ペットも一緒に埋葬してもらえますか?
今年の5月1日に運営開始しました合葬墓「つどい」。3ヶ月半経過し、初めてのお盆を迎えました。
この間に30人分の遺骨を埋葬させていただくことができました。
まだ、3ヶ月半ですが、沢山のご相談とお問い合わせがありました。また、遺骨をお預かりする際には、沢山のストーリーと想いを聞かせていただきました。
お盆前のお掃除の時、お盆中の「つどい」のお参りの時など、埋葬された遺族の方々とお目にかかり言葉を交わす機会も何度もありました。
今回のコラムは、「つどい」の周りで起きた印象に残る出来事や会話の一部をご紹介させて頂きたいと思います。
その前に、問い合わせの時に、特に多くいただいた質問をひとつご紹介致します。
それは・・・
「永代供養と合葬墓は、何がどう違うのですか?」というご質問です。
確かに、その違いについては明確な線引きがあるわけではないですし、疑問に思われるのも納得出来る気がします。
地域などによる違いもあるのではと思いますが、私なりに永代供養と合葬墓には、以下の三つの違いがあるのではと考えます。
一つ目は、管理運営組織の違いです。
永代供養は主に宗教法人(寺院など)が管理運営されています。それとは違い合葬墓は、行政や企業、霊園事業社などで管理運営されていることが多いように思われます。もちろん、宗教法人と共同で管理運営されているケースもあります。
二つ目は、遺骨の保管の方法です。
永代供養は、一定期間(寺院によって異なります)骨壺や骨箱で保管安置された後、合葬されることが一般的です。いつまでも保管安置していると、いくら場所があっても足りません。合葬墓は、遺骨を預かるとすぐに合葬します。合葬とは、別の人の遺骨と一緒に埋葬されることですので、他の人の遺骨と混じります。
このように、最終的には永代供養も合葬墓も合葬するという点においては、大きな違いではないような気がしますが。
最後に三つ目ですが、供養についてです。
永代供養とは、「永代」期限を設けずいつまでも、「供養」弔いをする、という意味になります。宗教法人が管理運営しているわけですから、毎年寺院で決められた日や、仏様の命日や回忌に合わせてご供養することが念頭にあります。
合葬墓は、あくまで埋葬されることを目的とされた場所ですので、弔いはされません。行政や企業などが管理運営されているわけですから、独自に宗教活動は行いません。
ですが、宗教家の方に依頼してその場に来て頂き、ご供養をされることは拒みません。
料金なども、料金だけを比較すると永代供養の方が高額に感じますが、永代に渡ってご供養していただけると考えると、けして高くないのかもしれません。
とまぁ、このようにお答えさせていただいています。
実際に合葬墓「つどい」に埋葬された方々は、ここに来るまでのプロセスが当然違います。墓じまいをされて改葬先として、後継者もなく家のお墓を持てなくて、更には経済的な理由からなど様々です。
そんな中で特に印象的だったのは、某葬儀社様よりご連絡をいただいたケースです。
生活保護を受けていた方がお亡くなりになり、行政からの依頼で火葬をされたそうです。
身元は分かってはいましたが、誰も遺骨の引き受けをしてくれず、行政で準備している無縁墓に埋葬されるはずの遺骨でした。
親族の方たちの声は、経済的な理由や、埋葬に関して我が家のお墓に埋葬するのに抵抗があったため、遺骨の引き取りに応じなかったとのことでした。(正直、珍しくなくよくある話です)
そんな時、合葬墓「つどい」の記事が新聞に出て、連絡してみたとのことでした。
当事者の身内の方と直接お話しさせていただきました。
「自分たち身内がいるのに、無縁墓に埋葬してほしくない、無縁じゃない・・・」
そう言葉を詰まらせながら涙を流していました。
合葬墓「つどい」の規約を説明させていただき、「つどい」に埋葬することが決まりました。某葬儀社様が行政に連絡して、無縁墓のある霊園まで遺骨を引き取りに行ってくれました。
改めて遺骨を預かり、後日無事に埋葬を済ませました。埋葬の際には遺族の方もおいでになり、合掌しながら涙を流されていました。
「良かった、良かった、この場所ができて本当に良かった」と何度も感謝の言葉を口にされていました。
お盆前に「つどい」のお掃除をしに行った時のことです。
一人の女性の方が、お線香をあげながら涙を流されていました。よく見ると、少し前に埋葬されたばかりの方のご遺族の方でした。
亡くなられた方は旦那様で、お二人の間にお子様はなく、菩提寺もありませんでした。旦那様の病気が見つかって、心の準備も整わないうちに、あっという間だったそうです。
葬儀はなんとかしたものの、身内の方に相談されても、埋葬については答えが見つからず、途方に暮れていたときに、合葬墓「つどい」を知り、埋葬することになったようでした。
その女性は私に気がつき、笑顔で涙を流されながらこう言っていました。
「実は、埋葬されてから毎日来てるんです。ここに来ると会える気がして」
そう言って、俗名で彫刻してある名前を何度も何度も撫でていました。
「いろんな人が入っているから、きっと寂しくないと思います、楽しくやってますよね」
とも笑顔で語ってくれました。
様々な事情から、墓じまいをする、お墓を建てることやご供養の継続が困難な方々が、今後も増えていくのではないかと思います。
それでも、故人を偲ぶ場所や機会は求められるのではないでしょうか。
合葬墓「つどい」がそんな一助になっていくことを願う初めてのお盆でした。
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