今年を振り返って・・・ちょっとだけ供養の未来を考えてみた

佐々木博一

佐々木博一

もう年末、あと数日で2024年も終わりますね。
2025年はどんな年になるのでしょう。

今回は、今年最後のコラムになりますので、私ごとではありますが、今年を振り返って来年のことを少し想像したいと思います。

全国ニュースになりますが、今年は能登半島地震が1月1日に発生して、一気にお正月気分ではなくなった記憶があります。私も東日本大震災を経験している一人として、被災者の皆様にはお見舞い申し上げ、一日も早い復興と平穏を取り戻せることを祈ります。

翌日には、飛行機事故の映像が報道され、今年は一体どんな年になるのだろう?
不安を感じた年明けだったような気がします。

さて、話を私ごとに戻します。
今年の最大の出来事は、我が家の墓石を建立できたことです。以前(9月)のコラムでも書かせていただきましたが、両家墓という形で家内の先祖のお墓と、これからの私たちのお墓と同一墳墓内に二本建立することができました。
義父が他界してから11年が経っていました。

その間、家内の先祖のお墓はありましたが、遺骨は菩提寺に預かっていただいておりました。家内の強い希望で、両家墓を建立してから、義父の遺骨を埋葬したいと言っていたからです。家内は二人姉妹の妹で、姉が九州へお嫁に行ったことで、家内は先祖のお墓を守る後継について考えなければいけない立場になっていました。

そしてやっと今年念願叶ってお墓の建立をすることができました。私の母は健在で、自分の最後の住処ができたと喜んでくれました。それは勿論嬉しい言葉だったのですが、何より、家内の親戚の方にも、義父の納骨の際には立ち会っていただき、先祖を守っていくことを確認していただきながら、涙ぐむ光景に達成感と安堵感を覚えました。

お墓に携わる仕事は、他人(お客様)のためにやっていることがほとんどです。ですが、今回のお墓の建立は、義父を含めた家内の先祖、そして私の母親、家内や自分を含めた家族のためにやっていることであり、こんな気持ちでお墓の建立を待っている、こんな気持ちで遺骨を埋葬しているのだと、私に仕事を依頼される方々の気持ちが今更ですが、本当に分かる出来事にもなりました。

これからもご供養の仕事に携わる者として、とてもいい経験をさせていただいた今年の最大の出来事です。

仕事では、件数的に圧倒的に増えたのは、「墓じまい」です。
これは私に限ったことではないようで、知り合いの石材店と墓地など現場作業で会う度に、お互いの作業が墓じまいだったことが度々ありました。
会話では、「今年は墓じまいが多いよね」という会話がほとんどだったような気がします。

弊社の業務の中で今年また増えたもののひとつに、「お墓参り代行」があります。
コロナ感染症が流行していた時期は、帰省が難しいなどの理由から地元のお墓参りに来られないことが依頼される方々の理由のトップでした。

お墓参りの代行という業務が認知されてきているのも理由だと思いますが、地元の高齢者がお墓参りに来られないなどの理由で依頼される方が増えたようにも思います。

数年前からお墓参り代行を毎年のようにご依頼なさっていたお客様からの、墓じまいも今年は数件ありました。お墓参り代行を依頼される方々の理由はそれぞれだと思いますが、潜在的に将来は墓じまいをされる可能性の高い方々なのだろうと感じます。

地元八戸は、例年だと、さほど雪が多くないのですが、この時期には珍しく積雪があり、いつもの年より少し早めの仕事終わりになっています。
ですが、暖かくなってからの墓じまいのご依頼(契約)件数は、既に今年一年分に迫る件数となっています。

ここ数年、毎年のように墓じまいの依頼件数は右肩上がりで増えてきています。感覚的には、まだピークではなく、この状態が今後も続いていくような気配を感じています。

お墓を持たない人が増える時代に向かっているのでしょうか?
お墓参りといった風習的、文化的な行為が失われていくのでしょうか?
お墓参りに変わる、新たな先祖供養のカタチが生まれてくるのでしょうか?

現在は、永代供養、樹木葬、海洋散骨など多様なご供養の方法があります。
それぞれの事情に応じて墓石建立を含め、多種多様なご供養の方法から選択できる時代になってきていることは間違いありません。

埋葬する手前で、お葬式という儀式もまた変わってきています。コロナの流行により、人が集まることを避け、少人数で行う、直葬などのように簡潔に行うなど、宗教的な儀式もまた変化してきていますし、それが通常になってきているようにも思います。

ご供養の業界は、変化のスピードが決して早いわけではありません。昔からの風習や地域独自の考え方があるからだと思います。ですが、そんな業界でも、ここ数年の変化のスピードは目を見張るものがあります。

来年は、どんな年になるのでしょう。
新しいご供養の方法が生まれてくるのでしょうか?
お葬式のカタチにも、何かしらの変化や新しい試みが生まれるのでしょうか?

来春には、新しい事業をスタートさせていただく予定になっています。今年はその準備にも時間を費やしてきました。何が始まるのか、その時が来たらこの場でもご報告させて頂こうと思っています。

年末年始、どうぞご先祖様へも手を合わせる機会を作って頂きたいと思います。
それは単にお墓に行くということではなく、仏壇でも遺影の前でもいいと思います。また、手を合わせるという行為ではなくても、家族とご先祖様の思い出などを語るだけでも、ご供養になるのではないでしょうか。
命を頂いたこと、今年も生かされてきたこと、ご先祖様へ感謝の想いを届ける機会をもうける年末年始になればと思います。是非私もそうさせていただきます。

今年も一年間お付き合いいただき、誠にありがとうございます。
それでは皆様、よいお年をお迎えくださいませ。
来年も皆様にとって、素敵な一年になりますように。

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