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菅原晃

光と風を生かしたオリジナル住宅を提案するプロ

菅原晃(すがわらあきら) / 一級建築士

一級建築士事務所 設計工房SD

コラム

設計事務所の正しい使い方

2013年4月5日

コラムカテゴリ:住宅・建物

ある調査によると家を建てたいと考えている人の97%が建築家・設計事務所に依頼したい、依頼を検討したいと考えています。でも設計事務所の門を叩くのはわずか数%
そのギャップはどこにあるのでしょうか。アンケートによると ①設計料が高そう(76%)②自分に合った建築家を見つけるのが難しそう(66%) ③希望通りにならない気がする(15%) ④見た目は良さそうだけど使いにくそう(15%)が上位に並びます。 奇抜なデザインを心配する人は予想外にわずか7%

①は予想通りダントツの一位。
一般的に住宅計画は①ハウスメーカーに依頼する ②建設会社・工務店に依頼する ③設計事務所に依頼する という大まかに3通りに分けられます。
①②は基本的には設計・施工一貫ですからプランと予算が合えば世話なしです。
③は設計事務所との設計契約プラス工務店との工事契約で煩わしい。
さらに設計事務所に頼むと設計料が無駄(?)に掛かるのでもったいない・・・もっともな考え。

でも設計事務所はもっと上手に使いましょう。
最初から設計事務所の門を叩くお客様はともかくハウスメーカーのモデルルーム巡りや工務店をあたってみたけれど思うようなプランや予算に満足できないという方は設計事務所を有効に使いましょう。

設計事務所は施主の希望に沿って設計図を作るのは勿論ですが施工業者の選定にも仲立ちします。
民間の住宅建設でも競争入札方式を取ると同じ設計仕様で見積比較ができます。
ハウスメーカーの場合は他社と同じ仕様というのはありませんので見積の比較ができません。
提出された見積書が高くても仕様変更するか値切るしか道はありません。

設計事務所に設計を依頼して競争入札方式で数社から見積りをしてもらうと高いと思う設計料程度の金額は
あっという間に浮いてしまいます。勿論施主が懇意にしている工務店があったりあちこちに見積もりを頼むのは気が引けるという方は一社でも構いません。それでも設計事務所が仲立ちしているといい加減な見積は
しません。適正価格で提出されると思いますが内訳内容がよくわからないという場合も言いにくい価格折衝も設計事務所が致します。

蛇足ながら 設計事務所が入ると施工業者は「やりにくい」のが本音だと思います。
私も建設会社に勤務していた時は設計事務所の監理物件は「やりにくい」・・・・でしたね(苦笑)
決して「不正できないから」ではありませんよ。

建築現場は工種が多くそれぞれの工事の工程に合わせた段取りや打ち合わせがあります。
天候にも左右されやすい中 各職種の職人の「やる気・高揚感」を維持させながら建築の質を高めていくのが現場監督・現場担当者の力量。

現場も施主の期待に応えるべく絶え間無い努力していますが工程管理、品質管理、安全管理、予算管理と様々な問題が日々起こってくる中 設計事務所の「チャチャ」(?)が入ってくると大変なことになります。施工ミスや仕様の勘違いもありますがそのチャチャの多くは設計内容にない予算にも入っていない事柄が多いからです。設計者は設計者でより良いものを目指しているのですから現場を混乱させる意図は毛頭ありません。予算と工程の許しがあれば・・・のお願い事ですね。

施工者からみると設計事務所の入っている現場は手間の掛かる厄介な物件です。現場は大変ですが施主・施工者・設計事務所が話合う場が多いということは出来上がる建物が悪くなるはずがありません。
出来上がったものが施主に喜んでいただけることは結果的には3者とも勝者なのではないでしょうか。

今一度 設計事務所の仕事と役割を考えて設計事務所を上手に使ってみてください。



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