主る。」といい、消化器と皮膚は重要な関係にあるとされています。このようなタイプ以外にも、アトピー性皮膚炎には、「風熱証」「風湿証」「湿熱証」「燥熱証」「血熱証」「脾気虚証」「気血両虚証」「血虚風燥証」「陰虚証」「肝気欝結証」「血瘀証」等々多くのパターンがあり、当薬局では約八十種類ほどの処方を使い分けています。他の疾患と同様、「アトピーには、○○湯」と決めつけずに、皮膚症状や個々の体質をきちんと判断して的確な漢方薬をセレクトすることが、治療の早道となります。
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アトピー性皮膚炎の漢方治療
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